2026年4月30日木曜日

30- 米国は2850億ドルを投じて、AI戦争に敗北した(賀茂川耕助氏)

 海外記事を紹介する「耕助のブログ」に掲題の記事が載りました。
 米国は疑いもなくAIの先進国であったのですが、海外から米国に移住するAI研究者の数は2017年以降89%も減少し、その減少の80%はトランプが2度目の大統領になった過去12ヶ月間に起きたということです
 彼は金儲けのプロ?を自負しているようなのですが、その結果として 実際に技術を作り出す人材を海外から引き寄せられなくなりました。その理由は簡単で 海外の人材を雇用する場合、雇用主(+当人)は1人の採用につき10万ドル(約1600万円)を負担すると決めたからで、法外なカネを取得できる国としては有利であっても それを出す側の人たちに取っては堪えがたい負担だからです。トランプはカネは自然に湧き出してくるとでも思っているのでしょうか。
 製造業で決定的な後れを取った米国は、今度は最先端?のAI研究の分野でも それこそお金の不自由さが理由で後退しつつあり、結果的にこれまでの莫大な投資が無駄になろうとしています。皮肉なものです。
 そういえば日本でも安倍政権時代に およそ学問とは無縁の人たちによって「大学の営利企業化」とでも呼ぶべき変革が行われたため、今後国内の大学からノーベル賞の受賞者は出なくなるのではと言われています。尤もそれに気付くのは10年以上も先のことになりますが・・・
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米国は2850億ドルを投じて、AI戦争に敗北した。
                 耕助のブログNo. 2884  2026年4月28日
     America spent $285 billion to LOSE the AI war.
                         Ricardo@Ric_RTP
スタンフォード大学は昨日、423ページに及ぶ報告書を公表し、200ページ目に最も衝撃的な統計を明らかにした:米国に移住するAI研究者の数は、2017年以降89%も減少した。
その減少の80%は、過去12ヶ月間に起きた
この事実を噛みしめてほしい。
トランスフォーマーAIの機械学習方式)を発明した国。
OpenAI、Anthropic、Google DeepMind、xAIを作った国。
1年で2859億ドルの民間資本AIに注ぎ込んだ国(中国の23倍)。
その国が、もはや実際に技術を作り出す人材を引き寄せられなくなっのだ。
そして、これを読んでいるすべての創業者、経営者、投資家が懸念すべき点はこうだ:
トランプ政権は公式に発表した。
H-1Bビザの雇用主負担額は今、1人の採用につき10万ドル(約1500万円)である。
OpenAIが清華大学から中国人ポスドクを採用したいなら?コードを一行書く前に10万ドルが必要だ。
Anthropicがフランス人の機械学習エンジニアを採用したいなら?10万ドルだ。
Googleが自社モデル全体の基盤となっている論文の共著者であるインド人の博士号取得者を採用したいなら?10万ドルだ。
そして、これらはビザを取得できた「幸運な」人々だ。

結果は即座に現れた。
8年間で89%減少した。その80%は昨年1年間に発生した。
人材の供給ルートは破壊された。
ではチャートの反対側を見てみよう:
中国のトップモデルは現在、Anthropicの最高モデルに2.7ポイント差で後れを取っている。2年前の20ポイント以上の差から縮小した。
中国はAI関連の論文発表数で世界をリードしている。
中国はAI特許数でもトップだ。
中国は産業用ロボットの導入台数でもトップだ。
米国と中国のモデルは2025年初頭以降、何度も首位を争ってきた。
スイスとシンガポールは現在、一人当たりのAI研究者数が米国を上回っている。
実際のAI導入度において米国は世界24位だ。UAEより下。シンガポールより下。多くのアメリカ人が地図上で見つけられないような国々よりも下だ。

そして、本当に信じがたい事実がある:
世界のトップAI研究者の50%は中国人だ。ジェンセン・フアンが3週間前のポッドキャストでこう語った。
20年間、米国の戦略は単純だった。中国人をスタンフォードやMITで学ばせ、その後引き留める。80万ドルを支払う。グリーンカードを与える。輸入された頭脳で未来を築くのだ。
その取引は終わった。我々は世界で最も優秀な人材にこう告げた:「ここで働く特権を得るために10万ドルを払うか、さもなくば帰国しろ。」
そして、彼らはどうしたと思うだろうか。
彼らはチューリッヒ⇒スイスの最大都市)へ向かっている。AnthropicやOpenAIが密かにオフィスを開設しているのだ。なぜならもはやサンフランシスコに人材を呼び込めなくなったから。
この戦略は、フェラーリの工場を建てておきながら整備士を建物内に入れないのと同じである。
データセンターに数千億ドルを注ぎ込むことができる。
Nvidiaのチップを400万個買うことができる。
オラクルと3,000億ドルのクラウド契約を結ぶことができる。
GPUに電力を供給するために原子炉を建設することができる。
しかしこれらはアルゴリズム⇒コンピュータのプログラム)を書く人材が国内に入国を許可されなければ意味がない。

ウォール街はAIを設備投資の競争だと考えている。しかし現実は「人材」の競争なのだ。
マイクロソフトやメタ、グーグルが費やす1ドル1ドルは、研究者たちがその資金を使い続けるという同じ前提に基づいている。その前提が崩れ去った。
そして、賢明な投資家はすでに気づいている:
なぜアンソロピックはチューリッヒにオフィスを開設するのか?
なぜDeepMindはマウンテンビューではなくロンドンで事業を拡大しているのか?
なぜOpenAIはダブリンやシンガポールで採用を行っているのか?
それはもはやアメリカでは算術が成り立たないからだ。
政府は、世界最大の頭脳の磁石を、世界で最も高価な国境の壁に変えてしまった。

3年後、中国が米国のどんなモデルをも凌駕する最先端モデルを発表し、見出しが「なぜ我々はリードを失ったのか?」と叫ぶ時――この投稿を思い出してほしい。
リードは研究室で失われたのではない。
ベンチマークで失われたわけでもない。
より賢いアルゴリズムに負けたわけでもない。
それは税関で失われたのだ。

https://x.com/ric_rtp/status/2044053980569817590