2016年11月13日日曜日

13- 反TPPを保護貿易とする短絡 米軍駐留即日本防衛 も誤り

 12日付の「日々雑感」氏のブログを紹介します。
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トランプ新大統領の未知の政治に対する講釈師たち
日々雑感 2016年11月12日
 TPPに反対するトランプ氏を「保護貿易主義」だと批判するのもいい加減にして欲しいものだ。現行の貿易体制が「保護貿易」だというのならそうした批判もあながち外れではないが、それならTPPだけが自由貿易だとでもいうのだろうか
 英国のEU離脱も「保護貿易」だというつもりだろうか。それなら国家が国家主権に基づいて関税政策を実施するすべてが「保護貿易」だということになる。主権なき国家が「国境なき貿易」ということにつながるなら、保護貿易こそ国家にとって必須なものだというしかない。
 
 日本に防衛負担金をトランプ氏は現状以上求めて来る、というのもいかがな論理だろうか。現在日本政府は駐留経費の約75%を負担している。これ以上の負担は米軍兵士の給与まで日本が負担することになり、駐留米軍は日本の「傭兵」ということになる。しかも日本に駐留している米軍は日本の防衛のためだけに駐留しているのではない
 米国の防衛のためにも駐留しているのであって、トランプ氏が米軍の装備費までも、たとえば建造費1兆円の空母の建造費の一部までも負担すべきだ、というのなら日本は米軍にお引き取り頂いて、日本が独自に装備する方が日本の防衛に適うと判断せざるを得ない。
 
 トランプ氏は米国の海洋国家戦略をご存知ないのだろうか。彼はたとえ知らなくても、誰を任命するか知らないが新政権の軍事顧問や軍事補佐官たちは米国の長期戦略をトランプ氏にレクチャーするだろう。
 そうすれば中国の東・南シナ海への膨張主義が米国の本土防衛に重大な危機をもたらすことだと認識して、そうした認識の上で防衛原価を再計算するだろう。ただ用心すべきは開発した兵器の開発費回収のために割高の兵器を日本に押し売りしかねないことだ。
 
 日本政府は役立たずの用心棒に過ぎない駐留米軍の現状をトランプ氏に執拗に説明することが必要だ。駐留米軍が日本にいても、中国は海洋進出を果たしているし、北朝鮮は核兵器開発やミサイル開発を成し遂げている。つまり米軍は日本にいても手も足も出ないばかりか、日本国民相手に暴行などの犯罪を犯しているだけではないか。
 役立たずの用心棒というよりもユスリ、タカリの破落戸(ならず者に過ぎないのが駐留米軍の現状だ。そして極論をいえば、駐留米軍は一人として日本の防衛のために命を落としてはいない。米国の安全保障とは無縁なイラク侵攻以後だけでも中東で4000人以上も命を落としているにも拘らず。
 
 トランプ氏が実業家として原価計算に基づく政治を進めるのなら、日本にとって悪いことではない。なまじ「宗主国面」して日本の政権をハンドリングしようとする善人面の米国人よりはマシだろう。
 ビジネスライクで日本に臨む相手に対してはビジネスライクに対応すれば良いだけだ。テレビに登場する講釈師たちが「保護貿易」になるだとか、駐留経費が年間4兆円を超えるだとか、見て来たような嘘をついて日本国民に増税圧力の予備知識を刷り込もうとする策略に乗せられてはならない。