2013年6月13日木曜日

米で上陸訓練、領海侵入に自衛隊出動の法整備

 
 米西海岸で11日から、陸海空の自衛隊と米海軍・海兵隊などによる共同訓練が始まりました。今月下旬までの予定で強襲揚陸作戦の訓練を行います。こうした訓練を陸海空の自衛隊3部隊がそろって行うのは初めてということです。
 防衛省は「島しょ侵攻対処作戦」にかかわる訓練であるとし、米軍は「地球規模の危機対応」であり海外への侵攻能力強化するためとしています。

 その一方で自民党は衆院選での公約に基づくとして11日、尖閣諸島周辺の警戒強化を目的に、自衛隊領海警備を行う「領海警備保全法」の骨子案をまとめました。
 領有権を主張する目的で日本領海内に侵入し周回する外国船に対し、海上保安庁と連携して退去を要請し、応じない場合武器使用を認めるものです

 安倍首相は、10日に発売された米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」のインタビュー記事で、尖閣諸島をめぐる問題について「中国の要求は、領有権問題が存在すると日本が認めるべきだということ。われわれはこの議論にくみすることはできない。中国側は南シナ海の島々を支配するため、ベトナムやフィリピンに対して同種の論争を持ち出している」「われわれは尖閣問題の棚上げで中国側に同意したことはない過去に同意したというのは完全に中国側の嘘だ」と述べるなどしています。

 こうした強硬な態度を貫いていては、いつかは抜き差しならない状況に陥るのではないでしょうか。首相の異様な高揚ぶりだけが目立ち、党内に制止する勢力がないように見えるのも異常なことです。
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米で強襲揚陸訓練 陸海空自衛隊が初の参加
しんぶん赤旗 2013年6月12日
 陸海空の自衛隊と米海軍・海兵隊などによる共同訓練が11日(現地時間10日)、米西海岸カリフォルニア州で始まりました。今月下旬までの予定で、同州サンディエゴ沖のサンクレメンテ島や米海兵隊ペンドルトン基地で強襲揚陸作戦の訓練を行います。
 訓練は、米海軍・海兵隊が実施する、「ドーン・ブリッツ(夜明けの電撃戦)」と呼ばれる強襲揚陸作戦訓練に自衛隊が参加する形で行われます。こうした訓練を3自衛隊がそろって米国で行うのは初めてといいます。
 防衛省は「島しょ侵攻対処作戦」にかかわる一連の行動を訓練するとし、メディアも「離島防衛訓練」などと報じています。
 一方、訓練を主催する米海軍・海兵隊は「地球規模の危機対応」のためと位置付け、海外への“殴り込み”能力強化の目的を明確にしています。米軍準機関紙「星条旗」9日付(電子版)も「上陸作戦部隊の攻撃能力を向上するのが狙い」と報じています。中国政府は、訓練中止を申し入れていました。
 訓練には、陸自の西部方面普通科連隊や海自の大型護衛艦「ひゅうが」、大型輸送艦「しもきた」などが参加。米側は、第11海兵遠征隊や強襲揚陸艦ボクサー、ステルス性能を持った新型揚陸艦ニュー・オーリンズなどが参加します。

中国の軍拡「不透明ゆえ地域に恐怖感」米軍高官、自衛隊に期待も
産経新聞 2013.6.12
 米太平洋軍海兵隊のシムコック副司令官(准将)は11日、中国の軍事力増強について「透明性に欠ける。そのことが(アジア太平洋地域で周辺国の)恐怖感を引き起こしている」と言明、中国による東・南シナ海での領有権主張に日本やフィリピンが警戒を強め、対抗措置を取っていることに理解を示した。
 国防総省で共同通信など一部メディアとの会見に応じた。同副司令はアジア太平洋地域における最大の脅威の一つは、自然災害と強調。米国が同地域で海兵隊を強化する狙いは、武力紛争だけでなく人道支援に備えることと説明。「特定の国やシナリオを想定したものではない」と述べた。
 自衛隊が参加して米カリフォルニア州サンディエゴで始まった米軍と合同の離島奪還訓練に関連し「自衛隊は水陸両用能力の大幅な向上を目指しており日本はこうした戦力を創設する力がある。米国、地域にとっても良いことだ」と述べ、連携強化に意欲を示した。 (共同)

領海侵入に自衛隊出動=尖閣警備で新法検討-自民
時事通信 2013年6月11
 自民党は11日、沖縄県・尖閣諸島周辺の警戒強化を目的に、自衛隊に領海警備の権限を与える「領海警備保全法」の骨子案をまとめた。領有権を主張する目的で日本領海内に侵入し周回する外国船に対し、海上保安庁と連携して退去を要請。応じない場合の武器使用を認めた。連立を組む公明党は武器使用に慎重なため、調整の難航も予想される。
 2012年9月の尖閣国有化以降、周辺海域では中国海洋監視船の領海侵入が相次いでおり、自民党は同年12月の衆院選で「領海警備を強化する法律の制定に取り組む」と公約していた。 
 領海警備は現在、原則として海保の任務と規定されている。海保では対処できないケースでは、防衛相による海上警備行動発令を受けて自衛隊が出動するが、「警察権の延長で、公船や軍艦には手出しはできない」(防衛省幹部)のが実情だ。
 このため新法では、領海警備を自衛隊の任務として位置付け、外国公船・軍艦が退去要請に応じない場合は、首相が自衛隊に「領海保全行動」を発令、武器使用を含む「必要な措置」を取れるとした。海保にも同様の権限を認めた。