2023年12月30日土曜日

5人がかりで怒鳴られ 生活保護の水際作戦 常態化 桐生市(しんぶん赤旗)

 日本では本来生活保護を受けるべき人たちの2割(=捕捉率)しか受給していません。
 海外での生活保護受給世帯の比率は、ドイツが9・7%、イギリスは9・3%、フランスは5・7%であるのに対して、日本は僅かに1・6%(205万人)に過ぎません17年ベース)
 これは「生活保護申請を受け付けない水際作戦」などの行政の不作為・嫌がらせに拠るものであって、日本が豊かであるからではないのは言うまでもありません。
 保護の申請に来た市民に対し申請書を交付せず,口頭による申請を「申請」扱いしないで追い返すといった福祉課の対応は「水際作戦」と呼ばれ,小泉政権時代に、厚労省の役人が九州地方に出向して指導したのが始まりと言われています。
 健康で文化的な生活をする権利は憲法25条で保障されています。憲法を順守すべき公務員が生活保護の申請を恣意的に蔑ろにすることは許されません。
 しんぶん赤旗が、桐生市であくどい水際作戦や生活保護費を一部だけ支給等の行為が常態化していることを報じました。これらは桐生市のみに留まるものではないことは容易に推測されます。
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社会レポート
5人がかり怒鳴られ 生活保護の水際作戦 常態化
                      しんぶん赤旗 2023年12月29日
 50代の生活保護利用男性に1日1000円しか手渡さず、全額支給をしていなかった群馬県桐生市。その後、新たに2018年以降の調査分だけで11世帯で全額支給をしていないことが判明し、86世帯に本人の同意なしに受領印を押すなどの事実も判明。長年にわたり大声で利用者を怒鳴り、申請書をわたさないなどの水際作戦が常態化していました。 (横田和治)

群馬・桐生市
 同市は18日に荒木司市長が記者会見で謝罪し内部調査チームと第三者委員会設置を表明。市議会では日本共産党の渡辺恒市議が追及、市側は反省を繰り返す一方で違法性の認識の欠如や大声を出して威圧する行為について、利用者が先に大声を出したから、といって責任転嫁をしています

追いこまれ転居
 市で生活保護を9月から11月まで利用ていた現在他市に在住している倉田雅子さん(仮名)とその息子の和夫さん(仮名)。雅子さんは心臓に持病を抱え労働が困難で、和夫さんは成人していますが障害を抱え働けません。在住している市で生活保護を利用していましたが、桐生市にすると「なぜ桐生に来た! 申請したからといって出るか出ないかわからないからな!うるさく言うようだったら支給しないぞ!」と5人がかりで怒鳴られたと倉田さんは話します。他にも9月に保護が決定したにもかかわらず、10月末に初支給をするなどの対応に精神的に追い詰められたと言います。
 かかりつけ病院を桐生市内に変えないと支給しない、何かったら領収書を都度持って来い、と言われました他の人が窓口で怒鳴られているのを何度も見たし、民生委員が来て利用をやめさせるようなことを言ってきたことも」と倉田さん。
 市のひどい対応に倉田さん親子は他市に転居。和夫さんは精神的ショックで家から出られなくなりました。

金銭管理までも
 他にも桐生市は太田市にある一般社団法人日本福祉サポートに利用者の金銭管理をさせている例も。連絡をしないとお金を下ろせず生活に困っていると党市議に相談がありました。市担当者は本紙取材に対し、あくまでも法人を紹介しているだけと返答しています。
 日本共産党の関口久市議は約30年間市で市議を務めてきましたが、他市の生活保護率が上昇する中、桐生市が年々下がっていることを指摘。
 「議会で追及してきたが、利用している高齢者が亡くなるので保護率が下がると言ったり、大声についても担当職員の力量不足と責任転嫁され改善に至らなかった。相談を受けた人々の被害は多岐、長期にわたり、改善をしない市の福祉行政・水際作戦が方針になっているのは明らかだ」

 今後、1月に被害を受けた当事者らが市相手に国家賠償請求訴訟を行う予定です。また、全国生活と健康を守る会連合会などが中心になり現地調査団を結成し「市の職員、当事者双方に話を聞き市民に報告して運動に発展させる」と司会の吉田松雄会長は話しまた。