植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
1つ目の記事では、
高市首相は先の衆院選で自民が圧倒的多数の議席を獲得したことで独裁者になった気分かも知れないが、しょせんは「張り子の虎」ですぐに馬脚を現すことになるとして、衆院選の勝利は小選挙区制の「選挙制度マジック」によるものと述べます(実際に「35%の得票率で70%の議席を占有できる」と当初から言われていた欠点が確認されました)。
そして高市内閣が発足してから実行した「実績」は、「台湾有事発言」と「バラマキ補正予算編成」二つだけで、前者はこれまでの日中平和友好関係を構築した外交の蓄積を破壊する発言で、後者はいまは「財政支出をスリム化しなければならない局面にある」のにそれを破壊し、放漫財政に逆戻りさせたと指摘します。
そして税収の年額が20兆円も「上振れ(自然増)」しているということは、10年で200兆円の巨大増税になっていることを意味するので、高市内閣がすべきことはそれを国民に還元することだと述べます。
そして記事の最後のところで「『サナエトークン』をめぐる巨大疑惑が浮上した」と記しました。これはごく最近起きたことで金融庁が動き出した段階なので、ご存知ない方が殆どだと思われます(メルマガ版では説明されています)が、もう少し概要がわかると動画などで取り上げられると思います。
関連記事を追記します。
【徹底解説】話題の仮想通貨「サナエトークン(SANAE)」とは?政治×Web3の最前線で何が起きているのか
2つ目の記事では、
トランプはイランのハメネイ師などの殺害やイランの空爆に「国際法は必要ない」と明言し、米軍最高司令官としての判断は「自らの道徳観にのみ制約される」と表明したことに、「これほど危ういことはない」と述べます。
この完全なる国際法、国連憲章への違反に対して、高市首相が米国の国際法違反、国連憲章違反を批判しないのは、日本が米国の植民地なので宗主国の行為を批判できないのだと指摘し、強大国の「力による現状変更」を容認するなら、日本自体が強大国による「力による現状変更」の犠牲になるときに、強大国を非難できないことを忘れるべきでないと述べます。
とこで日経平均先物価格は2月26日からわずか3日間の取引で5千円超も急落しました。
史上最高の支持率から発足した高市内閣も支持率の急降下が想定を超えるスピードで進行する可能性があると指摘します。
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沙羅双樹の花の色
植草一秀の「知られざる真実」2026年3月5日
事態は急激に変化する。
高市首相は2月8日の衆院総選挙で自民が圧倒的多数議席を獲得したことで独裁者になった気分にあると推察されるが、しょせんは「張り子の虎」。すぐに馬脚を現すことになる。
選挙も自民が多数議席を獲得したのは「選挙制度マジック」によるもの。
自民の比例代表選得票率は36.7%。全有権者を分母にした「絶対得票率」は20.4%。
主権者の5人に1人しか自民に投票していない。
だが、自民が獲得した議席は候補者不足での取りこぼしがなければ465議席分の330議席。
衆議院議席定数の71%の議席を占有した。
候補者不足で14議席が他党に流れたため実際の獲得議席は316だったが、それでも議席占有率は68%。自民単独で衆院議席定数の3分の2を超えた。
この圧倒的多数議席をもたらした主因が選挙制度にある。
全議席を比例代表の得票率で案分すると自民獲得議席は171。過半数の233にも遠く及ばない。これが民意を正確に反映する自民党議席数である。
圧倒的多数議席を獲得した主因は「選挙制度マジック」にある。
高市内閣が発足したのは昨年10月21日。内閣発足から4ヵ月半しか経過していない。
実績はゼロに等しい。高市氏を党首に選出した自民党党首選では「解党的出直し」が叫ばれた。
自民は「政治とカネ」で解党の危機に直面した。
高市新体制の出発には「政治とカネ」への抜本対応が置かれるべきだった。
しかし、高市氏は「政治とカネ」への対応を闇に葬った。完全な「ゼロ回答」。
メディアの集中砲火を浴びる局面だったが、なぜかメディアがスルー。逆に高市礼賛報道に徹した。これが不可解な高支持率を生み出す原動力になった。背景は米国傀儡である。
高市内閣が発足してから実行した「実績」は二つだけ。
「台湾有事発言」と「バラマキ補正予算編成」。
「台湾有事で戦艦が使われ、武力行使を伴うなら存立危機事態」と述べた。
米軍が展開し、戦艦が使われ、武力行使を伴うなら、日本は米国と共に中国と交戦状態に入るとの見解表明だった。
これまでの日中平和友好関係を構築した外交の蓄積を破壊する発言だった。
中国が激怒して対抗策を提示し、日本経済にこれから深刻な影響が広がる。
政策運営での唯一の実績は〈バラマキ補正予算編成〉。
日本財政は2020年度に空前絶後の超バラマキ財政を実行したため、財政支出をスリム化しなければならない局面にある。25年度当初予算までは財政支出スリム化が実行されてきたが、高市内閣がこれを破壊した。放漫財政に逆戻りさせた。
財政政策で対応すべきは税収年額の20兆円上振れの国民への還元。
消費税率を5%に引き下げれば、国・地方合わせて15兆円減税になる。まずは消費税率を5%に引き下げることが優先されるべきだが、高市内閣は減税には冷淡である。
食料品税率ゼロを2年限りで実施することが検討されるが、合計で10兆円にしかならない「しょぼい減税」。
自然増収が20兆円規模だから、こちらは10年で200兆円の巨大増税を意味する。
高市内閣の実績はこれしかない。
自民が少数の国会では台湾有事発言と統一協会との関係を厳しく追及されることが想定された。
この疑惑を隠すために正統性のない衆院解散に突き進んだと言える。
統一協会との金の流れについて説明が行われていない。
さらに、「サナエトークン」をめぐる巨大疑惑が浮上した。
「張り子の虎」の地金が露わになるのに長い時間を要することはないだろう。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4355号
「サナエトークンと高市事務所の関係」 でご高読下さい。
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(追記)
【徹底解説】話題の仮想通貨「サナエトークン(SANAE)」とは?政治×Web3の最前線で何が起きているのか
けんけん 2026年3月3日 09:02
いま、日本の仮想通貨(暗号資産)界隈を騒がせている一つのプロジェクトがあります。その名も**「サナエトークン(SANAE TOKEN)」**。
2026年2月25日に突如としてリリースされたこのトークンは、発行直後に価格が一時30倍に急騰するなど、ミームコイン的な熱狂を巻き起こしました。しかし、その一方で現職首相の名前を冠していることから、法的・倫理的な議論、さらには首相本人が関与を否定する声明を出すなど、異例の事態に発展しています。
本記事では、サナエトークンの正体と、今まさに起きている騒動の本質を詳しく解説します。
1. サナエトークン(SANAE)とは何か?
サナエトークンは、Solana(ソラナ)ブロックチェーン上で発行された暗号資産です。
発行元: NoBorder DAO(溝口勇児氏らが主導)
プロジェクト名: 「Japan is Back」の一環として展開
コンセプト: 民主主義をアップデートするための「インセンティブトークン」
運営側は、YouTube番組等のコミュニティから生まれた「民主的に選ばれたリーダーを象徴する名称」として「サナエ」を選定したと説明しています。つまり、高市早苗首相をモチーフにした、いわゆる「PolitiFi(Politics + Finance)」と呼ばれる政治テーマのコミュニティトークンに分類されます。
2. なぜこれほど話題(炎上)しているのか?
リリース直後から、サナエトークンは多方面で注目を集めました。その理由は主に3つあります。
① 価格の爆発的な高騰
発行初日に価格が初値の21倍〜30倍にまで跳ね上がりました。ミームコイン特有の「波に乗れば儲かる」という投機的な期待感が、多くの投資家を呼び込みました。
② 高市首相による異例の「全面否定」
2026年3月2日、高市早苗首相は自身の公式X(旧Twitter)にて、このトークンについて**「全く存じ上げない」「何らかの承認を与えたこともない」**と、関与を完全に否定する注意喚起を行いました。 これにより、プロジェクトの信頼性に対する疑問が噴出し、価格は急落。SNS上では「無断利用ではないか」という批判が強まりました。
③ トークノミクスの懸念
技術的な側面からも、専門家から懸念の声が上がっています。
保有の偏り: 供給量のうち、リザーブ(運営保有分)が65%超を占めていると指摘されており、運営の売却によって価格が崩壊するリスクが高いとされています。
ブラックリスト登録: 一部のトークンプラットフォームでは、既に「要注意銘柄」としてブラックリストに登録されているとの情報もあります。
3. 投資家が知っておくべきリスク
サナエトークンは、一般的なビットコインやイーサリアムとは性質が大きく異なります。
政治的リスク: 本人が公認していない以上、今後の法的措置やプラットフォーム側での規制が強まる可能性があります。
流動性の欠如: 分散型取引所(DEX)での取引が主であり、一度売りが殺到すると、希望の価格で売却できなくなる「プライスインパクト」が発生しやすい構造です。
ミームコインの宿命: ファンダメンタルズ(基礎的な価値)に基づかないブームであり、関心が薄れれば価値がゼロになる可能性も否定できません。
4. まとめ:日本のWeb3市場への影響
サナエトークン騒動は、日本のWeb3市場における「政治家や有名人のパブリシティ権」と「トークン発行の自由」という難しい課題を突きつけました。
「民主主義をアップデートする」という崇高なスローガンを掲げていても、その実態が不透明であったり、名前を借りただけの投機的なスキームであれば、市場の信頼を損なう結果になりかねません。
暗号資産の世界は、魅力的なチャンスに溢れていますが、その分だけ慎重な情報収集が求められます。
米国暴挙諫められない高市首相
植草一秀の「知られざる真実」 2026年3月 3日
筆者が執筆する会員制レポート『金利・為替・株価特報』https://uekusa-tri.co.jp/report-guide/ では、2026年のキーワードを「陽極まれば陰に転ず」としてきた。株価も高市内閣も「陽の極み」が謳歌される状況が生み出されてきたが、「陽の極み」に衰退の兆しが忍び込むことを見落とせない。
米国のトランプ大統領は「国際法は必要ない」と明言。米軍最高司令官としての判断について「自らの道徳観にのみ制約される」と表明した。これほど危ういことはない。
主権国家に対して一方的に軍事侵略を行い、国家元首を拉致する、暗殺する。
完全なる国際法、国連憲章違反。国際社会は米国の暴挙を糾弾しなければならない。
ところが、高市首相は米国の国際法違反、国連憲章違反を批判しない。日本は米国の植民地であるから、宗主国の行為を批判できないのだ。
米国はイランに核開発疑惑があり、イランの対応が不誠実なものであったから軍事侵略を行ったとする。
現在の国際社会では核兵器が戦勝国=P5によって独占保有されている。P5以外の国は核兵器の保有を許されない。これがNPT(核拡散防止条約)体制。P5の核兵器独占保有を認め、P5以外の国の核兵器保有を認めない。完全なる不平等条約だ。
イランはP5でないから核兵器を持たせない。そのイランが核廃棄の指令に従わないから武力侵攻したという。イランに対する軍事侵略を実行したのは米国とイスラエル。
問題はイスラエル。実はイスラエルは歴然たる核兵器保有国である。イスラエルの核保有は公然の秘密。このイスラエルの核武装を容認してイランの核開発疑惑を糾弾するのはダブルスタンダード。
国際法および国連憲章違反の「イランに対する軍事侵略」を日本は糾弾する必要がある。
ところが、高市首相は米国の国際法および国連憲章違反を批判しない。
強大国が「力による現状変更」を遂行するときに、これを容認するなら、日本自体が強大国による「力による現状変更」の犠牲になるときに、強大国を非難できない。このことを忘れるべきでない。
日経平均株価は日本企業の利益拡大期待から59332円の水準まで高騰した。
6万円の大台も視界に入る水準にまで上昇した。
しかし、米国によるイラン軍事侵略によって急落に転じている。
イランはホルムズ海峡封鎖を宣言。日本が輸入する原油の9割がホルムズ海峡経由。
原油等の輸入に重大な支障が生じることになる。
米国とイスラエルによるイラン軍事侵略に対してイランが反撃を始動させた。
米国のトランプ大統領はイラン戦争終結に数週間の時間を要するとの見通しを表明している。
世界経済の先行きは急激に不透明化している。
経済情勢の混迷を受けて内外株式市場で株価下落の反応が広がっている。
日経平均先物価格は3月3日の取引で54000円水準にまで急落。
2月26日の59332円からわずか3日間の取引で5000円超も急落している。
史上最高値から発足した高市内閣の急降下が想定を超えるスピードで進行する可能性がある。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4354号
「高市首相に忍び寄る凋落の影」 でご高読下さい。
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(後 略)