2023年7月15日土曜日

マイナンバー 政官財の癒着 受注4社が自民党に献金5・8億

 マイナンバー制度設計段階14年頃)からかかわり関連事業を受注してきた企業が14年から21年までの8年間で自民党政治資金団体「国民政治協会」に計5億8000万円もの献金をしていたことが、しんぶん赤旗の調査で分かりました。
 マイナンバー制度に関わるシステム設計等は、日立、富士通、NEC、NTTデータ、NTTコミュニケーションズの5社連合による事実上の独占体制になっていて、14年1月に「地方自治情報センター」発注個人のマイナンバーをつくる「番号生成システム」の設計・開発業務を受注(受注金額689580万円)し、14年3月には同制度の中核システム「情報提供ネットワークシステム」構築内閣府から受注(同123億1200万円)していますが、その入札金額は予定価格99・98でした。通常あり得ないことです。
 マイナンバー制度によって収集される膨大な個人データは、個人情報をビジネスに利用したい企業にとっては正に「宝の山」であり、「濡れ手で粟のつかみ取り」の源泉と言えます。財界が無理な期限を設定してまでマイナンバー制度の完成を岸田政権に要求した所以です。
 当然官僚は5社連合などの旨味のある大企業に優先的に天下りをするので、「財界が要望し、その加盟企業が自民党に巨額献金し、事業規模1兆円ともいわれる巨額事業を官僚が天下りした企業が受注するという構図が、ここでも出現しています。
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マイナンバー 政官財の癒着 受注4社が自民党に献金58億
                       しんぶん赤旗 2023年7月13日
 マイナンバーカードをめぐるトラブルが相次いでいますが、制度設計段階からかかわり、マイナンバー事業を受注してきた企業が2014年から21年までの8年間で、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に計5億8000万円もの献金をしていたことが本紙の調べで分かりました。
 14年3月、マイナンバー制度の中核システム「情報提供ネットワークシステム」を内閣府から123億1200万円で受注した5社連合のうち、献金していたのは、NTTコミュニケーションズを除く4社。マイナンバーカードの誤発行が続いている富士通はじめ、日立製作所、NEC、NTTデータの4社です。(表参照)

 

国民政治協会への献金(2014年~2021年)

 

 

日立製作所

3億0400万円

 

 

富 士 通

1億2000万円

 

 

N E C

1億2000万円

 

 

NTTデータ

0億3600万円

 

 

5億8000万円

 

 同システムは一般競争入札にかけられたものの、参加したのは5社連合のみ。日本共産党の池内さおり衆院議員(当時)の調べでは、予定価格に対する契約額の割合は99・98%で、予定価格が事前に漏れた可能性が指摘されました。

 5社連合は、14年1月にも、「地方自治情報センター」(現「地方公共団体情報システム機構(J―LIS)」)が発注した個人のマイナンバーをつくる「番号生成システム」の設計・開発業務を68億9580万円で受注しました。この入札も5社連合だけでした。
 J―LISは、マイナンバーカード発行など事業の中核を担っており、5社は、その後、それぞれマイナンバーカード関連の契約を多数受注しています。
 一方、献金した企業には、内閣府や総務省、財務省、経済産業省、国土交通省などの幹部が多数天下りしています。

 マイナンバー制度を強力に推進したのは財界です。個人情報をビジネスに利用するため、その道具として、健康保険証や介護保険証、年金手帳を兼ねた「社会保障個人カード」の導入を求めるなどしてきました。いま、健康保険証の廃止について、大手メディアも“いったん立ち止まれ”といっているのに、経済同友会の新浪剛史代表幹事は6月28日の会見で“廃止の期日を守れ”と岸田首相に要求しています。

 財界が要望し、その加盟企業が自民党に巨額献金し、事業規模1兆円ともいわれる巨額事業を官僚が天下りした企業が受注する ―。マイナンバー制度を巡る政官財癒着の構図が問われています。