アベノミクスとは一時的な円安を狙った単なる「官製バブル」
小沢一郎(事務所)ツイート 2016年11月3日~4日
11月3日
為替が一気に102円台に突入している。海外要因ですぐこの振れである。
アベノミクスなどと称して、政府主導で目先の一時的な円安期待を煽り、派手に破裂させた後も、小さな破裂を繰り返している。
今や確実に企業収益は悪化しつつあり、景気後退感が高まっている。もはやアベノミクスという病である。
黒田総裁は任期中に物価目標未達となることについて相変わらず「こんなはずじゃなかった、海外要因が・・・」などと醜い言い訳ばかりしているが、それならはじめからこんな目標なんて立てなければよいではないか。
今更何を無責任なことを言っているのか。
中央銀行に対する信頼が確実に失われつつある。
最近では漸く識者も「アベノミクスは破綻か」などと言い始めている。
そんなことははじめからわかりきっている。
大体物価を上げれば景気が良くなる、物価を上げるためにジャブジャブ日銀が金を出すなんて発想が間違い。
景気が良くなるから、物価が上がる。前提が全部間違っているから、全部だめになる。
この滅茶苦茶なアベノミクスが、この道しかなくて、まだ道半ばだという割には、失敗が確実視される中で、あまりにも説明がなさすぎるのではないか。
これだけ日銀がジャフジャブやって、市場を滅茶苦茶にして、これからその反動が容易に予想されるというのに、あまりに無責任ではないか。
考えられない。
何度もいうが、アベノミクスとは一時的な円安を狙った単なる「官製バブル」である。
一時的な見せかけのミニバブルのために、国民の大切な年金、金融市場の健全性、金融政策への信用・信頼、そして結局は、実態経済そのものが犠牲にされようとしている。
安倍総理一人が責任をとって済むレベルではない。
11月4日
株価が下がれば、仕方がないからと年金と日銀が株を買って、また下がる、また買ってまた下がる、この繰り返し。
円高株安が急激な勢いで進んでいる。
こういう脆弱な麻薬中毒的な市場にしたのは他ならぬアベノミクスそのもの。
自己の人気取りのために一時的なバブルを作り、破裂させた。
意味不明である。
安倍総理は年金の半分を株で運用することについて、「短期の大損でわあわあ騒ぐな、長期では問題ない」という趣旨のことを繰り返し答弁しておられる。
本当にそうだろうか。
長期で事態は改善されるのだろうか。
アベノミクスが一時的なバブルに過ぎない以上、この答弁にどれほどの説得力があるだろうか。
安倍政権では、ここへきて各種経済指標がマイナスだらけで、アベノミクスの破綻が明らかになりつつあるものだから、「もうこれは統計そのものを変えちゃうしかない」とばかりに、ついに経済統計手法見直しの検討を始めた。
要は、政権に都合のいい数値に変えろ!ということ。茶番劇だらけになってきた。