東京の市民団体「戦場体験放映保存の会」が、約100人の戦場体験を紹介する展示会を、21~24日に長野市生涯学習センターで開きます。太平洋戦争の元兵士の証言を映像で記録したものです。
期間中に県内外の元兵士ら6人の証言を聞く集会も予定しています。
保存の会は戦後世代のメンバーが中心になって2004年に東京で設立され、戦争体験が風化しないようにとこれまで東京、大阪、仙台などで展示会を開いてきました。
長野県は「首都圏と沖縄に次いで聞き取りした人数が多く、戦争体験の継承にとりわけ関心が高い土地柄だと感じる」と説明しています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
戦争体験者100人の証言紹介展 長野で21日から、元兵士招く集会も
信濃毎日新聞 2014年11月13日
太平洋戦争の元兵士の証言を映像で記録している市民団体「戦場体験放映保存の会」(東京)は21~24日に、約100人の戦場体験を紹介する展示会「語らずに死ねるか!今、戦争を知り考える戦場体験・百人展」を長野市生涯学習センターで開く。県内では初開催で、期間中に県内外の元兵士らの証言を聞く集会も予定している。
証言はパネルで紹介し、サイパンや硫黄島などの「玉砕の島々」、「少年兵・特攻」などのテーマごとに展示し、当時の写真、出版物、軍装や日の丸の寄せ書きなども並べる。長野県の証言者を集めたコーナーや、シベリア抑留、南方戦線の体験者が記憶を元に描いた絵画の展示コーナーも設ける。
元兵士らの証言を聞く集会では、満州国政府職員だった山野井公一さん(95)=長野市、満蒙(まんもう)開拓青少年義勇軍にいた酒井盛芳さん(87)=同、中国戦線で戦った依田安昌さん(90)=上田市=ら6人が語る。埼玉県の佐藤孝則さん(83)は、松本市に駐屯していた旧陸軍歩兵第50連隊の兵が多数亡くなったマリアナ諸島・テニアン島の戦闘を民間人として体験している。
保存の会は戦後世代のメンバーが中心になって2004年に設立。戦場体験の風化に抗う元兵士の体験をボランティアで記録してきた。百人展は13年夏に東京で初開催し、昨秋に大阪市、今夏に仙台市で開いた。長野県で開くことについて、同会は「首都圏と沖縄に次いで聞き取りした人数が多く、戦争体験の継承にとりわけ関心が高い土地柄だと感じる」と説明している。
百人展は午前10時~午後5時(24日は午後3時まで)。集会は毎日午後1時半から1時間程度で、22、23日は午後3時からも開く。入場無料。