櫻井ジャーナルに「アゾフ大隊の恐怖支配から逃れた市民の証言 ウクライナ政府が封印」という記事が載りましたので紹介します。
併せて「マリウポリなどからの避難民がネオ・ナチの恐怖支配を語る映像をTwitter社は削除」という記事を紹介します。
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アゾフ大隊の恐怖支配から逃れた市民の証言をウクライナ政府が封印する動き
櫻井ジャーナル 2022.03.31
マリウポリから脱出した市民が「アゾフ大隊(アゾフ特殊作戦分遣隊)」の実態を告発、西側の政府や有力メディアが描いてきた「勇敢な市民が邪悪な侵略軍に立ち向かい、勝利する」という「ダビデとゴリアテ」的なストーリーが事実でないことを明らかにしている。(例えば、ココやココ)
脱出して間もない市民の声が外へ伝えらているのは現地で取材している記者がいるからである。例えば、ドンバス・インサイダーの記者によると、彼女はフランスの有力メディアTF1やRFIのほか、ロシアやイタリア人の記者とマウリポリへ入ったとしている。
早い段階で記事も出ているが、脱出した人の証言映像をツイッターに載せていた人もいた。ところがその人のアカウントをツイッターは削除。知られたくない事実だからだろうが、一部の映像はインターネット上にまだ残っている。
しかし、西側の有力メディアは大多数が「ダビデとゴリアテ」話を維持するため、こうした証言は無視しているようだ。親衛隊の仲間である「市長」のコメントを伝えても市民の証言は伝えない。
それだけでは足りないようで、ウクライナやアメリカの政府にとって都合の悪い情報、つまり事実を伝えるジャーナリストをウクライナ政府は国外へ追い出したり恫喝し始め、身の危険を感じるような状況になっているという。今後、ウクライナ政府は脱出した市民を拘束し、その証言が外へ漏れないようにするかもしれない。
マリウポリなど東部に住む人びとはロシア語を話し、多くは2014年2月のクーデターで排除されたビクトル・ヤヌコビッチ大統領を支持していた。つまり反クーデター派が多数を占めていた。そこで反クーデター戦争を始めたのだ。それに対し、ポーランドへ逃げ込んだ住民は西側に住む人が多いはずである。
ポーランドへ逃げた市民について、西側メディアは文明度が高いとし、「目が青く、ブロンドのキリスト教徒」だから助けなければならないと叫んでいた。その一方でインド人やアフリカ系の人びとは脱出を妨害されたり、棍棒で殴打された人もいる。アジア人も差別の対象だ。西側メディアもネオ・ナチと同じ価値観を持っていると言われても仕方がないだろう。
マリウポリなどからの避難民がネオ・ナチの恐怖支配を語る映像をTwitterは削除
櫻井ジャーナル 2022.03.29
マリウポリなど「アゾフ大隊(アゾフ特殊作戦分遣隊)」に支配されていた地域から脱出した市民が実態を告発、その映像をツイッターに載せていた人がいたが、その人のアカウントをツイッターは削除した。知られたくない事実だからだろうが、一部の映像はインターネット上にまだ残っている。
別の映像や記事もあるが、そうした市民によると、アゾフ大隊によって建物は破壊され、人びとは拷問され、銃撃され、殺された人も少なくないようだ。若い女性はレイプされているとも告発されている。
ロシア側へ避難ルートを作るため、ロストフ・ナ・ドヌにオフィスを設置しようとしているICRC(赤十字国際委員会)をウクライナのボロディミル・ゼレンスキー政権は非難しているが、これは避難民の証言を恐れているからだろう。ゼレンスキー政権はロシアへのルートを拒否してきた。
西側の政府や有力メディアが描いてきた「勇敢な市民が邪悪な侵略軍に立ち向かい、勝利する」という「ダビデとゴリアテ」的なハリウッド映画的シナリオでウクライナでの戦争は語られてきたが、それが幻影に過ぎないことを隠しきれなくなっている。幻影を広めてきた政府や有力メディアだけでなく、幻影を事実だと信じていた、あるいは信じたがっていた人にとっても好ましくない展開だろう。