植草一秀氏が掲題の2つの記事を出しました。
(1番目の記事)
これまで日本外交は「日米同盟」と「日中友好」の二つを基軸として来ました。
ところが政府が4月に公表する「外交青書」の原案が自民党部会等で公表されましたが、それによると、中国との関係については、これまで「最も重要な二国間関係の一つ」としていたものを「重要な隣国」に変更する方針が示され、悪化した日中関係については「(中国が)日本に対して一方的な批判や威圧的措置を強めている」と表現しているということです。
これは中国を敵視してきた高市首相の11月7日の衆院予算委での発言が引き起こした「中国との関係悪化」について、「高市氏に非はなく中国側が一方的に悪い」と主張するものに他なりません。
それは勿論事実に反していて、日中関係悪化の「原因」はこれまで植草氏が繰り返し説明してきたところです。詳細は本文をご覧ください。
植草氏はまた、「(改めて)米国は信頼に足る存在なのか」を考えると米国のイラン軍事侵攻は明白な国際法違反、国連憲章違反であって、逆に「日米同盟基軸は日本の平和と繁栄を危うくするものでしかない」と述べます。
(2番目の記事)
そもそもすべての国民から搾り取る消費税は逆進性があり、特に所得の少ない階層にとって最も過酷であり、生存権を侵害しています。
財務省はこれに対応するためとして「給付付き税額控除制度」の導入を検討していますが、支払う税金がない人にはこの恩恵はありません。そこで所得の少ない人に対しては逆に税額控除額を給付するとしていますが、問題は税額控除の規模で、税額控除が不十分であれば中所得層以下の階層での大きな負担軽減になりません。またその導入が消費税増税の口実にされる可能性が極めて高く、それが真の意図ではないかと見られます。
植草氏は、「最重要の事実は日本の税収が激しく上振れしたことで20年度に60・8兆円だった一般会計国税収入が25年度には80・7兆円に増加し、年額で20兆円もの自然増収が生まれた。従って20兆円規模の恒久減税を実施できるとして、いま直ちに実施するべき施策は消費税率の5%への恒久引き下げでありそのインパクトは大きい」と訴えます。
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外交青書で逆ギレする日本
植草一秀の「知られざる真実」 2026年3月25日
日本外交が基軸としてきたものが二つある。
第一は日米同盟。
第二は日中友好。
これを車の両輪としてきた。私は日米同盟基軸に反対。それはともかく、二つが基軸とされてきたことは紛れもない事実だ。だが、高市首相は意図して日中友好を破壊した。著しく愚かなこと。
日米同盟を基軸にするというが、その米国は信頼に足る存在なのか。
日本経済新聞は「イラン軍事衝突」と表現するが、ウクライナのときにはどう表現していたのか。「ウクライナ軍事侵攻」と表現していたのではないか。
事態の経緯を正確に辿るなら正しい表記は逆だ。
「ウクライナ軍事衝突」であり「イラン軍事侵攻」だ。
米国のイラン軍事侵攻は明白な国際法違反、国連憲章違反である。
イランの最高指導者を虐殺した際、イランの民衆が歓喜して体制を転換すると豪語していたが、そのような現実は生じていない。米国が一方的にイランに軍事侵略しただけだ。
この軍事侵略したトランプ大統領に対して「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と述べるのは狂気の沙汰。日米同盟基軸は日本の平和と繁栄を危うくするものでしかないと言える。
政府が4月に公表する「外交青書」の原案が自民党部会等で公表された。
中国との関係についての表現を変更する案が示された。
これまで「最も重要な二国間関係の一つ」としていたものを「重要な隣国」に変更する方針が示された。悪化した日中関係について、「(中国が)日本に対して一方的な批判や威圧的措置を強めている」とする。
同時に日本は「中国との様々な対話についてオープンであり、扉を閉ざすようなことはしていない」とする。「盗人猛々しい」とはこのこと。
昨年11月7日の衆院予算委員会での高市首相発言の正否を明確にすべきだ。
本ブログ、メルマガで指摘してきたように、発言を精密に検証すれば、「高市発言に非がある」以外の評価は成り立たない。
これまで示してきた評価を論破する説明を見たことがない。
メディアが提示する説明はすべて歪んだものだ。
11月30日メルマガ記事「保存版「高市大政翼賛メディア」」https://foomii.com/00050 に詳しい。
1972年の日中共同声明で日本政府は「一つの中国」を承認し、「台湾が中華人民共和国に返還されること」を論理的に認めた。
神田外語大学の興梠一郎氏は「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」とする中華人民共和国の立場に関する日中共同声明の文言について、
「『理解して尊重』ですから『承認』してないんですよ。要するに承認って言ってないんですよ、法的に」と述べた。これがテレビ放送でそのまま流された。
しかし、共同声明の肝の部分はこれに続く記述。「ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」この表記により台湾の中華人民共和国への返還を日本政府が認めるとの意味が成立する。
歪んだ情報しか流布させない日本の大政翼賛会。日本はけもの道を突き進む。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4375号
「非を認めぬ品格なき首相」 でご高読下さい。
この機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をぜひお願いします。
https://foomii.com/00050
(後 略)
給付付き税額控除制度の罠
植草一秀の「知られざる真実」 2026年3月27日
消費税減税阻止を狙う勢力が二つある。
第一は財務省。財務省は消費税増税を財務省基本戦略の中核に据えている。
財務省の基本は大企業と富裕層の優遇。
理由は大企業と富裕層が財務省への利益提供者であること。財務省の利益とは天下りの確保である。
富裕層は大企業の株主。大企業と富裕層を優遇すると財務省へのキックバックが拡大する。
他方、財務省の利益供与の方策がもう一つある。利権財政支出だ。
大企業に対する補助金、財政支出が大企業に対する利益供与になる。
税についての財務省基本戦略は消費税制・大企業優遇税制・金持ち優遇税制である。
他方、財政支出に関する基本戦略は 利権財政支出の拡大と社会保障支出の削減 になる。
消費税はすべての国民から搾り取る税。江戸時代の年貢と同じ。
「庶民と油は搾れるだけ搾れ」これが財務省の税基本戦略。
所得の少ない階層にとって最も過酷な税が消費税。生存権を侵害している。
これに対応するために給付付き税額控除制度導入が検討される。支払う税金を差し引くのが税額控除。しかし、支払う税金がない人はこの恩恵を受けられない。
そこで、所得の少ない人に対しては逆に税額控除額を給付する。悪い制度ではない。
しかし、大きな問題が二つある。
第一は税額控除の規模。税額控除が十分でなければ中所得層以下の階層での大きな負担軽減にならない。
第二は「給付付き税額控除制度」導入が消費税増税の口実にされる可能性が高いこと。
二つの問題点は正鵠を射ていると思う。かたちばかりの「給付付き税額控除制度」を導入して、これを口実に消費税増税に突き進む可能性は極めて高い。
「給付付き税額控除」を適正に機能させるには正確な所得捕捉が必要。
しかし、現状では所得の種類によって所得の捕捉に大きなばらつきがある。
給与所得者は1円単位まで所得=収入が捕捉されるが自営業者などの場合は収入の捕捉が不完全だ。
そんなことより、まずはやれることをやるべきだ。
最重要の事実は日本の税収が激しく上振れしたこと。
2020年度に60.8兆円だった一般会計国税収入が2025年度に80.7兆円に増大した。20兆円もの自然増収が生まれた。累計で20兆円ではない。年額で20兆円の税収上振れが生じている。
したがって20兆円規模の恒久減税を実施できる。
この最重要事実がまったく指摘されない。いま直ちに実施するべき施策は消費税率の5%への恒久引き下げ。インパクトは大きい。この必要性を強く訴える。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4377号
「新聞と財務省が減税潰しで画策」 でご高読下さい。
(後 略)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。