櫻井ジャーナルの記事を紹介します。
イランの核開発計画に関する協議は、真の合意まであと一歩のところまで迫っていたにも拘らず、ハメイニ師や軍幹部らを一挙に殺害できる好機を優先して米国はイラン攻撃に踏み切りました。
イランは当初から長期戦を覚悟していましたが、米国とイスラエルは数日でイランは屈服すると考えていたため、長期戦の準備はなく窮地に陥っています。
イランの被害は甚大ですが、ミサイルやドローンを使った反撃でテル・アビブやハイファのようなイスラエルの主要都市や軍事施設もまた壊滅的な打撃を受けているということです。
ここにきて、イラン領空に侵入していた米軍のF-35戦闘機にイランの防空ミサイルが命中し、複数のKC-135空中給油機が破壊され、イランの極超音速ミサイルによる攻撃を受けたアメリカ海軍の空母エイブラハム・リンカーンは現在、イランから1100キロメートル離れたオマーン沖に停泊。船内で大規模な火災が発生した空母ジェラルド・R・フォードは修理のためクレタ島へ向かったなどという、米国側の被害も伝えられています。
現在、2000人超の米海兵隊がホルムズ湾を目指しているというので、どんな展開になるのか予断を許しませんが。
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核戦争の危機を高め、世界経済を破壊するトランプ政権に反対できない高市首相
櫻井ジャーナル 2026.03.21
高市早苗首相は3月19日にホワイトハウスを訪問、彼女を出迎えたドナルド・トランプ大統領の胸に飛び込んでハグを交わすという触れ合いからふたりの再会は始まった。それを微笑ましいと捉えるか、醜態だと捉えるかは人それぞれだろう。イランに対する奇襲攻撃やジェフリー・エプスタインとの関係で追い詰められているトランプ大統領にとって気の休まる時間だったかもしれない。
アメリカやイスラエルによる攻撃で始まったイランとの戦争はホルムズ海峡の封鎖という事態になり、エネルギー資源や肥料の流れが止まってしまった。これは日本にとっても重大なことで、「事態を一刻も早く沈静化させ、ホルムズ海峡における航行の安全、エネルギーの安定供給を確保することの重要性を確認しました」などという出来の悪い評論家的なことを言って済む状況ではないのだ。
高市は「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」だと発言したようだが、トランプ大統領を持ち上げているのはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と高市首相くらいだろう。
現在、トランプ大統領の愚かな行為のため、世界は経済危機へ突入しつつあり、核戦争の可能性も高まった。イランのミサイルやドローンを使った反撃でテル・アビブやハイファのようなイスラエルの主要都市や軍事施設は壊滅的な打撃を受けている。
イランを攻撃しているアメリカ軍に基地の使用を認めることは侵略への加担になるとイラン政府は主張、そうした基地のあるペルシャ湾岸の「親米国」は攻撃のターゲットになっている。戦争が長期化すると重要度が高まりそうなディエゴガルシア島は今のところイギリス領ということになっている。そこで、イランはイギリスにも矛先を向けている。日本にあるアメリカ軍基地がイラン攻撃に使われるような事態になれば、日本も攻撃対象と見做されるだろう。
また、ここにきてイラン領空に侵入していたアメリカ軍のF-35戦闘機にイランの防空ミサイルが命中したが、その前に複数のKC-135空中給油機が破壊され、イランの極超音速ミサイルによる攻撃を受けたアメリカ海軍の空母エイブラハム・リンカーンは現在、イランから1100キロメートル離れたオマーン沖に停泊。船内で大規模な火災が発生した空母ジェラルド・R・フォードは修理のため、クレタ島へ向かったと伝えられている。
アメリカやイスラエルによる攻撃を想定して報復の準備を進めていたイランにはまだ余裕があるが、数日でイランは屈服すると考えていたアメリカやイスラエルは窮地に陥っている。長期戦の準備ができていないのだ。こうした事態をアメリカの軍や情報機関は予見し、イラン攻撃を思いとどまるよう大統領にアドバイスしていたようだが、それは拒否された。
アメリカのNCTC(テロ対策センター)の長官を務めていたジョー・ケントは3月17日、「良心に照らして、現在進行中のイラン戦争を支持することはできない」として辞任した。
ケントは辞任後、タッカー・カールソンのインタビューに応じ、その中でイランはアメリカに差し迫った脅威を与えていなかったと主張、「この戦争はイスラエルとその強力なアメリカロビーからの圧力によって始まったことは明らかだ」と語っている。ケントによると、昨年6月までトランプは中東での戦争について、「アメリカから愛国者の尊い命を奪い、国の富と繁栄を枯渇させる罠であることを理解していた」という。
すでにトランプ大統領が始めたイランとの戦争は核戦争の危機を高めているだけでなく、世界経済を破壊し始め、アメリカに住む人びとにもその痛みが及び始めている。オマーンのバドル・ビン・ハマド・アル・ブサイディ外相はエコノミスト誌に寄稿したエッセイの中で、アメリカの友好国はアメリカを不法な戦争から救い出すために支援しなければならないと主張している。
アル・ブサイディによると、9ヶ月の間に2度、アメリカとイランはイランの核開発計画とそれが兵器開発計画になりえるというアメリカの懸念について、真の合意まであと一歩のところまで迫っていたという。
アメリカとイスラエルがイランを奇襲攻撃したのは最も実質的な協議からわずか数時間後のことだったともしている。その協議内容を検討するためにアヤトラ・アリ・ハメネイ師をはじめとするイランの指導者たちが集まり、トランプ政権とネタニヤフ政権それを狙って攻撃したのだろう。
イランが隣国領内のアメリカ軍基地を報復攻撃の対象にすることは遺憾だが、避けられないものだったとアル・ブサイディ外相は判断している。「イスラム共和国の終焉を目的とした戦争」に直面したイランの指導部にとって、報復攻撃はおそらく唯一合理的な選択肢だったというのだ。
こうした常識的な意見をオマーンのような親米国の外務大臣が書いたことは興味深いが、それだけでなく、意見を表明したエコノミスト誌がロスチャイルド家の雑誌だということも注目されている。ウラジミール・ジャボチンスキーが創設した「修正主義シオニスト世界連合」を信奉する人びとからトランプとネタニヤフの戦争は支持されるのだろうが、それ以外の人びとは苛立っているようだ。そのトランプに高市はホワイトハウスで媚を売った。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。