コロナ禍は3年目に入り国民生活の困窮は深刻化しています。
そんな中、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は18日、コロナ禍を起因とした医療に関わる困窮事例が20年10月~21年12月末までに全国で少なくとも346件あったと発表しました。
20年10月の調査では、非正規労働者は収入が減っても雇用されていた人が多かったのに対して、22年12月の調査では、ぎりぎりのところでつないでいた非正規労働者の失業が増加しました。
困窮の事例を職業別でみると、無職が47%(前回より約20ポイント増)、非正規労働者は27%でした。
民医連の岸本啓介事務局長は、「困窮してもしっかり医療にかかることができるように制度をつくることが大事だ」と強調しました。
しんぶん赤旗が伝えました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
コロナ困窮 長期化のもと 深刻化 無職が増加 半数近く 民医連調査
しんぶん赤旗 2022年4月19日
(全日本民医連)は18日、都内で会見し、コロナ禍を起因とした困窮事例が全国で少なくとも346件あったと発表しました。全日本民医連は2020年10月にも同様の調査を行っており、コロナ禍が長期化するもとで状況が深刻化していることが浮き彫りになりました。
全日本民医連は2020年10月~21年12月末までに、全国の民医連加盟の事業所や、コロナ相談会などに寄せられた困窮事例346件を分析しました。国の責任で「社会保障制度の拡充や公的支援の強化が急務」だとしています。
事例を職業別でみると、無職(コロナ禍によって職を失った人含む)が47%と一番多く、前回より約20%増加。非正規労働者は27%で、前回より減ったものの依然高い割合を示しています。全日本民医連は、前回調査では、収入が減っても雇用されていた人が多かったと指摘。今回の調査では、約半分が無職だったとして「ぎりぎりのところでつないでいた非正規労働者の失業が増加した」と推察しています。
経済的な理由により医療機関へ受診を控えたことで“手遅れ死亡”になった男女割合は、女性が約4割でした。20年に全日本民医連が公表した手遅れ死亡事例の女性の割合は約3割でした。
会見で全日本民医連の岸本啓介事務局長は、「コロナ禍が2年を超えるなか、健康や命にかかわる事例が噴出し、深刻化している。(困窮しても)しっかり医療にかかることができるように制度をつくることが大事だ」と強調しました。
住居失い何日も水のみ 【困窮事例】無職で路上生活をしていた40代男性。19年に仕事を辞めて同居の親の介護をしていましたが、同年に親が亡くなり、兄弟が自宅を売却し住居を喪失。ネットカフェに寝泊まりしながら日雇いの仕事をしていましたが、コロナ禍で失いました。 相談時の所持金は15円。数日間、食事をとらず水を飲んで生きていました。 12月の公園や駅を転々とし、夜は凍死しないよう一晩中市内を歩いていました。両足は既に凍傷の状態。深夜に路上に座っていたところを見回り訪問で発見し相談につながりました。 翌日、生活保護の申請とアパート入居を支援されました。 |