2025年7月31日木曜日

ユダヤ教指導者400人が非難 「イスラエルは飢餓を戦争利用」(しんぶん赤旗)

 しんぶん赤旗に掲題の記事が載りました。
 世界各地のラビ(ユダヤ教指導者400人以上が28日、イスラエルがガザ地区で「飢餓を戦争の手段として使用している」と非難する公開書簡を発表しました
 ネタニヤフは、パレスチナ人をアマレク人古代パレスチナの遊牧民族)に譬えて、度々3600年ほど前の故事?を引いて「アマレク人を絶滅させなければならない」と強調しましたが、ラビたちは書簡の中で、イスラエルが行っている政策ユダヤ教の根幹を揺るがすものである、「(古代の)イスラエルの預言者たちの時代から続く、生命の尊厳や正義を重んじる教えが危機にさらされていると述べ、それを全否定しました。さすがに指導層の説くところは合理的にす(そもそもアマレク人は聖書上も既に絶滅した民族で、それを現在に蘇らせるというのは余りにも不合理です)。

 またイスラエルの有力な人権団体ベツェレムは28日、イスラエルによるガザ住民への攻撃と封鎖について、「国家によって組織的に行われたジェノサイド(集団殺害)が進行している」と明言する報告書を発表しました
 合せて4つの記事を紹介します。
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ユダヤ教指導者400人が非難「イスラエルは飢餓を戦争利用」
                        しんぶん赤旗2025年7月30日
【カイロ米沢博史】世界各地のラビ(ユダヤ教指導者400人以上が28日、イスラエルがパレスチナ・ガザ地区で「飢餓を戦争の手段として使用している」と非難する公開書簡を発表しました。
 イスラエルのヘブライ語無料紙「イスラエル・ハヨム」によると、この書簡は、ジョナサン・ウィッテンバーグ師(英ロンドン)、アーサー・グリーン師(米ボストン)、アリエル・ポラック師(イスラエル・テルアビブ)らが共同で執筆したもので、署名には欧米やイスラエルなど世界各地のラビが加わっています。
 書簡はイスラエル政府に対し、国際的な監視の下でのガザ地区への大規模な人道支援の許可人質の解放に向けた「あらゆる手段」の活用、さらにヨルダン川西岸地区での入植者による「攻撃的かつ犯罪的な暴力の即時停止」を求めています
 ラビたちは書簡の中で、イスラエルが行っている政策がユダヤ教の根幹を揺るがすものであると警告し、「(古代の)イスラエルの預言者たちの時代から続く、生命の尊厳や正義を重んじる教えが危機にさらされている」と訴えました。
 さらに、ガザ地区で「多数の女性や子ども、高齢者を含む民間人の大量殺害や、戦争手段としての飢餓の利用は容認できない」としたうえで、「人道支援への厳しい制限や、食料・水・医薬品の欠乏で民間人を苦しめることは、トーラー(ユダヤ教の律法)の価値観に明確に反する」と強調しています。


イスラエルの人権団体 「ジェノサイド」と明言
                        しんぶん赤旗2025年7月30日
【カイロ=米沢博史イスラエルの有力な人権団体ベツェレムは28日、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への攻撃と封鎖について、「国家によって組織的に行われたジェノサイド(集団殺害)が進行している」と明言する報告書を発表しました。イスラエル紙ハーレツやタイムズ・オブ・イスラエルは、イスラエルの主要な人権団体が「ジェノサイド」と非難たのは初めてと報じまた。
「われわれのジェノサド」と題したこの報告書は、ガザにおける無差別攻撃、生活インフラの破壊、麹移動、飢餓政策、国連機関への攻撃といった一連の措置は、パレスチナ人社会集団破壊を意図するものであり、国際法上のジェサイドを実行していると非難しました。
 また、ヨルダン川西岸地区での暴力の拡大やイスラエル国内における差別政策も、同じ「パレスチナ人の人間性を否定する」論理に根差していると指摘。これらの重大な人権侵害が国際社会による実効的な対応の欠如によって支えられていると批判し、欧米諸国がイスラエルの「自衛権」の名のもとに武器を供与し、ジェノサイドを可能にしてきた責任にも言及しました。
 英文で88ページにわたるこの詳細な報告書は最後に、「ガザにおける破壊と倫理の崩壊に対抗するには、犯罪を正面から認識し、国内外で責任追及に真剣にとりくむ行動が必要」と強調。イスラエル社会と国際社会の双方に対して、直ちにジェノサイドを止める措置をとるよう呼びかけています。


24時間で餓死14人 ガザ地区
                        しんぶん赤旗2025年7月30日
【カイロ=時事】ロイター通信によるとパレスチナ・ガザ地区の保健当局は28日、過去24時間で飢餓や栄養失調で少なくとも14人が死亡したと発表しました。飢えによる死者数は202310月以降、累計1477人で、うち88人が子どもといいます。
 世界食糧計画(WFP)は、ガザの周辺地域には17万トン分の食料が留め置かれていると指摘。仮にイスラエルがガザヘの搬入を許可すれば、ガザの全住民が3ヵ月間暮らせる量と説明しました。


イスラエル極右2閣僚入国禁止 オランダ政府
                        しんぶん赤旗2025年7月30日
【アムステルダム=ロイター】オランダ政府は、イスラエル大使を呼び出し、パレスチナ・ガザ地区での「耐えがたく、弁護しがたい」状況を非難するとともに、イスラエルの極右閣僚2人の入国禁止を言い渡しました。28日に発表された書簡で明らかにしました。
 オランダは、ベングビール、スモトリッチ両閣僚が、パレスチナ人に対する暴力を繰り返し扇動し、ガザの「民族浄化」を呼びかけているとして、オランダヘの入国を禁止しました。
 先月、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェーも同様の措置を発表しています。