日本生態学会など自然の研究に関わる国内複数の学術団体が、辺野古を含む大浦湾の自然環境の保全や沖縄防衛局が実施した環境影響評価(アセスメント)の再調査を求め、11日に同学会の代表者らが沖縄県を訪れ、知事宛ての要請書を県環境政策課に手渡す予定です。
大浦湾は「著しく高い生物多様性が維持されている点で大変貴重な場所」と評価し、、「不十分な環境影響評価のままで埋め立て工事に着手せず、環境影響評価で欠落していることを再調査し、万全の評価をしてほしい」と求めるものです。
海底に住むさまざまな生物の研究者が集まる日本ベントス学会自然環境保全委員会の佐藤正典委員長も同じ趣旨で11日に沖縄県を訪れます。
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自然学術団体「大浦湾保全で再調査を」 国、県要請へ
琉球新報 2014年11月9日
4千人の専門家を有する日本生態学会など自然の研究に関わる国内複数の学術団体が、名護市辺野古への新基地建設に伴う埋め立て予定地、大浦湾の自然環境の保全や沖縄防衛局が実施した環境影響評価(アセスメント)の再調査を求め、県や防衛省、環境省に連名で要請する。11日には同学会の代表者らが来県し仲井真弘多知事宛ての要請書を県環境政策課に手渡す予定。
要望書では、大浦湾について「著しく高い生物多様性が維持されている点で大変貴重な場所」と評価し、環境影響評価については「海域の重要性、特性がきちんと評価されていない」と指摘。その上で次世代に引き継ぐ環境と生態系の保全のため、「不十分な環境影響評価のままで埋め立て工事に着手せず、環境影響評価で欠落していることを再調査し、万全の評価をしてほしい」と求めている。
海底にすむさまざまな生物の研究者が集まる日本ベントス学会自然環境保全委員会の佐藤正典委員長(鹿児島大学大学院教授)も11日来県する。佐藤氏は8日、「大浦湾にはサンゴ礁など多様な生態系があり、世界的に見てもものすごく貴重な場所。南西諸島で沿岸開発などにより失われてきたサンゴ礁生態系がこの場所には非常によく残っており、論文などでも証明されている」と評価。「生物多様性を守るという世界的に重要な課題が、大浦湾では基地建設や地域振興などに隠れ、あまり知られていない。自然環境をきちんと評価し保全に配慮してほしい」と要請の理由を説明した。