朝日新聞社が11月30日~12月1日に行った緊急全国世論調査(電話)によると、特定秘密法案に賛成25%に対して反対は50%と反対がダブルスコアで上回り、今国会で成立させるべきだと考えている人たちは僅かに14%に留まりました。
法案の審議の仕方についての批判や法案についての不安が強いこともそれぞれ数字で示され、政府が今やろうとしていることが民意に反していることが明らかにされました。
自民党石破幹事長の「法案反対運動はテロ」などという発言は、絶対多数の議席におごった「現実無視」の感覚に過ぎません。
強行採決については、問題だが61%、問題ではないは24%、今国会で成立させるべきかについては、成立させるべきだは14%、継続審議にするべきだが51%、廃案にするべきだが22%でした。
また、秘密の指定について政府の判断を信頼できるかについては、信頼できるは22%、信頼できないが63%、秘密の指定が適切かどうかをチェックする独立した第三者機関の設置については、必要だが78%で、必要ないは12%、秘密にされる情報の範囲が広がっていく不安については、大いに感じるが 26(19)%、ある程度感じるが52(49)%で、あまり感じないは15(22)%、まったく感じないは4(5)%でした。
この法律ができることで、国民が本来知るべき情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがどの程度あるかについては、大いにあるが32%、ある程度あるが50%で、 あまりないは12%、まったくないは2%でした。
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秘密保護法案、賛成25%反対50% 朝日新聞世論調査
朝日新聞 2013年12月1日
特定秘密保護法案の衆院通過を受け、朝日新聞社が11月30日~12月1日に全国緊急世論調査(電話)を実施したところ、法案に賛成が25%で、反対の50%が上回った。法案の今後については「継続審議にするべきだ」が51%に上り、「廃案にするべきだ」が22%。「今の国会で成立させるべきだ」は14%にとどまった。
安倍政権は6日が会期末となる今国会での成立を目指しているが、安倍内閣支持層でも「成立させる」は22%しかなく、「継続審議にする」が56%と多数を占めた。自民や公明、維新の各支持層でも「継続審議にする」が最も多く、政党支持層の枠を超えて慎重審議を求める声が多い。
与党が11月26日に衆院で法案採決を強行したことは61%が「問題だ」と答えた。
世論調査―質問と回答(11月30日・12月1日実施)
(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。丸カッコ内の数字は11月9、10日の調査結果)
◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持する 49(53)
支持しない 30(25)
◆今どの政党を支持していますか。
自民36(36)▽民主5(5)▽維新3(2)▽公明2(3)▽みんな2(2)▽共産3(2)▽生活0(0)▽社民0(1)▽みどりの風0(0)▽新党大地0(0)▽新党改革0(0)▽その他の政党0(0)▽支持政党なし36(42)▽答えない・分からない13(7)
◆特定秘密保護法案は、国の外交や安全保障に関する秘密を漏らした人や不正に取得した人への罰則を強化し、秘密の情報が漏れるのを防ぐことを目的としています。一方、この法案で政府に都合の悪い情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがあるとの指摘もあります。特定秘密保護法案に賛成ですか。反対ですか。
賛成 25(30)
反対 50(42)
◆この法案は衆議院で与党が採決を強行し可決されました。こうした採決の強行を問題だと思いますか。問題ではないと思いますか。
問題だ 61
問題ではない 24
◆特定秘密保護法案は今、参議院で審議中です。この法案をどうしたらよいと思いますか。今の国会で成立させるべきだと思いますか。継続審議にするべきだと思いますか。廃案にするべきだと思いますか。
今の国会で成立させるべきだ 14
継続審議にするべきだ 51
廃案にするべきだ 22
◆この法案では、どの情報を秘密にするかは政府が判断します。秘密の指定について政府の判断を信頼できますか。信頼できませんか。
信頼できる 22
信頼できない 63
◆政府による秘密の指定が適切かどうかをチェックするため、政府から独立した第三者機関の設置が必要だと思いますか。必要ないと思いますか。
必要だ 78
必要ない 12
◆特定秘密保護法ができることで、秘密にされる情報の範囲が広がっていく不安をどの程度感じますか。(選択肢から一つ選ぶ=択一)
大いに感じる 26(19)
ある程度感じる 52(49)
あまり感じない 15(22)
まったく感じない 4(5)
◆この法律ができることで、国民が本来知るべき情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがどの程度あると思いますか。(択一)
大いにある 32
ある程度ある 50
あまりない 12
まったくない 2
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〈調査方法〉 11月30日、12月1日の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は2018件、有効回答は1001人。回答率は50%。