2023年12月30日土曜日

コロナで高齢者施設内死亡者が多数 第8波16・5% 新潟県は25%

 寒気に入りコロナ患者の拡大が報じられています。
 コロナは今年5月に5類に移行しました。コロナに対応できる体制が整わない中での移行なので、当然危険を伴っています。5類に移行後も厚労省は、「医師が入院の必要がないと判断した場合を除き原則入院としています。
 直近の第8波では、判明しているだけで死亡者の2割近くが高齢者入所施設で亡くなっており、新潟県は25%と死亡率が高い県に属します。それなのに新潟県は公然と「原則、施設内療養」を掲げているので、高齢者は大いに注意する必要があります。
 しんぶん赤旗の記事を紹介します。
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コロナ 入院できず死亡多数 第8波165% 高齢者施設内
                      しんぶん赤旗 2023年12月29日
 新型コロナ感染症の国内死亡者は分かっているだけでも累計約7万5000人にのぼります。死者数が過去最大になった2022年秋から23年初旬の第8波では、判明しているだけで死亡者の2割近くが高齢者入所施設で亡くなっていることが28日までに本紙調査により明らかになりました。政府・厚生労働省は新型コロナの感染症5類移行後(今年5月)も、高齢者施設のコロナ患者は「医師が入院の必要がないと判断した場合を除き原則入院」(同省老健局)としています。施設留め置きによる大規模な死亡者の発生は、人命軽視の自民党政治の責任を鋭く問うものです。(内藤真己子)

 日本共産党地方議員団の調査や本紙の取材・公文書開示請求で分かったもの。全都道府県・政令市におおむね22年11月~23年2月の死亡場所別死者数をたずね、28日現在「整理中」と回答した北海道を除き集計しました。一部県が保健所設置自治体分を明らかにせず、一部政令市が「把握不可能」(横浜市)など詳細を回答しませんでした
 それによると全国平均では死者の16・5%が高齢者施設で死亡しています。香川・宮崎(35%)、大分(32%)、徳島(31%)各県はとりわけ施設内死亡率が高く、3割を超える人が高齢者施設内で亡くなっています。ほかにも岩手・栃木(29%)、秋田・新潟・岡山(25%)、静岡(24%)など14県が2割を超えています。

 コロナ禍では検査体制の不足やワクチン接種の遅れなど政府の無策のため、たびたび感染が大爆発。医療崩壊が繰り返され高齢者施設ではクラスター(感染者集団)が多発しました。ところが政府・厚労省は、医療崩壊がより深刻になるのを回避するため高齢者施設内での療養を認め、補助金も付け事実上進めてきました。そのもとで公然と「原則、施設内療養」を掲げる県(新潟、山形両県など)も現れました
 さらに、施設療養中に容体が悪化しても「人工呼吸など延命治療を希望していない人は施設にいても同じで入院させない」「高齢者は施設で看取(みと)ってほしい」など入院調整する自治体が入院を断る例もあとを絶ちませんでした。

 特養ホームの施設長らでつくる21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会(21・老福連)の第8波の調査では4割が「入院できなかった」と回答。このうち23%が「行政や病院から施設で看取ってほしいと言われた」と回答しています。「命に優先順位をつけるトリアージだ」「高齢者を差別するもの」との批判が広範に起こりました。
 施設の介護職員は、医療の専門職でないのに施設内療養に駆り出され大勢が感染しています。

 歴代自民党政権による医療費抑制政策で医療供給体制が脆弱(ぜいじゃく)にされるなか新型コロナ感染症が大爆発し、感染が拡大しやすく重症化リスクの高い施設の高齢者の命が多く失われたものです。