2025年7月2日水曜日

「生活保護減額」裏側のデタラメと冷血…これも参院選の重要な争点

 6月27日、最高裁で「生活保護費減額は違法 最高裁統一判断 ~原告の勝訴」確定の判決が下されました(⇒6月30日)生活保護費減額は違法 最高裁統一判断 自公政権の施策断罪 原告の勝訴確定
 それは新自由主義の下、生活保護バッシングを煽るなかで安倍政権が13~15年に強行した生活保護費の減額(平均6.5%、最大10%)が、「減額ありき」のもので 減額の算定には合理性や根拠がなく、厚労相に「裁量の逸脱や乱用があった」と断罪するものでした。

 30日付の日刊ゲンダイに掲題の記事が載りました。
 同紙は、この判決で驚かされることは2つあり、勝手な判断で生活保護費を引き下げた政治手法の横暴とデタラメがひとつもうひとつは生活保護世帯に「自立、就労促進を訴えながら 実は「地獄に突き落とすという 背筋が凍るような冷血であるとして、有権者は「これぞ、自民党の正体だ」と肝に銘じるべきであると述べます。
「冷血」といえば、自民党は 「生活保護を受ける人は弱者で文句を言わない」と見做していて「そこを標的にした」のだとも指摘しています。
 ところで石破政権は一時、高額療養費の負担の上限引き上げをやろうとしたものの世論の反発で引っ込めました。しかし参院選が終われば復活させてくる懸念があります。
 また6月13日に閣議決定された「骨太の方針」には「市販薬(OTC医薬品)と同じ有効成分や効果を持つ処方薬」の保険適用の見直しの検討が明記されました。こちらは1300億円の財政削減効果⇒国民の負担増)があり、これも「取りやすい弱者から取る」類いの話です。
 こうした「庶民いじめ」から身を守るためには、今度の参院選で自民党鉄槌を下し 下野させるしかありません。
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「生活保護減額」裏側のデタラメと冷血…これも参院選の重要な争点
                          日刊ゲンダイ 2025/06/30
                        (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 最初に削減ありきで、データをこねくり回し、弱者を切り捨てる自民党政治の本質がここにある。安倍時代の話ではない。今も、見回せば、高額療養費カット、OTC類似薬の保険適用除外など、脈々と続く冷酷政治に参院選では審判を
  ◇  ◇  ◇
 安倍政権が2013~15年に強行した生活保護費の減額(平均6.5%、最大10%)について、最高裁が27日、「違法」の判断を下し、減額決定を取り消した
 何が「違法」とされたかというと、これほどの減額なのに、その算定には合理性や根拠がなく、判断を下した厚労相に「裁量の逸脱や乱用があった」と結論付けたのである。
 この判決で驚かされることは2つある。勝手な判断で生活保護費を引き下げた政治手法の横暴とデタラメがひとつ。もうひとつは、そこまでして、弱者を切るのか、という背筋が凍るような冷血
 この判決が参院選前に出たのは、日本の政治にとって大きなことだ。有権者は「これぞ、自民党の正体だ」と肝に銘じるべきである。
 まず、算出方法のデタラメだが、原告弁護団の西山貞義弁護士はこう言った。
「そのやり方は、検事が最初から有罪と決めつけ、証拠を捏造したようなものです」
 つまり、厚労相の判断が甘かったとか、瑕疵があった、というレベルではない。「故意」に生活保護世帯を地獄に突き落とした、ということだ。
 発端は自民党が政権に返り咲いた12年の衆院選だ。自民党は公約の中に、生活保護費の最大10%削減を盛り込んで、大勝した。

最初に有罪を決めて後から証拠捏造
 こんな公約でよくぞ、勝てたものだが、カラクリは2つある。当時、吉本所属のお笑いタレントの母親が生活保護を受けていたことが発覚、生活保護バッシングが吹き荒れた。それに便乗、あおったのが自民党の「生活保護に関するプロジェクトチーム」(座長、世耕弘成参院議員=現衆院議員)のメンメンだ。参院議員の片山さつき、今を時めく小泉農相もメンバーである。大メディアもバッシングに加担、大きな世論が沸き起こり、弱者いじめが市民権を得るという倒錯が起こった。
 もうひとつは「手当より仕事を」などと、自民党は巧妙に言い換え、自立、就労促進を訴えたことだ。
 物価高に苦しむ庶民に「賃上げで解決します」と訴えているのと一緒で、できもしないきれいごとでごまかしてしまう。詭弁政党、自民党は昔も今も同じなのだが、こんな目くらましに有権者はコロリとだまされ、安倍政権が誕生。公約実現が具体的に動き出したわけである。
 そこで何が行われたのか。
「従来の生活保護の算定方法では10%カットなんてできません。そこで、厚労省の官僚が電卓を叩いて出してきたのが、デフレ調整”という概念です。物価下落に合わせて、生活保護費も削れば、目標を達成できる。そう考えたのでしょうが物価連動は従来、否定されてきた考え方です。そこで、厚労省は有識者による生活保護基準部会には諮らず、資料の中に潜り込ませた。有識者が気づき、おかしいということになりましたが、黙殺、最後は厚労相の判断で、最大10%削減を断行したのが経緯です」(西山貞義弁護士=前出)
 つまり、最初に10%削減ありき、あとはつじつま合わせだったことがわかる。西山氏が「最初に有罪を決めて証拠を捏造」とまで言うのは、こうした理由だ。ここがまさしく最高裁でも断罪され、引き下げ取り消しとなったのである。

政権の中枢が関与した世紀のデタラメ
 それにしても、何としても生活保護を引き下げるという自民党の執念は恐ろしくなる。
 東京新聞の連載、「生活保護減額訴訟」には厚労省の有識者会議、生活保護基準部会の部会長代理だった岩田正美・日本女子大名誉教授の話が出てくる。
 13年10月の部会に行くと、資料が配られ、そこには引き下げについて「3年で670億円程度の財政効果」と書かれていたというのである。「最後のセーフティーネットである生活保護の基準部会に、財政削減を誇るような資料を出してくる神経はどうなのか」と岩田さんは語っていたが、本当にそうだ。その後、部会で議論して決めた数値を厚労省が勝手に操作し、減額していたことも判明。学者愚弄も甚だしい。さらに段階的に引き下げるために現場の社会福祉事務所も混乱するほどの複雑怪奇な計算法を駆使して、生活保護者を追い詰めていったのが、この間の自民党冷血政治なのである。
 裁判では厚労省の職員が世耕弘成官房副長官に減額について説明した極秘資料も出てきた。当時の厚労相は田村憲久衆院議員だが、官邸の中枢がダイレクトに関与していたことがわかる。
 生活保護減額の影響は、生活保護を受けている人の話にとどまらない。生活保護費を基準に最低賃金や住民税非課税基準、低所得者層への支援などが決まっていくからだ。つまり、社会保障全体の話になる。禁じ手の裏技で、社会保障全体を切り詰めていく。それこそが、姑息な自民党政治の狙いだということを知るべきだ。

とても成熟した民主国家とは思えない
 理不尽な国家権力と闘ってきた西山貞義弁護士は改めて、こう言った。
「なぜ、生活保護をここまで狙い撃ちにするのか。生活保護費は社会保障全体に影響を与える。つまり、ここを引き下げれば、全体を引き下げることができる。それに加えて、生活保護を受ける人は弱者で文句を言わないと思っているからでしょう。医療費を切り詰めるために診療報酬を見直そうとすれば、医師会が黙っていない。政治権力は取りやすいところから取るのです」
 もっと言うと、こうした政治姿勢は安倍政権時代の特殊な話ではなく、いまの石破政権でも脈々と受け継がれている
 石破政権は一時、高額療養費の上限引き上げをやろうとした。世論の反発で引っ込めたが、参院選が終われば、復活させてくる懸念がある。
 今月13日に閣議決定された「骨太の方針」には「OTC類似薬」の保険適用の見直しの検討が明記された。難病患者やアレルギー疾患に悩む人々からは、「生きていけなくなる」との悲鳴が上がっている。こちらは1300億円の財政削減効果らしいが、これも「取りやすい弱者から取る」類いの話である。石破も安倍も同じ穴のムジナなのだ
 ジャーナリストの斎藤貴男氏にも聞いてみた。
新自由主義が蔓延し、格差は固定化し、今や格差是正など、話題にもならないありさまです。当然、下の層の人々は不安を抱き、不満を爆発させようとしている。政治の役割はそうした不安、不満を解消させることなのに、逆に弾圧している。今度の生活保護費減額の話がいい例だと思います。生活保護費を適正化するのはいいとして、自分たちの価値観が絶対だと妄信し、まっとうな手続きも経ずに、勝手に決めて、追い詰める。そこには貧乏人のために何かをやっても、トクにならないという発想が見え隠れする。新自由主義的な資本の論理そのものです。自民党政権は生活保護を受け付けないために自治体の相談窓口にこわもての警察OBを配する水際作戦なども展開している。やっていることが卑しく、醜い。原始的な手法でとても成熟した民主主義社会とは思えません」
 最高裁は国の賠償責任については認めなかったが、宇賀克也裁判長はあえて、「最低限の生活の需要を満たすことができない状態を(原告らは)強いられた」と言及、精神的損害を賠償すべきだという考え方をにじませた。それ以前に犯罪的ともいえる弱者いじめは誰が指示し、実行させたのかという検証も不可欠だ。
 どうせ頬かむりの自民党は選挙で鉄槌を下し、下野させる以外ないのである。

「参院選」自公が勝っても負けても訪れる“同じ未来”、選挙後野田代表が与党に取り込まれる

 古賀茂明氏が掲題の記事を出しました。

 4千字余りの記事ですが、タイトルの通り結論は明白で、自公が参院選に勝とうが負けようが、立民党の野田代表が一定の立民党のメンバーと一緒に自公政権に合流するということです。
 それによって自公立の安定政権を作り、消費税率については食料品ゼロを1年か2年やって、その後は消費税増税に向かいます。軍事費もトランプの圧力に迎合して、防衛費をGDP比で少なくとも3%に、中期的には3.5%プラス関連インフラなどの予算1.5%というNATO並みの増額を目指すことになる可能性が高いということです。
 野田代表が参院選後辺りで自公政権に合流するであろうことは、元朝日新聞記者の佐藤章氏などが昨年来かなり確定的ないい方をしていました。野田氏からは、財務省が熱望している消費税率アップや閣僚就任以外に何か政策を持っているという話は聞きません。それだけに何の抵抗もなく合流できるし、自公側も受け入れやすいのでしょう。
 しかしそこに待っているのは反動性の激化であり 最悪の将来です。
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「参院選」自公が勝っても負けても訪れる“同じ未来” 選挙後は野田代表が与党に取り込まれ「立憲」との大連立に 古賀茂明
                      古賀茂明 AERA 2025年7月1日
 参議院選挙は7月3日公示、20日投開票と決まった。
 東京都議会選挙で自民党が惨敗し、参院選でも自民にとって非常に厳しい結果になるのは確実だという見方が一般的だ。
 石破茂首相は、それを前提に、与党である自民党と公明党合わせて参議院の過半数を維持できるか否かを勝敗ラインとした。
 参議院の定数は248議席。このうち、改選の124議席と欠員の補充を合わせて125議席をめぐる争いになる。非改選の自公の議席数は75なので、過半数の125議席を確保するために、今回の選挙で50議席獲得を目指すことになる。
 選挙の対象となる125議席のうち50議席だから、目標としては、かなり低い。普通なら、楽勝となるはずだが、今回は、それさえもかなり危ないと見られる
 その原因として、有権者が依然として自民党の裏金事件をはじめとした政治資金問題に非常に厳しい目を向けていること、物価高対策として表明した給付金が選挙目当ての「バラマキ」だという批判を受けていることなどが挙げられている。
 だが、もう一つ深刻な原因として考えられるのが、旧来の自民党政治を変えてくれると期待した石破首相がその期待に全く応えていないという「がっかり感」が「自民党は嫌いだ」という嫌悪感を増幅させてしまったということだ。自民党にとってはどうしようもない状態になっている可能性が高い。
 なぜなら、一度嫌悪感を持たれてしまうと、何をやっても、自民党がやっている限り、評価されないどころか、逆に批判のネタにされてしまうからだ。
 その最たるものが、給付金に対するバラマキ批判である。
 バラマキ批判は、古くから自民党が野党に対して使う常套手段だった。私が覚えている最も古いものは、「野党は税金はまけろ、橋や道路は造れとうまい話ばかりする。これは毛針で釣りをするようなもので、それにひっかかる人は知能指数が高くない」という渡辺美智雄元副総理が通商産業大臣だった時の発言だ(1986年3月1日の講演)。自民党は常に野党に対してこうしたバラマキ批判を展開してきた。それによって、「バラマキ」は野党が行う悪い政策だというイメージを定着させるのに成功したのだ。
 野党が選挙の公約で減税、年金増額、保険料引き下げ、給付金などの政策を掲げると、必ず自民党は「バラマキ」批判を行い、有権者もそれに影響を受けてきた。
 一方、自民党が給付金などの政策を掲げた場合は、ある程度の批判はあっても、それが投票行動に影響する程度にまで高まることはなかった。
 理由ははっきりしないが、自民党は政権与党で、財政規律に責任を負っているので、バラマキのように見えても、帳尻は合わせてくれるのだろうという安心感があったのかもしれない。

■立憲の公約の方が「バラマキ」度合いは強い
 他方、野党は、政権についていないので、無責任に聞こえの良いことを言えるが、実際にそれを実現できるのかどうかは疑わしいし、財政がどうなるかについて責任を負うつもりはないはずだと有権者は考えがちなのではないだろうか。
 同じ政策でも全く評価が違うというのはなんともおかしなことだが、野党は常にこの不思議なパラドックスに悩まされてきた。
 しかし、今回の参院選においては、明らかにこの地合いが逆転している。石破首相が消費税減税を強く批判する一方、一律2万円プラス子どもと住民税非課税の大人に2万円の上乗せという給付金を配ると言った途端に選挙目当ての「バラマキ」だという強い批判が起きた
関連するビデオ: 参院選前に考える 国会での争点「政治とカネ」 (テレ朝news)
あさって公示を迎える参議院選挙では、国会で議論された政策も争点となります。今日は政治改革についてです。

 しかし、冷静に考えると、野党第1党の立憲民主党の公約の方が「バラマキ」の度合いは強い。同党は、1年ないし最大2年の時限で食料品の消費税税率ゼロを公約とした上に、それを実施するまでの間に一律2万円の給付金の支給を公約としている。明らかに自民党よりも大きなバラマキだ。
 物価高対策という名目はどちらも同じなのに、なぜか自民党の公約の方が強い批判を浴びている。消費税減税を批判し過ぎたことが一つの原因だろう。野党に対して減税はバラマキだと批判しながら、その舌の根も乾かぬうちに自分達も同じバラマキを口にしたことでブーメラン効果になってしまった
 自民党は、財源を税の上振れ分の範囲内で行い、赤字国債は出さないと言うが、そもそも、大赤字の財政状況なのに、いまさら赤字国債が悪いと言っても有権者には響かない防衛費増額や巨額の大企業補助金については財源論をスルーして先に決めてしまうこととの比較でも、自民党の議論は分が悪い。
 少し前までは、赤字国債を出して良いのか、社会保障の財源がなくなっても良いのか、と畳みかける大手メディアによる消費税減税バッシングで、財源なき消費税減税には反対だという声が強まっていた。自民党もこれを利用して、野党批判を展開した。
 しかし、自民党の給付金公約で雰囲気は一変した。その底流には、前述した「自民党は嫌いだ」という嫌悪感が強く働いている可能性が高い。ということは、どうやっても自民批判は止まらないということになる。
 このまま行くと参議院でも衆議院と同じように自公過半数割れという結果になるかもしれない。
 そうなると、まず、自民党内で石破おろしが始まるだろう。その結果、自民党総裁の交代、衆参両議院での首相指名選挙という事態になる可能性がある。そこで何が起きるか。

■消費税減税を目指す「大義名分」ができる
 昨年の総選挙後の衆議院では野党が過半数をとり、衆議院の首相指名選挙で石破自民総裁と野田佳彦立憲代表の決選投票になったにもかかわらず、国民民主党などが野田氏に投票しなかったことにより、石破少数与党政権ができてしまった
 またも、自民総裁と立憲野田代表の決選投票となるだろうが、国民民主がどう出るか。
 消費税減税が大きな争点となった選挙で、減税を主張した野党が勝ったのだから、減税を行えという主張を野党がしやすくなる。公明党も本来は消費税減税を唱えていた。選挙に負けた自民党は、消費税の減税を否定したまま政権を維持すると言っても、それは民意に反する主張だということになる。逆に言えば、消費税減税を掲げる政権こそが民意を正しく反映した民主的な政権だということだ
 自民党は、政権にいなければ政治資金が集まらず、非常に苦しい思いをしなければならないということを過去の野党時代に嫌というほど思い知らされた。だから、何があっても政権を維持することを最優先するということでは一枚岩になれる。財政規律重視などというお題目は、政権維持のためなら簡単に放棄するだろう。
 野党の側も消費税減税は最優先すべき政策だということで、その実現に全力を尽くすことが有権者に応える道であると主張できる。
 ここまで言えば、あとはどうなるかはおわかりだろう。
 自公にどこかの政党を加えた連立政権を作って消費税減税を目指す「大義名分」ができるということだ。
 その組み合わせはいろいろありうる。
 自公国、自公維、自公国維という組み合わせが、おそらく最も難易度が低いが、私は、むしろ自公立という大連立の方を自民は選ぶのではないかと見ている
 なぜなら、国民民主と維新は財政規律について比較的無頓着である。そのため、連立を維持するには際限なきバラマキ政策を実施することが必須になる。特に、国民民主との連立ではその傾向は顕著なものになるだろう。
 一方、自公立の連立の場合は、食料品税率ゼロを1年か2年やって、その後は消費税増税となる可能性が高い。参院選後は、自民と立憲が手を握れば、選挙なしの黄金の3年間が手に入る。その間に消費税を10%から15%まで段階的に引き上げる法律を通してしまうということも可能だ。なぜそうなるのか
 トランプ米大統領の圧力により、現在の防衛費をGDP比1%から2%に引き上げるという自公政権の方針では間に合わない。少なくとも3%、中期的には3.5%プラス関連インフラなどの予算1.5%というNATO並みの増額を目指すことになる可能性が高い。元々自民は軍拡に熱心であるから、誰もそれを止めるものはいない。そうなれば、増税なしには予算は組めないのは自明のことだ。

■石破・野田コンビなら息がぴったり合う
 残念ながら、立憲野田代表は、バリバリの軍拡主義者である。そもそも、憲法違反であるために憲法改正なしには認められないはずだった集団的自衛権を憲法改正なしで憲法解釈の変更により認める道を開いたのは野田氏である。彼が首相を務めていた2012年の夏に、そのために設置した有識者会議に報告書をまとめさせた。
 その野田氏が自民党と組んだらどうなるか。税と社会保障の一体改革ということを旗印に消費税の大幅増税を実現し、ふたを開ければ、増税分は軍拡予算に消えていくということが起きるのは避けられない。国が滅びれば社会保障も何もなくなってしまうという決まり文句で、庶民から巻き上げた消費税を軍拡に使うのだ。
 ところで、仮に自公が参院選で過半数維持に成功したらどうなるのだろうか。
 石破政権は継続する可能性が高い。しかし、その結果何が起きるかと言えば、選挙後すぐではないかもしれないが、自公立の大連立の可能性が一番高いと考えられる。税と社会保障の一体改革名目の消費税増税も大軍拡路線も石破・野田コンビなら息がぴったり合うのではないか。
 そもそも、政治資金改革も選択的夫婦別姓も物価高対策も全て無策だと石破政権を批判しながら、結局石破政権を「信任」して、不信任案を出さなかった野田氏の本心は、何としても石破氏と大連立を組んで消費税を引き上げ、憲法改正と中国と戦う準備をするための軍拡を行うということだったのではないか。
 そうでなければ、これだけ自民党批判が高まっているのに、不信任案を出さなかった理由を説明できない。
 いずれにしても、参院選の結果が自公勝利でも敗北でも結局は同じことが起きる可能性があるということだ。
 自民が、国民民主、維新との連立を選ばず立憲との連立に走る理由として、立憲が政権に入れば不信任案の提出により政権交代に追い込まれることがないのに対して、国民民主や維新(どちらも不信任案提出に必要な議席数がない)との連立では立憲による不信任案の提出を止めることができないという大きな違いがあることも忘れてはならない。
 そして最後に、この大連立の生みの親がトランプ大統領だということも付け加えておきたい。
 自動車・鉄鋼・アルミなどに25%関税をかけ、すでに実施中の一律10%追加関税に上乗せする14%というメチャクチャな関税を90日間猶予した結果、参院選最中の7月9日が期限となった。そのおかげで、野田代表が「国難」を理由に不信任案提出を見送る大義名分を得ることにつながった。
 その上に、国防費増額の圧力をかけてくれたことで消費税増税が不可避と考える自民党が、立憲野田代表を国民民主や維新を除外して連立パートナーに選ぶしかない状況に追い込んでくれた。
 トランプ大統領に足を向けて寝られない。それが今の野田氏の心境かもしれない。

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