2014年11月3日月曜日

首相はFB(フェイスブック)で更に枝野氏を批判

 30日の衆院予算委員会で民主党の枝野幹事長が、「総理として、閣僚や閣僚だった方について、しっかり説明責任を果たせと指導力を発揮していただきたい」と尋ねたところ、安倍首相は 「過去にJR総連JR東労組から、枝野議員は約800万円献金を受けていた。これは、殺人を行っている団体でありますから、そういう団体が影響力を行使しているのは由々しき問題ではないですか」と答えました。
 
 これは「革マル派」を殺人集団であるとしたうえで、JR総連JR東労組と「革マル派」とを同一視したものですが、一国の首相があるグループを殺人集団呼ばわりするのも異常であれば、強い敵意をもって執拗に枝野氏を誹謗するのも異常なことでした。
 ところが2日にも、今度は首相の秘書が、「『殺人までする危険な反社会的な組織活動家と関わりがある団体から資金の供与を受けるのは問題であり、そのことを糾すのは当然ではないか』と安倍首相は述べた」、とフェイスブックに書き込みました。
 
 JR総連(及びJR東労組)と革マル派の関係については、2009年の東京地裁判決で、JR総連革マル派との組織的な関係は認められないとして否定されています。
 従って首相サイドが繰り返しJR総連革マル派殺人集団と主張するのは根拠のないことで、名誉毀損で訴えられても仕方がありません。
 
 東京新聞の記事と、東京地裁での勝利判決に当たってJR総連が出した声明を紹介します。
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首相FB、枝野氏を批判
東京新聞 2014年11月3日
 安倍晋三首相の交流サイト・フェイスブック(FB)は、民主党の枝野幸男幹事長が革マル派との関係が指摘されるJR関連労組から政治献金を受けていたとする批判を掲載した。首相の秘書が書き込んだ。枝野氏は二日、北海道幌延町で記者団に「何ら批判される筋合いはない。これこそ誹謗(ひぼう)中傷そのものではないか」と反論した。
 
 首相は十月三十日の衆院予算委員会で、質問者の枝野氏に同労組からの政治献金についてただした。これに関し、秘書はFBで「質疑で『殺人までする危険な反社会的な組織活動家と関わりがある団体から資金の供与を受けるのは問題であり、そのことをただすのは当然ではないか』と安倍首相は述べた」と記した。
 枝野氏は「連合加盟の産別単組から献金を合法的に受け取った。与党の立場にある方の中にも当該労組と私以上に親しい方がいる」と述べた。
 
 
でっち上げ「業務上横領事件」 12.7 弾圧・国家賠償請求訴訟の勝利判決にあたって(声明)
2009年6月9日 
全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連) 
 
 東京地方裁判所は6月9日、でっち上げ業務上横領事件での12.7弾圧に対する国家賠償請求訴訟で、警視庁公安二課による違法な家宅捜索を認め、被告・東京都(警視庁)に対し、JR総連とJR東労組にそれぞれ22 万円を支払えという勝利判決を言い渡した。
 
 今回の判決で裁判所は、警視庁公安二課が主張する革マル派との組織的な関与は認められないとしてこれを否定。JR総連やJR東労組は、組合員の労働条件の向上等を目指しており、その主義・主張は横領事件とは無関係にあり、組織としての認容は考え難いとした。そのうえで規約や組合員名簿などの横領とは関係のない数千点にも及ぶ大量押収品のうち、600 点を超える押収が違法であると認定した。さらに革マル派の非合法活動の資金に充てられた可能性を否定。その上で、長期ににわたる捜索での組合業務への支障を認めつつ、被害者であるはずのJR総連などに公安二課が捜査協力を求めていないことなどを照らして、小額ではあるが無形損害を認めた。
 一方で、被害者や被害届もない中で、『捜索差押許可状』を許可した国(簡易裁判所)の違法性や、1枚の『許可状』で目黒さつき会館内の複数の事務所での捜索が行われたことの違法性、押収物の写しの廃棄を求めた点も公訴時効から認められなかった。
 
 しかし、こうした訴えが一部認められなかったとはいえ、今回の勝利判決の意義は大きい。私たちはJR浦和電車区事件を皮切りに、東京駅事件、業務上横領事件と矢継ぎ早な国策弾圧でJR総連破壊が狙われ、マスコミや週刊誌で「革マル・テロリストキャンペーン」が繰り広げられ、さらに御用組合や組織破壊者らがこの流れに掉さす中、弾圧の本質を暴露し、職場や地域から訴えつつ、支援・連帯する仲間を増やし闘ってきた。その結果、一昨年、昨年とでっち上げ「業務上横領事件」の不起訴を勝ち取り、今日の判決に繋がった。まさに、反弾圧・総団結、そして反転・攻勢をスローガンに重包囲網を押しのけ闘ってきた大きな成果として、真実を掴み取ったことが確認できる。
 
 今後も「2.15 業務上横領事件」での国家賠償請求訴訟、さらには松崎氏による国家賠償請求訴訟の判決が控えている。JR総連はいかなる判決にもブレることなく、正々堂々と労働組合の大道を歩み、闘っていく。そしてこれからも平和・人権・民主主義を求め、当面するJR浦和電車区事件と蒲郡駅事件の上級審で勝利を勝ち取り、さらに「スパイ糾弾訴訟」や「小説労働組合訴訟」で勝利を勝ち取るため、闘い抜くものである。