2013年6月25日火曜日

韓国紙も「慰安婦強制連行」証拠資料を隠ぺい と

 
 安倍内閣が18日、答弁書で「慰安婦問題に関して日本軍による強制連行を示す証拠が政府の発見した資料の中にある」と認めたことに関連して、複数の韓国メディアが24日、第1次安倍晋三内閣が従軍慰安婦の強制連行を示す証拠があることを知りながら、虚偽の答弁書を閣議決定していたと非難しました。
      2013年6月20日「慰安婦問題 政府資料に強制連行の証拠」 
 政府としてはその批判を甘受するしかありません。

 上記の記事でも触れましたが、従軍慰安婦に関する一連の橋下発言は、第1次安倍内閣の答弁書を最大の根拠にしていました。橋下氏はその後も「閣議決定された文書こそは何にも勝る真実の書、最高の証拠」だと盛んに強調していましたが、こうなってみるとなんとも空しい言辞を吐いたものです。「総理大臣が言うことだから真実だ」などという論理はいまどき小学生にも通用しません。

 それにオランダ人女性に関する「スマラン事件」については、中大の吉見教授が6月4日に出した公開質問状の「第5 1~3」でも触れています。もしも自分に出された書類に目を通していれば、その後に「閣議決定の文書こそが真実」などとは言えなかった筈です。
 総じて彼の場合はぶら下がり会見などではポンポンと威勢のいいことは言うし、ツィッターではなおさら雄弁になるようですが、これまでも数多く出されてきた「精緻な論理で組み立てられている」公開質問状などにキチンと答えたという話は聞きません。
 これでは、昨年末の総選挙で突如マスメディアが「第3極」と持ち上げて躍進した維新の会が、僅か半年で都議選の結果に見るような凋落を見せたのもまたムベなるかなです。

 以下にサーチナニュース(中国電子網)を紹介します。
    (追記 吉見教授の「公開質問状」には前記の記事からアクセスすることができます)
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安倍内閣、「慰安婦強制連行」証拠資料を隠ぺい=韓国
サーチナニュース 2013624
 複数の韓国メディアは24日、第1次安倍晋三内閣(200607年)が従軍慰安婦の強制連行を示す証拠があることを知りながら、07年に「強制連行を直接的に示す記述はない」との答弁書を閣議決定していたと伝えた。各メディアは、安倍内閣が強制動員の証拠を「黙殺」したと非難した。
 報道によると、安倍内閣は18日、1993年に河野洋平官房長官談話を発表するにあたって日本政府が収集した資料の中に、日本軍による慰安婦の強制連行を示す資料である「バタビア臨時軍法会議の記録」が含まれていたことを、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員への答弁書で認めた。
 バタビア臨時軍法会議は、日本軍が1944年2月から約2カ月間に渡り、ジャワ島スマランなどの抑留所に収容していたオランダ人女性24人を慰安所に連行し買春を強要させた事件を裁くため、48年にインドネシアのバタビアで開かれた軍事裁判。同裁判では、日本軍将校7人と軍属4人が有罪、うち1人は死刑判決を受けた。日本は1951年のサンフランシスコ講和条約を通じて判決を受け入れた。
 安倍内閣は答弁書で、バタビア臨時軍法会議の記録に「慰安所に連行、宿泊させ、脅すなどして買春を強要するなどした」との記述があることも認めた。
 第1次安倍内閣は07年3月、慰安婦問題に関連し、「政府が発見した資料には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」との答弁書を国会に提出。安倍内閣は最近も同様の主張を繰り返している。
 赤嶺議員は、第1次安倍内閣が閣議決定した07年の答弁書は橋下徹大阪市長など「慰安婦」強制否定派が最大限に活用してきたと指摘し、政府が発見した資料に「バタビア臨時軍法会議の記録」があることを認めた以上、安倍内閣は07年の答弁書を撤回するべきだと主張した。(編集担当:新川悠)