櫻井ジャーナルが掲題の記事を出しました。
いま進行中のイスラエル軍による「民族浄化」作戦に、米英はいうまでもありませんが、オランダ、ドイツ、カナダもそれぞれ兵器の輸送用に多数の大型輸送機を提供しているということです。
アメリカやイギリスをはじめとする西側の軍事支援がなければ、イスラエルは民族浄化作戦を実行できないので、ガザにおける虐殺において欧米諸国はイスラエルの共犯者だと述べています。
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イスラエルが行うガザでの民族浄化作戦を支援するため、米英はキプロスを使う
櫻井ジャーナル 2023.12.08
10月7日にハマスなどの戦闘部隊がイスラエルへ攻め込んだ。それを利用してイスラエル軍はガザを無差別爆撃、建物は破壊され、すでに1万6000人の市民が殺された。その約4割は子どもだと言われている。イスラエル軍は「民族浄化」作戦を推進中だ。その作戦にアメリカやイギリスが関与していることは間違いない。
ガザはイスラエルが建設した一種の強制収容所である。その収容所を取り囲む壁には電子的な監視システムが張り巡らされ、人が近づけば警報が鳴り響く。地上部隊だけでなく戦闘ヘリも駆けつけることになっているのだが、迅速な対応はなかった。アメリカの有力紙、つまりプロパガンダ機関のひとつであるニューヨーク・タイムズ紙は12月1日、ハマスの攻撃計画を1年以上前に知っていたと報道している。しかもハマスはアメリカ製の武器を保有、それらはウクライナから横流しされてきたという噂がある。
突入から数時間後にジョー・バイデン政権は2隻の空母、ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させている。そうしたことから、ネタニヤフ政権やアメリカのジョー・バイデン政権はハマスの攻撃を事前に知っていたのではないかと疑う人が少なくない。
イスラエルのヨアブ・ギャラント国防相は10月9日、ガザの完全閉鎖を命じ、「電気も食料も燃料もなくなる。我々は人間獣と戦っているのだ」と宣言。ギラド・エルダン国連大使は10月26日の国連で「われわれは動物と戦っている」と叫んだ。人間ではないので殺しても構わないと言う主張だが、勿論、パレスチナ人も人間である。
しかも、ハマスが突入してきた際、イスラエル軍は自国の住民を殺したとする証言をハーレツ紙をはじめとするイスラエルのメディアが報道している。そうした報道を元にした報告が国外でも伝えられ、ネタニヤフ政権は厳しい状況に陥っている。
こうしたイスラエルによる民族浄化作戦をアメリカやイギリスをはじめとする西側諸国は支援、アメリカ軍はイスラエルに基地を保有している。そうした基地のひとつがネゲブ砂漠のハルケレン山頂にある「サイト512」だ。
そこにはレーダー施設があり、イランの動きを監視している。オーストラリアにあるCIAのパイン・ギャップ基地もガザに関する電子情報を収集、そのデータをイスラエル国防軍に提供している。またキプロスにもアメリカのNSA(国家安全保障局)やイギリスのGCHQ(政府通信本部)の施設が存在、情報を収集している。
アメリカやイギリスにとってキプロスは重要な軍事拠点でもある。イギリス空軍のアクロティリ基地はテルアビブから約290キロメートル。イギリス空軍だけでなくアメリカ空軍の偵察航空団も駐留している。アメリカ軍はこの基地からイスラエルへ武器を輸送している疑いがあるのだが、そうした情報をイギリス政府のジェームズ・ヒーピー国防相は明らかにすることを拒否している。
しかし、イスラエルのハーレツ紙によると、10月7日以降、アメリカ軍の大型輸送機20機、イスラエル軍と外国軍を合わせた約50機のリース民間輸送機がアメリカやヨーロッパの基地、あるいは物流センターから兵器などを輸送している。
キプロスのアクロティリ基地にはアメリカの輸送機が40機以上、イギリスの輸送機が20機、7機の大型輸送ヘリコプターが到着。装備品、武器、兵員を輸送したと見られている。そのほかオランダの輸送機4機、緊急対応部隊を乗せたドイツの輸送機4機を派遣、カナダ空軍は数機の輸送機を向かわせた。またキプロスにはイギリス陸軍のSAS(特種空挺部隊)も待機中だと伝えられている。
そのほかヨルダンの空軍基地には25機以上のアメリカ軍の大型輸送機が飛来、通常はイギリスにいるアメリカ空軍のF-15E飛行隊がヨルダン基地に配備されたという。ドイツの輸送機9機も同基地に到着したという。
アメリカやイギリスをはじめとする西側の軍事支援がなければ、イスラエルは民族浄化作戦を実行できないだろう。つまりガザにおける虐殺で欧米諸国はイスラエルの共犯者だ。