特定秘密保護法は6日の深夜参院本会議で採決が強行され成立しました。
みんなの党の真山勇一、川田龍平、寺田典城の3氏は本会議に残り反対票を投じました。自民の二之湯智氏も反対しました。
6日の夜も、酷寒のなか日比谷野外音楽堂は法案に反対する人たちで埋め尽くされました。そうした国民の間に広範に盛り上がった反対の世論は無視されました。
法案は極めて不備で不正なものでした。
6日の毎日新聞電子版に、「これだけある秘密保護法の重大欠陥」と題した右の表が掲載されました。当初から各紙で指摘されていたものが大半ですが、良くまとめられているので紹介します。
国会審議の中で明らかになってきた数々の不備や欠陥は一切是正されませんでした。修正された箇所といえば、みんなの党や維新の会と合意した、うわべだけの愚にもつかないもので改悪さえも行われました。
普段は政権寄りの発言に終始しているテレビのキャスターたちも、ついには「これだけ不備の箇所だらけの法案なのに、このまま押し通そうというのはおかしい」と口にするようになりました(NHKを除く)。
法案はそもそもは民主党政権時代に菅首相・野田首相のもとで仙谷氏が手がけたものという主張がありますが、原型は自民党時代のものでそれを拡張し改悪したものです。いまさらそんな源流探しをしても意味はなく、閣議決定した内閣に挙げて責任はあります。
いずれにしてもこの強行採決をとおして、内閣は国民からの不信の念という大きな負の遺産を背負いました。今後はことあるごとにボデーブローのように効いてくることでしょう。天木直人氏の言うとおりです。
いずれにしてもこの強行採決をとおして、内閣は国民からの不信の念という大きな負の遺産を背負いました。今後はことあるごとにボデーブローのように効いてくることでしょう。天木直人氏の言うとおりです。
それにしても安倍首相は審議の過程で、とうとう「第三者機関による監視」ということを理解できませんでした。一体「第三者機関」とはそれほどに複雑な概念なのでしょうか。内閣府がそれに相当しないことは中学生の知能があれば即座に理解できることです。
政府は法成立を受け、内閣官房に準備室を設置し、来年12月までの施行へ向けた作業を本格化するということですが、こういうリーダーのもとに日本はこの先どういう経路をたどることになるのでしょうか。
この法律は本来であれば真っ先に違憲立法審査に掛けるべきものですが、日本の最高裁の姿勢を思えばそれも必ずしも先行きは明るいとはいえません。
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秘密保護法:与党強行で成立 民主「憲政史上まれな暴挙」
毎日新聞 2013年12月07日
◇みんな、維新は退席
国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法案は6日深夜の参院本会議で、自民、公明両党の賛成多数で可決・成立した。民主、共産、社民、生活の4党などは反対し、与党と法案修正で合意していたみんなの党、日本維新の会は退席。賛成130票、反対82票だった。民主党は「憲政史上まれな暴挙だ」と同日、安倍内閣不信任決議案や森雅子同法担当相の問責決議案を衆参両院に提出したが、与党などの反対多数で否決された。国会周辺で市民団体などが夜まで抗議するなか、安倍政権は、情報統制の強化や国民の「知る権利」を侵害する可能性をはらんだまま、同法の成立を強行した。【小山由宇、阿部亮介】
6日夜の参院本会議で、前日に民主党が提出した中川雅治・参院国家安全保障特別委員長(自民)の問責決議案が、与党などの反対多数で否決された。直後に中川氏が特定秘密保護法案の委員長報告を行った際に、民主、みんな、維新3党の議員が本会議場から退席。民主党はそのまま法案の反対討論を棄権した。
その後、民主党は議場に復帰し採決では反対した。与党と法案修正で合意しながら衆院採決を退席した維新は、参院採決も棄権。衆院で法案に賛成したみんなも棄権したが、党内から真山勇一、川田龍平、寺田典城の3氏が本会議に残り、反対票を投じて造反した。また、自民の二之湯智氏も反対した。
採決後、菅義偉官房長官は記者団に「わが国を取り巻く安全保障環境が厳しいなか、国民の安全・安心を確保する大切な法案が成立して大変良かった」と語った。森氏も「国民の知る権利が守られるよう、恣意(しい)的な秘密指定がされないよう対応したい。国民の懸念に対して丁寧に説明する」と強調した。自民党の石破茂幹事長は同法に世論の懸念が強いことを踏まえ「施行までの間、さらに多くの(国民の)理解を得る努力をしなければならない」と強調した。
民主党の海江田万里代表は「暴走する自民党に対して、これからもチェック機能を果たさなければならない。国民への影響が少なくなるよう努力する」と無念さをにじませた。
与党は野党による「引き延ばし戦術」を警戒し、6日の衆院本会議で、8日まで2日間の国会会期延長を可決。一方、民主党は国会審議打ち切りなどに反発して内閣不信任案を衆院に提出した。海江田氏は参院採決に先立つ6日夜の衆院本会議で「国会を無視する強権姿勢が、第1次政権と全く変わっていない」と安倍晋三首相を批判した。
内閣不信任案には民主、みんな、共産、生活の党、社民などが賛成したが、与党と維新などの反対で否決。民主党が参院に提出した森氏の問責決議案も6日午後の参院本会議で否決された。
政府は法成立を受け、内閣官房に準備室を設置し、来年12月までの施行へ向けた作業を本格化する。専門家による情報保全諮問会議を設置し、特定秘密の指定基準や秘密を扱う公務員らの「適性評価」基準を作成。政府は施行までに秘密指定を検証する情報保全監察室を内閣府に、保全監視委員会を内閣官房にそれぞれ設けることで「万全の態勢」を強調するが、政府内に置かれるチェック機関が、政府の不当な秘密指定を防止できるかは不明だ。
6日の各紙社説
6日の各紙社説は強行採決の批判で埋まりました。
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