政府はソマリア沖での海賊対策活動の期限を1年延長するとともに、2隻の護衛艦のうち1隻を多国籍部隊の活動に参加させる方針を固めました。
25日の自民党合同部会で防衛省は「海賊という犯罪行為を取り締まる警察活動であり、武力行使かどうかという憲法を巡る問題は生じる余地がない」と説明し、出席者からも特に異論は出なかったということです。
海外での多国籍部隊との連携行動が、常にこうした形で既成事実化されて行くのは言うまでもなく危険なことです。
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海自 ソマリア沖で多国籍部隊に参加へ
NHW NEWS WEB 2013年6月25日
政府は、海上自衛隊がアフリカのソマリア沖で行っている海賊対策について、活動の期限を1年延長するとともに、一部の護衛艦を多国籍部隊の活動に参加させる方針を固め、防衛省の幹部が、自民党の合同部会で説明しました。
ソマリア沖の海賊対策を巡っては、海上自衛隊の護衛艦2隻と哨戒機2機が、「海賊対処法」に基づいて、外国籍を含むすべての船舶を対象に護衛活動を行っていて、来月23日に活動の期限を迎えます。
こうしたなか、25日に開かれた自民党の合同部会で、防衛省の黒江運用企画局長は、活動の期限を1年延長するとともに、2隻の護衛艦で1隻の商船を挟み込むようにしている今の護衛の方法を、ことし12月をめどに改めて、商船1隻に対しては護衛艦1隻のみで対応し、残り1隻の護衛艦は、アメリカやイギリスなどの多国籍部隊の活動に参加させる政府の方針を説明しました。
黒江局長は、多国籍部隊の活動への参加について、「海賊という犯罪行為を取り締まる警察活動であり、武力行使かどうかという憲法を巡る問題は生じる余地がない」と述べ、出席者から特に異論は出ませんでした。
防衛相「憲法上の問題に抵触しない」
小野寺防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で、海上自衛隊の護衛艦を多国籍部隊の活動に参加させる方針について、「あくまでも海賊対処を各国が協力して行うという範ちゅうでの対応だと思っているので、『集団安全保障』など、憲法上の問題に抵触するような事案ではない」と述べました。