2023年7月24日月曜日

国民愚弄の冷血政権 物価高にサラリーマン増税 イカれた政権に鉄槌を

 生鮮食品を除く食料が92%上昇家事用消耗品126%上昇、鶏卵35.7%上昇、食用油16.5%上昇、豚肉9.4%上昇などで、日本は米国のインフレ率(3%)を既に遥かに上回っています。それだけでなく値上げはこの先も止まりません。

 なぜ海外のように利上げができないのかというと、日本はアベノミクスによって国債残高が1200兆円にも達しているので、1%値上げするごとに利払い額が12兆円/年もアップするからです。これではとても国の財政が持ちません。
 それだけでなく平均して総資産の40~45%の借金を抱えているといわれる中小企業においては、一企業当たりの負債額は平均1・84~2・07億円(中央値で2・72~3・06億円)なので、利子が1%上がるごとに利払い額は約200万円/年(中央値で約290万円/年)も上がるため、倒産が続出することになります。この点でも利上げは困難です。
 要するに「安倍・黒田コンビ」が演出したアベノミクスは、日銀の公定歩合調整によるインフレ対応機能を失わせただけでなく、大企業を優遇したのみで中小企業を脆弱なまま放置してきた「つけ」が回って来たのでした。

 こうして諸物価高騰で国民は悲劇的な状況にあるにもかかわらず、岸田首相はなんと「退職金増税(約45万円/退職金2000万円)を実施する積りのようです。政府税調の中間答申には、さらに配偶者控除、扶養控除、生命保険控除、通勤手当の課税見直しまで盛り込まれているということです。
 岸田政権はサラリーマンはサイレントマジョリティ(おとなしい大集団)なので増税を強いても大丈夫と踏んでいるようです。
 消費税を下げるなどして「経世済民」の実を挙げるべき時なのにそれと真反対のことを行おうとするのは、いうまでもなく「大軍拡」の財源が欲しいからです。
 大もとを間違えると次から次に間違った政治を行うしかなくなるといういい例です。どうしても増税したいのであれば、所得税の累進性を強化するなり、円安に反比例して上がり続けた株価での儲けに課税を強化するなり、法人税の減額で積み上がった大企業の内部留保に課税するなり、他に方法はいくらでもありますが、岸田氏はそうした財界の意向に反することはしたくないわけです。

 ところで共同通信は20日、政権の支持率が軒並み下落していることについて、岸田首相は自民党の遠藤利明総務会長に対して「支持率は上がったり下がったりするものだ。いずれ上がる」と述べたことを報じました。以前に支持率が大いに下がったとき、時間が経過すると跡形もなく回復したことがあるので、これは必ずしも強がりではなく「国民はすぐに忘れるさ」と本心で思っているようです。国民の側にも一半の責任があるわけです。
 日刊ゲンダイの記事を二つ紹介します。
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とことん、国民愚弄の冷血政権 物価高にサラリーマン増税 イカれた政権に鉄槌を
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                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 もう庶民はアップアップだ。物価上昇の勢いが止まらない。
 総務省が21日発表した6月の「消費者物価指数」は、前年同月比33%の上昇だった。プラスはこれで22カ月連続である。かれこれ、2年近く値上がりが続いているということだ。生活が苦しくなるのも当然である。

 品目別では、生鮮食品を除く食料が92%上昇と、1975年10月(99%)以来、47年8カ月ぶりの高水準。家事用消耗品(126%)も上昇が目立った。
 とにかくあらゆる物が上がっている。鶏卵35.7%食用油16.5%豚肉9.4%、洗濯用洗剤18.4%、キャットフード28.5%……。宿泊料も5.5%上昇した。
 しかも、この値上げラッシュは終わりそうにない。8月は牛乳やチーズ、ヨーグルト、シーチキンなどが値上げされる。9月はハム、ベーコン、冷凍食品、10月にはペットボトル飲料などが上がる。これでは、庶民は節約のしようがないだろう。

 さすがに、ネット上には<レジで会計見る度うんざりしてる。子どものおやつに果物が減りました。子どももため息ついてるよ。明日は部活の大会だから果物入れてあげたい>などと怨嗟の声が上がっている。
 賃金が大幅アップしていれば、まだ物価高に耐えられるが、実質賃金は14カ月連続のマイナスである。
 それにしても、どうかしているのは日本銀行である。これほど国民が物価高に苦しんでいるのに、なぜインフレ抑制に動かないのか。欧米の中央銀行は、多少の景気後退を覚悟してでも、物価上昇を抑えようと“利上げ”を続けているのに、日本だけが“ゼロ金利”を維持している。その結果、とうとうアメリカのインフレ率(3.0%)を上回ってしまった
 本来、中央銀行は“物価の番人”のはずである。日銀が物価目標に掲げる2%も、15カ月間連続で超えている。なのに物価高を放置しているのは、どう考えても不可解だ。
 経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「かつては日銀も、他国の中央銀行と同じくインフレ抑制に積極的でした。インフレが起きる前に予防的に金融を引き締めていたほどです。ところが、この10年で日銀の姿勢は大きく変わってしまった。庶民が物価高にあえいでいるのに利上げに動かないのは、政界や財務省から『景気が悪化したら困る』『国債の利払いが増えるじゃないか』という圧力もあるのでしょう。さらに、国際金融資本から利上げをストップさせられている、という事情もあるようです。動くに動けないのでしょう」
 日本の物価高は、まったく終わりが見えない

さらに国民から搾り取る気だ
 岸田政権は即刻、物価高に手を打つべきだろう。ところが、国民の神経を逆なでするように「サラリーマン増税」を画策しているのだから信じがたい。
 これ以上、国民を苦しめてどうするのか。SNSでは〈日本人やめたい〉といった投稿があふれている状況だ。
 6月に閣議決定された「骨太の方針」に掲げられたのが、「退職金増税」である。
 退職金は所得税の課税対象となっているが、現行制度では「退職所得控除」によって税負担が軽減されている。「控除額」は勤続年数が長いほど優遇されるルールになっていて、とくに20年超勤めると控除額が一気に大きくなり、受け取れる額が増える
 このルールを見直したら、実質的な増税となるのは間違いない。仮に、20年超勤めても控除額が大きくならないように制度が見直された場合、勤続35年で退職金2000万円の人は約45万円の増税となってしまう。
 さらに、政府税調の中期答申には、配偶者控除、扶養控除、生命保険控除、通勤手当の課税見直しまで盛り込まれていた。まさに、サラリーマン“狙い撃ち”である。
 ただでさえ、庶民は物価高に苦しんでいるのに、よくも平然と「増税」を打ち出せたものだ。どういう神経をしているのか。
「岸田政権は、防衛費倍増異次元の少子化対策と、カネのかかる政策を次々に打ち出しています。いくら財源があっても足らない。『取りやすいところから取ろう』ということなのでしょう。声が小さい『サイレントマジョリティー』のサラリーマンなら、増税を強いても文句を言わないと踏んでいるのだと思う。しかし、いまでも国民の生活はギリギリです。社会保険料も年々重くなり、2022年度の国民負担率は47.5%に達している。稼ぎの半分しか手元に残らない。さらに増税を強いられれば、国民は消費を控え、日本経済全体も沈滞していくでしょう。岸田首相は『新しい資本主義』を掲げ、『分厚い中間層をつくる』と宣言していたはずなのに、やっていることは、正反対のことばかりです」(斎藤満氏=前出)
 物価高にサラリーマン増税とは、この政権は完全にイカれている

「消費税」の凍結が先だ
 物価高にあえぐ国民の負担を少しでも軽くするために必要なのは、増税ではなく減税である。なかでも、効果的なのは「消費税」の凍結だろう。踏み切れば、足元の物価高もあっという間に解消されるはずだ。
 多くの国は、コロナ禍で付加価値税の税率を一時的に引き下げている。日本だってやろうと思えば消費税の凍結をやれるはずである。
 そもそも、国民が物価高に苦しんでいるのは、すべて政府と日銀の無策のせいである。庶民はそのツケを払わされているのが実態だ。物価が上がれば、その分、消費税の負担も増えていく。もし、日銀が他国の中央銀行と同じように利上げに動いていれば、22カ月も物価上昇は続かなかったのではないか。なのに、自分たちの無策を棚に上げて、さらに庶民から搾り取ろうなんて許されるわけがないだろう。
 しかも、税収が増え、税が余っても国民に還元しようとせず、すべて防衛費に回そうとするありさまだ。
 いったい、この政権はどこを向いて政治をしているのか。
 淑徳大大学院客員教授の金子勝氏(財政学)はこう言う。
「もし、財源が必要なら、法人税の減税によって内部留保をため込んできた大企業に応分の負担をさせるべきでしょう。“金持ち優遇”も見直した方がいい。年間の所得が1億円を超えると1人当たりの税負担が低下する『1億円の壁』をなくすべきです。なのに、中間層のサラリーマンに増税を強いようとしているのだから言語道断です。岸田政権のやっていることは“格差促進”と言うしかありません。大企業がスポンサーだから“優遇”をやめる気がないのでしょう。これでは、新しい産業も生まれず、経済成長も見込めません」
 サラリーマンは「まあ、しょうがないか」と納得していてはダメだ。次の選挙で、イカれた岸田政権に鉄槌を下すべきだ。


岸田首相が目論む 旧統一教会「解散命令請求解散」…内閣改造と“合わせ技”で支持率回復狙い
                          日刊ゲンダイ 2023/07/22
 支持率下落が止まらない岸田首相が、今秋の解散・総選挙を睨んで起死回生の一手を目論んでいるという。
「岸田首相は選挙前に、旧統一教会に対する解散命令請求を出すつもりなのです。それで支持率を回復させ、『自民党は旧統一教会との関係を断った』と選挙戦でアピールすることもできます」(自民党岸田派関係者)
 自民党は選挙区の「10増10減」に伴う候補者調整など選挙準備を着々と進めているが、旧統一教会との密接な関係が指摘された山際大志郎前経済再生相を神奈川18区の支部長に選任。19日には教団の韓鶴子総裁を「マザームーン」と呼んで賛美していた山本朋広衆院議員も神奈川4区の支部長就任が決まった。
 安倍元首相の一周忌を迎え、自民党と旧統一教会との癒着が再注目されるタイミングで“統一教会印”の議員を公認とは、有権者をナメているとしか思えないが、これこそ岸田首相の狙いだという。
「有権者が疑念を抱いている中で解散命令を請求すればサプライズ感が高まるし、教団と個別議員の関係にまとめてフタをすることができる。実際に解散命令を下すかどうかの裁判に数年はかかりますから、選挙前に請求だけ出してしまえばいいのです」(前出の岸田派関係者)

令和の「死んだふり解散」なのか?
 文科省が解散命令請求に向けた調査を開始したのが昨年10月。調査は停滞しているようにも見えるが、岸田首相の解散戦略と合わせ、水面下では大きく動き出しているようだ。旧統一教会の問題を長年取材しているジャーナリストの鈴木エイト氏が言う。
「文科省はこれまで宗教法人法に基づく質問権を6回行使して、解散命令請求に必要な書類を集め終わり、詰めの作業に入っているとみられます。今年6月に韓鶴子総裁が日本の教団幹部らに『岸田を呼びつけて教育を受けさせなさい』とイラ立ちをぶつけた音声が一部メディアで報じられましたが、これも解散命令請求が間近なことと無関係ではない。私は8月か9月にあるとみていますが、最終的にいつ請求するかは岸田首相の判断です」
 9月には内閣改造も予定されている。フレッシュな顔ぶれで瞬間的に支持率をアップさせ、解散命令請求との合わせ技で解散・総選挙になだれ込む可能性があるのだ。
 1986年に不意打ちの衆参同日選を仕掛けて圧勝した当時の中曽根首相は「解散は無理だと思わせ、死んだふりをしていた」と後に明かした。支持率低迷で死に体の岸田首相も、解散命令請求をテコに「令和の死んだふり解散」に踏み切るのか。