2022年4月29日金曜日

29- 米国務長官が「岸田首相がNATO会議参加」と

 ブリンケン米国務長官が26日、上院外交委の公聴会で、6月下旬にスペインで開催予定のNATO首脳会議に日本が参加すると明言しました。他国の幹部がそんな重大な問題について勝手に断言するのはあってはならないことです。

 それに対して松野官房長官は会見で「日本の出席については何ら決まっていない」と述べました。日刊ゲンダイが伝えました。
 NATOはロシアを敵国とする軍事同盟で、ロシアにとっては国家の存亡に関わるものです。ロシアがウクライナに侵攻した理由のひとつが、ウクライナがNATOに加盟しようとしていることでした。
 日刊ゲンダイは、NATO首脳会談に参加すれば「加盟国と同列視される恐れ」という見出しを立てていますが、「恐れ」などではなくてそのまま「敵国」と見做されます。
 官房長官は「何ら決まっていない」ということで婉曲に否定した積りでしょうが、軍事同盟に加わるのは明らかに憲法9条に反するので「日本は参加しない」と明言すべきで、この問題で右顧左眄すべきではありません。
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日本“強制参戦”危機 米国務長官「岸田首相がNATO会議参加」ブチ上げ発言に官邸てんやわんや
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 日本も戦争に巻き込まれてしまうのか。ブリンケン米国務長官が26日、上院外交委員会の公聴会で、6月下旬にスペイン・マドリードで開催予定のNATO首脳会議に日本が参加すると明言。ロシアによるウクライナ侵攻について「日本が素晴らしい形で立ち向かった」と称賛してみせた。

■プーチン大統領激怒
 ブリンケン発言は、NATO拡大を忌み嫌うプーチン大統領を刺激したに違いない。松野官房長官は会見で「日本の出席については何ら決まっていない」と慎重だったが、内心は大慌てだったようだ。
「ブリンケン発言は、日本側と調整せずに突然飛び出したとみられている。11日にはバイデン大統領が、インドとの首脳会談の場で、日米豪印の4カ国からなるクアッドの首脳会議を『5月24日に日本で行う』と突然公表。まだ水面下で調整中だったのに、『5.24』と日付までブチ上げられ、岸田官邸はてんやわんやでした。この時も松野長官が『具体的な日程は決まっていない』と火消ししていた。米国は先手を打って情報を出し、重要日程の既成事実化を図っているフシがある」(官邸事情通)

■加盟国と同列視される恐れ
 このまま米国についていくのは危険極まりない。この戦争の実態は、ロシアvsNATOの戦いだ。日本がNATOにどっぷり漬かれば、日本はロシアにとって敵対国となり、プーチン大統領が激怒するのは明らかだ。
 ただでさえ、ロシアはモルグロフ外務次官が日本政府に対し、米国との合同海上軍事演習の範囲を拡大すれば「報復する」と警告。下院副議長は「北海道の全権はロシアにある」と発言するなど、日本への牽制が顕著になってきている。NATO首脳会議に参加すれば、日本も戦争に巻き込まれかねないのではないか。防衛ジャーナリストの半田滋氏はこう言う。
「日本はNATOに非加盟で、ウクライナへの攻撃兵器の提供を控えています。現時点で、ロシアからNATO加盟国と同列視され、戦争に巻き込まれることはないでしょう。しかし、米国から『お座敷がかかった』とばかりに軽々しくNATO首脳会議に参加してしまえば、ロシアから加盟国と同等と見られる恐れがある。加盟国は既に戦車や榴弾砲といった攻撃兵器をウクライナに提供していますから、ほぼ参戦しているも同然。そんな加盟国と同列に見られるのは、極めて危険だと思います」
 裏を返せば、ブリンケン発言は日本への“参戦”要請ということか。岸田自民は、防衛費の対GDP比2%以上への引き上げを画策しているが、このタイミングで「軍拡」など、危機をあおるだけだ。

プーチン大統領「電撃的対抗措置」とNATOに脅し
 手負いのプーチン大統領、核攻撃で脅し!? ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで27日演説し、ウクライナへの軍事支援を強化しているNATOについて「ロシアに戦略的脅威を与えるなら電撃的で素早い対抗措置を取る」と警告した。
 ロシア国防省が先に実験成功を発表した新型大陸間弾道ミサイル「サルマト」の存在などを念頭に、核兵器の使用も辞さない姿勢を示し、NATO側を威嚇した。
 また、プーチン大統領はウクライナ侵攻について「ロシア全土の安全を将来にわたり確保することになる」と意義を訴え、「全ての目標を無条件で達成する」と強調した。