海外記事を紹介する「耕助のブログ」に掲題の記事が載りました。テッド・ラルが米国に進言している記事です。概略以下のように述べています。
イスラエルの建国以来米国は深く関わってきた。しかし当初意図したイスラエルによる「防共作戦」はもはや不必要であり、イスラエルも既に民主主義を演じるのを止めている。
もはやイスラエルに同調する必要は皆無である。ガザに対する彼らの行為は「狂気」であり、人類史上空前の獰猛残虐な戦争である。
イスラエルは2014年の空爆作戦とガザへの地上侵攻を含め、過去50年にわたり数々の残虐行為を行ってきたが、イスラエルの指導者の人種差別観と虐殺を糊塗する修辞学の虚構はもはや限界を超えている。
米国はイスラエルへの軍事援助や後方支援を打ち切り、パレスチナに対するイスラエルの行動に白紙委任状を出すのをやめるのだ。
我々は、彼らと一緒に戦争犯罪を犯す必要はない。イスラエルとの同盟関係はもう用済みなのだ。
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イスラエルを切り離せ
耕助のブログNo. 2000 2023年12月10日
Cut Israel Loose by Ted Rall
行き詰まりを感じたら、一歩下がって自問してみるのが有効である。「もし私が、前例や歴史的な背景を持たずまっさらな視点からこの、人/状況/決断に臨むとしたらどうだろうか?」
惰性は強力で陰湿な力である。オフィスで仕事をしている時、なぜそのようにするのかと尋ねると、いつもそうしてきたから、という堂々巡りの答えが返ってくることが何度あるだろうか。
子供の頃からの友人についてはどうか。確かに、あなたたちは何十年もお互いを知っている。もし今、その人に初めて会ったとしたら、それでも付き合いたいと思うだろうか?
仕事についてはどうだろう?あなたが初めてその仕事に就いたとき、その仕事は合っていたかもしれない。あなたの職場は、今ほかで見つけられる職場よりまだマシなのだろうか?
もし答えが「ノー」なら、あなたは考え直す時期が来ている。そしておそらく根本的な変化が求められているのかもしれない。
米国はイスラエルとの有害な関係を見直す時期が延び延びになっている。
イスラエル建国以来、米国はイスラエルと深く関わってきた。ユダヤ人国家の創設を支持することで、ハリー・トルーマンは1948年の選挙で接戦を制した。冷戦時代、イスラエルは近隣のエジプトやシリアにおけるソ連の影響力に対する防波堤の役割を果たした。しかし我々はもう共産主義を恐れてはいない。イスラエルはもはや民主主義のふりをしていない。
なぜまだ一緒にいるのか?
イスラエルとの関係から米国が得るものは多くない。米国はイスラエルに年間40億ドル近くを支払っている。国民健康保険や大学の授業料補助など、彼らは私たちよりも良い暮らしをしているにもかかわらずだ。イスラエルは石油を持っていない。彼らがパレスチナ人を殺害する銃弾や爆弾には「Made in USA」と刻まれている。これが米国をイスラム主義テロの標的にしているのだ。イスラエルとの関係は同盟であり、結婚ではないから、私たちは「良い時も悪い時も」共にいると約束してはいない。しかし仮に約束したとしても、それが何だというのだ? パートナーがあなたの銀行口座を使い果たし、あなたの評判を落とし、あなたを喧嘩に引きずり込むようなことがあれば、あなたはドアを飛び出すことが許されるに違いない。もし彼が激しく正気を失っているのなら、別れるべきである。
イスラエルがガザで起こした戦争ではっきりしたことがひとつある。イスラエルは正気を失っている。狂気の渦に吸い込まれる前に、彼らを切り離す時だ。
軍事史の専門家によれば、イスラエルがガザ地区の罪のない一般市民に対して繰り広げている獰猛な戦争は、人類史上前代未聞の規模で行われているという。ニューヨーク・タイムズによれば、イスラエルは過去2カ月間にガザで、ロシアとウクライナの2年間の戦闘で死亡した人数よりも多くの人々を殺害したという。しかもそれは、ロシア・ウクライナ戦線の面積の1,500分の1という小さな空間で。それに比例して、ガザにおけるパレスチナ人の死亡率は、ウクライナの2万倍である。
死傷者が急増したのは、イスラエルが他の戦闘国とは異なり、殺戮から難民を逃がすためにガザの国境を開放することを拒んでいるからだ。イスラエルは、地中海を経由して脱出する船さえ許可していない。また、イスラエルの効率的で血に飢えた攻撃は、住民を包囲戦と爆撃の両方にさらし、同時に230万人に食料、水、燃料、医療品を拒否し、同時にミサイルの雨を降らせるというユニークなものだ。
さらにタイムズ紙は、イスラエルはハエを殺すために核兵器を使っていると報じている:
密集した都市部でイスラエルが非常に大きな兵器を自由に使用していることは驚くべきことで、その中にはアパートの塔を平らにすることができる米国製の2000ポンド爆弾も含まれている、と一部の専門家は言う。それとは対照的に、今世紀の戦闘では、イラクのモスルやシリアのラッカのような都市部でイスラム国と戦っているとき、米国の最も一般的な空中爆弾である500ポンドの兵器はほとんどの標的には大きすぎると米軍関係者はしばしば考えていた。
2000ポンドの爆弾は壊滅的な武器である。軍事専門家によれば、イスラエルがガザで使用しているような米国製の標準的な2000ポンド爆弾の爆発から地上までの安全な距離は、最低でも半マイル以上離れている。このような兵器を投下する飛行機は、爆風による破片の飛散による被害を避けるために、少なくとも高度4,000フィート(約3,000メートル)を飛行する必要がある。イスラエルは少なくとも20,000発の爆弾を投下しており、その1発1発の爆発半径は1平方マイルで、領土全体を100倍以上平らにするのに十分な大きさである。
アムネスティ・インターナショナルの武器調査官で、元空軍の爆発物処理将校であるブライアン・キャスナーは、「彼らは人口密集地で非常に大きな武器を使っている」とタイムズ紙に語った。
イスラエルは、2014年の空爆作戦とガザへの地上侵攻を含め、過去50年にわたり数々の残虐行為を行ってきた。2023年の紛争の残虐性と規模は、イスラエルの政治的・軍事的指導者の人種差別的で虐殺的なレトリックと相まって、もはや無視できないほど極端である。
国連でさえ嫌悪している。「ガザでは数日のうちに、何千、何万の子どもたちが殺された。つまり、軍事作戦のやり方が明らかに間違っている」とアントニオ・グテーレス事務総長は語った。
イスラエルと密接な関係にある国々を含む、他の多くの国々も同様である。「赤ん坊や女性、老人が爆撃され、殺されている。だからその理由も正当性もない」とエマニュエル・マクロン仏大統領は付け加えた。ヨルダン、バーレーン、チャド、トルコ、コロンビア、チリは、流血に抗議してイスラエルから大使を召還した。アパルトヘイト時代からのイスラエルの長年の同盟国である南アフリカは、イスラエルとの国交を断絶した。
イスラエルは世界の忍耐をほぼ使い果たした。イスラエルが亡国として孤立することなくガザに対する戦争を続けられる時間は、数カ月、あるいは数週間という単位になるだろう。大使館の閉鎖はさらに続くだろう。その後制裁が続くだろう。
米国は次の段階の準備をするべきである。イスラエルを切り離すのだ。つまり、軍事援助や後方支援を打ち切り、パレスチナに対するイスラエルの行動に白紙委任状を出すのをやめるのだ。わずか2ヶ月の間に、米国の国内世論は逆転し、若い米国人の過半数がイスラエルへのさらなる援助に反対するようになった。年配の有権者もそれに続くだろう。
冒頭の問いに戻ろう。もしあなたが歴史の重荷から自由になり、新たにこの問題を考えるなら、私たちは今日のイスラエルの姿や行動を受け入れるだろうか?ガザを空爆するための武器をイスラエルに提供するだろうか? もちろんしない。
イスラエルの無謀で殺人的なガザへの絨毯爆撃を米国は止められるかもしれないし、止められないかもしれない。もちろん我々は、彼らと一緒に戦争犯罪を犯す必要はない。イスラエルとの同盟関係はもう用済みなのだ。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。