2013年6月24日月曜日

自己責任論者の責任の取り方は??

 
 ニュースキャスターの辛坊治郎という人が、全盲のヨットマンと二人でアメリカに向けて航海を始めた6日目の22日に、小型ヨットが浸水したために海上自衛隊に救助を要請し、1200km沖の現場に向かった2機目の飛行艇で救出されました。
 その後に、その突飛な航海が日テレの24時間TV(8月24・25日)のハイライト用であったことや、ヨットは大阪から小名浜港への回航中にも浸水が確認されたのに、それを修理もせずにあたふたと出港したことなどが分かりました。
 そうであれば不注意による人騒がせな事件であり、救助費用(国費)を無駄遣いしたとの謗りは免れませんが、同氏はそうした批判を避けようとしていち早くブログを削除したということです。

 インターネットではもうひとつ、同氏が折に触れて唱えていた「自己責任論」とどう折り合いをつけるのかが注目されています。
 2004年にイラクで、市民活動家の高遠菜穂子さん、今井さん、ジャーナリストの郡山んら3人が、続いてジャーナリストの2名がイラク人武装グループに拘束され、一時生命危ぶまれる事態に陥った事件がありました。
 幸いにして5人の人たちは、武装グループ彼らのイラク入りの目的を理解したので無事解放されましたが、彼らとは別に武装勢力に誘拐され日本人青年、自衛隊撤退を要求された小泉首相が拒否したために、帰らぬ人となりました。

 折りしも小泉政権下では新自由主義者たちが自己責任論を強調し、救出された人たちに対して救出の費用を負担させるべきだという意見が公然と出されました。そして人材派遣会社の女性社長がしばしばTVに登場しては、「経済的弱者は努力が足りない人たちで、貧乏は自己責任」だと繰り返すなどしていました。
 そうした中で辛坊氏は率先して「自己責任論」を叫んでいました。従って彼がその自己責任論と自衛隊による救助とをどう整合させようとするのかは当然に注目されるところです。(辛坊氏はまたTVを通じて橋下徹氏を世の中に送り出した人でもありました)

 ところが世の中には頭の切れる人がいて、忙しい本人に代わってちゃんと同氏の名誉回復の方法を考えてくれました。村野瀬玲奈(多分仮名でしょう)という人で、22日付のブログで発表しています。(^○^)
 以下にその一部を抜粋して紹介します。全文は下記のURLをクリックしてご覧ください。
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村野瀬玲奈の秘書課広報室」(6月22日) より

 (前 略) 二人の人命が救助されたことに安堵するとともに、「この国の国民であったためにイラクで日本政府やテレビ局がつくった『自己責任論』の世論によって見殺しにされた青年」がいたことを私は決して忘れません。彼に危機に陥った何らかの責任があるとしても、彼を救助せず見殺しにする理由には全くならないからです。

 ところで、辛坊治郎氏が自分で自分の名誉を回復する手段がいくつかあると思います。

その一。他人からあれこれ言われる前に自分で救助費を全額日本政府に払う。
その二。極端な自己責任論をテレビで流すことによって日本政府がイラクで見殺しにすることに辛坊氏自身が手を貸したことになる日本人青年の遺族に謝罪に行く。
その三。海外で危機に陥って「救助費」を日本政府から「請求」されて払わされた人々に対しては辛坊氏が自腹で補償し、納税者である国民なのだから救助費を政府に払う必要はなかったことを公の場で表明する。
その四。テレビで自らが流してきた「自己責任論」は誤りであったことを認め、謝罪す
      る。
その五。「自己責任をとらない自己責任論者」橋下徹を自ら世に送り出したことを悔い、謝罪するメッセージを出す。
その六。テレビ界から完全に引退し、本を書くなどの手段で「自己責任論」の誤りを伝道することに残りの人生を捧げる。
その七。自分を救助したのは直接には海上自衛隊、海上保安庁ではあったが、それらの政府組織は日本国民が払う税金で運営されており、日本国民全員によって救助されたものであることを表明する。

 辛坊治郎さん。私には私個人があなたに迷惑をかけられたという意識はありません。
 いろいろな場面で危機にあるほかの多くの人の生命や生活を救うために本来使われるべき税金が生きるか死ぬかの状況に陥ったあなたのために使われたということは、正しい税金の使い方だからです。
 しかし、「自己責任論者」がどうやって「自己責任」をとるか、多くの人が、日本に大勢いるあなた同様の冷酷な自己責任論者たちを代表するあなたに注目しています。

 私個人は過去のあなたを尊敬することは全然できませんが、あなたの今後の言動によってあなたが尊敬の対象となるかどうかが決まるでしょう。どうぞ彼らの手本をお示しくださるよう、お願いいたします。(後 略)