植草一秀氏が「CIAが目論む第一第二自民体制」という記事を出しました。その中で、内閣支持率が3割を割り込むと10ケ月以内に政権が終るという経験則に従わない可能性が出てきたことについて、それは野党第一党の立民党が不人気を極めていて、岸田内閣を支える大黒柱になっているからだと述べています。
岸田政権は「大軍拡=大増税」を打ち出して以降、広島サミットでは被爆者団体の猛批判を浴びるなど大間違いをし続けた上に、目下は河野大臣担当のマイナカード問題で国民の不信を高めています。それにもかかわらず岸田氏が「いずれ支持率は回復するから」と居直っているのは、偏に立民党の泉代表(と背後にいる芳野連合会長)の言動が理解不能というべきレベルで、政党支持率が5%(NHK7月)前後と維新の会より下位に留まっているからです。これではどうすることも出来ません。
ところでその「維新の会」ですが、識者からは当初から自民党の補完勢力と見抜かれていたにもかかわらず、大マスコミは何故か彼らが登場すると一斉に「次代を担う新勢力」として持て囃しました。
その維新の会の馬場代表が23日、ネット番組「ABEMA的ニュースショー」で維新は“第2自民党”のような存在と指摘されたことに対して、「第2自民党でいいんですよ。第1、第2自民党が改革合戦を競い合う、それが政治を良くすることにつながる」と、「第2自民党」であることを認める発言をしました。
それは真実を語っているのですが、これには維新の議員も「オウンゴールだ」と頭を抱えているということです。カミングアウト?するのがあまりにも早すぎたという意味でしょう。
植草一秀氏は「日本の支配者米国の狙いが鮮明だ。問題は日本の主権者がその企みを肯定するのかどうか。維新の取り扱いは根本的な重要性を帯びている」と述べています。
併せて日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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CIAが目論む第一第二自民体制
植草一秀の「知られざる真実」 2023年7月24日
岸田内閣支持率は昨年9月に3割を割り込んだ。
大手メディア世論調査で内閣支持率が3割を割り込むと10ヵ月以内に政権が終焉する。
これが2006年以降の経験則。例外は一例もない。岸田内閣終焉が秒読み態勢に移行した。
しかし、今回は経験則に従わない可能性が浮上していた。野党第一党の不人気が岸田内閣不人気を凌駕していること。立憲民主党が岸田内閣を支える大黒柱になっている。
2023年が明けて記憶力を維持できない国民は自民党と統一協会問題を忘れかけた。
このタイミングでサミット日本開催が重なり、岸田内閣支持率が小幅回復した。
岸田首相が広島サミット開催の意義を際立たせる取り組みをしたならシナリオは変化しただろう。しかし、岸田首相はサミット広島開催の好機を棒に振った。
被爆地広島から核兵器廃絶の重要な一歩を踏み出す。被爆地広島でウクライナ戦乱終結に向けてのプロセスを始動させる。これがサミット日本開催の意義だった。
しかし、岸田首相は米軍産複合体に操られるバイデン大統領の命令に服従しただけでサミットを終結させた。
サミットは頂上、頂点を表す言葉。サミットが岸田内閣の頂点になった。予想通りの展開。
サミット終了と時を同じくして岸田首相子息の不祥事が再び表面化した。
経験も実績もない子息を首相政務秘書官という重要な国家公務員職に起用したことが公私混同の核心。
他方、岸田内閣が不透明な利益誘導で国民に取得を強要するマイナカードでの失態が次々に明るみに出た。
デジタル庁を創設した目的は何だったのか。特別法制で保護しなければならない個人情報の取り扱いにおける岸田内閣の杜撰対応が白日の下に晒された。
河野担当相は大口を叩くだけで実務能力がない。
7月には国内で大災害が発生しているなかで岸田首相は外遊に明け暮れた。
NATOは北大西洋に面する国々の組織。太平洋国家である日本に関わりはない。
無駄な海外旅行にうつつを抜かす前に国内の大水害に対処するのが首相としての責務だろう。
NHKは特別放送体制を敷くべきところ、首相の海外旅行に支障が出るのを懸念してか、大災害にもかかわらず通常放送体制を維持した。
福島では処理済みの放射能汚染水が満杯になる。
まったく安全な水だと主張するなら、国内で農業用水に用いればよいだけのこと。
中国の指摘は正鵠を射ている。
国内の農業用水に使うことができない危険な水だから海洋に投棄してしまうということなのだろう。
放射能汚染水が海洋投棄されるなら海産物の汚染を警戒せざるを得ない。
安全を確認する確実な方法は全数調査。中国が全数調査で対応するのも筋が通っている。
岸田内閣の支持率が再び3割を割り込んだのは順当だ。
内閣支持率凋落下では解散総選挙を打つことは困難だろう。
結局、解散を打てず、岸田首相は退陣に追い込まれることになるのではないか。
問題は政治刷新の道筋が見えないこと。
維新が伸長しているが維新代表の馬場伸幸氏が維新は第二自民でいいと公言した。
かねてよりCIAが狙うのは自公と第二自公による二大勢力体制の構築だと指摘してきた。
当の維新からこれを肯定する発言が飛び出した。
日本の支配者米国の狙いが鮮明だ。問題は日本の主権者がその企みを肯定するのかどうか。
維新の取り扱いは根本的な重要性を帯びている。
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維新・馬場代表「第2自民党でいい」発言に透ける本音…批判噴出に“オウンゴール”と周囲頭抱え
日刊ゲンダイ 2023/07/25
さすがに呆れ返った人も多いようだ。日本維新の会の馬場代表が23日、ネット番組「ABEMA的ニュースショー」に出演した時の発言が炎上している。
立憲民主党からすれば、維新は“第2自民党”のような存在との指摘に対し、こう言い放った。
「第1自民党と第2自民党でいいんですよね。第1、第2自民党が改革合戦でどんどんやって、国家国民のためになることを競い合う。それが政治を良くすることにつながるわけで」
これまでも維新は“自民別動隊”“自民亜流”などと揶揄されてきたが、とうとう自ら「第2自民党」と認めてしまった格好だ。案の定、ネット上でも批判が噴出している。
<今は勢いがあるからホント調子こいてる><第2自民は要らないよ><政権交代する気など全くないのがよくわかるね。第2自民と言われて怒りもしないんだから><維新には馬場代表はじめ質の低い議員が多い><自民のやることに追随するしか能がないから第二自民党と呼ばれているわけで。合戦(笑)なんか起きるわけねえわ>
維新議員もこの“馬場発言”には、「オウンゴールだ」と頭を抱えているらしい。一気に支持を失う懸念があるからだ。政界関係者がこう言う。
「調子に乗ったのだろうけど、あの一言は、口にしてはいけないワードだった。自民党政治を肯定するなら、維新は必要ありませんからね。しかも、自分たちを第2自民党だと認めてしまった。これまで維新の支持が伸びなかったのは“ゆ党”だと見られてきたからでしょ。とくに安倍政権の時は、違いが見えなかった。支持を拡大するためには、本来、維新は『我々は自民党とは違う』と訴えなければいけない。実際、意図的なのか、最近の維新は、マイナカードや防衛費増税でも、自民党の政策に反対している。維新を支持している人も、自民党とは違う保守政党を期待しているはずです。ただ“第2自民党”は馬場さんのホンネでしょう。もともと、維新の多くは自民党議員ですからね。馬場さんも、自民党と連立を組み、一日も早く大臣になりたい、と考えているはずです」
馬場代表は、写真週刊誌「FLASH」のインタビューに「(自民党の)萩生田さんは安倍政権の中枢におられて、僕らの目標になる人でした」「尊敬できる人です」と答えている。
つまり、そういうことだ。