2026年3月2日月曜日

国民生活を人質に国会形骸化 予算審議を急がせる高市自民党の言語道断

 日刊ゲンダイに掲題の記事が載りました。
 高市自民党は、野党の準備が整う前に打って出た抜き打ち解散で自民大勝という結果られた勢いに乗って、強引に年度内に予算案を成立させようとしています。中道改革連合の小川淳也代表は24日の代表質問で「必要な審議を省略してまで、何が何でも25年度内成立に固執することはない」と指摘しましたが、高市は「国民生活に支障が生じないよう予算案を年度内に成立するよう国会審議に対応していきたい」と、あくまで早期成立を目指す考えを示しました
 来年度予算案は一般会計の歳出総額が122兆円超にも上るもので、国の借金である国債の利払いや償還に充てる国債費31兆円超初めて30兆円を超えた)になったのは高市の発言や「責任ある積極財政」方針による財政悪化懸念から長期金利が上昇利払いが拡大したからです。「倍増」を決めた防衛費も9兆円超と過去最大になりました。
 そもそも高市の経済政策は独りよがりのもので疑問符だらけです。国民はいま猛烈な物価高に悲鳴を上げています。そのなかでも庶民が熱望しているのはコメ価格高騰に対する対策ですが、それはいまだに「皆無」のままです。予算委でそうした問題を衝かれたくないがために予算案を年度内に通そうというのは余りにも姑息で無責任です。
 慶大名誉教授の金子勝氏(財政学)は「一番の問題は、高市首相が予算の『単年度主義』をかなぐり捨てようとしていること。施政方針演説では『複数年度予算や長期的な基金による投資促進策を大胆に進める』と言ったのは。特別会計や基金にカネを積み上げ単年度のチェックをくぐり抜けようというわけです。今後、トランプ米国の求めに応じて防衛費をGDP比3.5%に引き上げる場合、必要な財源は約24兆円。財源について、国会でチェックさせない状況をつくろうとしているのです。国会の形骸化に他ならず、財政民主主義にもとる。決して許してはなりません」と警鐘を鳴らしています。
 高市氏は予算問題を早く切り上げて、軍国主義化に向けて憲法をはじめとする反動諸法制の立法を急ぎたいのでしょうが、国民はそんな要求は持ってはいません。
 国民の要求は無視して、トランプに迎合することだけしか眼中にないであれば、そんな政治は早々に国民から「ノー」を突きつけられて、一挙に高市氏の仮面は剥がされることになります。
 時あたかもトランプはついに国際法違反の無通告のイラン攻撃を行い、イランも時を置かずに反撃を開始しました。既にホルムズ海峡は封鎖されたので、原油や液化天然ガス(LNG)などの輸送に障害が生じ、世界経済に及ぼす影響は甚大です。高市氏は空論に奔るのは止めにして、国民の生活の安定化に真剣に取り組むべきです。

 併せて同紙の記事:「媚びる高市はいいカモだ アホみたいな日米交渉、リスクだらけの日米同盟」を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
国民生活を人質に国会形骸化 予算審議を急がせる高市自民党の言語道断
                          日刊ゲンダイ 2026/02/25
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 数で圧倒する高市自民党が予算審議を急がせているが、疑惑まみれの政権が国会を形骸化し、「危険法案」の成立に邁進する魂胆がミエミエだ。身勝手な選挙を棚に上げて、国民生活を人質に審議を急がせる「作り笑いの独裁首相」はあまりにも危険だ。
  ◇  ◇  ◇
 何とも言えない「作り笑い」の裏側に、トンデモナイ思惑が潜んでいるのかもしれない。高市首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党の代表質問が24日、衆院本会議で始まったが、身勝手すぎる発言に違和感を覚えた国民もいるのではないか。
 今年の通常国会は1月23日に召集され、本来、来年度予算案は同月中にも審議入りするはずだったが、高市の唐突な解散総選挙で約1カ月も後ろ倒し。審議日程がタイトになってしまった。それもこれも全ては高市の自己チューのせい。野党の準備が整う前に打って出た抜き打ち解散で、自民大勝という結果を得たわけだが、熟議をすっ飛ばし、数で圧倒して予算審議を急がせているのだから許しがたい。
 中道改革連合の小川淳也代表は24日の代表質問で「必要な審議を省略してまで、何が何でも25年度内成立に固執することはない」と指摘。ところが、高市は「国民生活に支障が生じないよう野党の皆さまにもご協力をお願いしつつ予算案を年度内に成立させていただけるよう、国会審議に対応していきたい」と、あくまで早期成立を目指す考えを示してみせた。
 まるで、「国民生活が大事だと思うなら野党は協力しろ」と言わんばかり。国民生活を人質に審議を急がせるなんて、盗人猛々しいにもほどがあるだろう
 そんなに早期成立を目指すべきと思うなら、解散よりも審議を優先させるべきだったのは言うまでもない。解散するにしても、3月末の予算成立後に信を問うべきだったはずだ。

最大の問題は「単年度主義」の排除
 そもそも、来年度予算案は一般会計の歳出総額が122兆円超にも上る。2年連続で過去最大の規模となっている。テキトーに審議して「ハイ、じゃあこれで行きましょう」と右から左に流せるような額ではないはずだ。
 額だけじゃない。中身もそうだ。借金である国債の利払いや償還に充てる国債費は31兆円超で、30兆円を超えたのは初めてのこと。高市の「責任ある積極財政」による財政悪化懸念から長期金利が上昇傾向で、利払いが拡大したからだ。
 さらに、医療や年金などの社会保障関係費は、深刻な少子高齢化で39兆円を超えた。GDP比2%への「倍増」を決めた防衛費も9兆円超と、いずれも過去最大である。
 高市の経済政策に疑問符が付き、「静かなる有事」である少子高齢化は待ったなし。周辺諸国を刺激しかねない防衛費倍増と、問われるべき課題は山積している。言うまでもなく、足元で国民は猛烈な物価高に悲鳴を上げている状況だ。この重大なタイミングで、予算審議にかける時間を「短縮」しようとは、どういう了見なのか。
 慶大名誉教授の金子勝氏(財政学)はこう言う。
「審議時間はもちろん大事ですが、より重要なのは予算案のどこに問題があるかを的確に把握した上で議論することです。一番の問題は、高市首相が予算の『単年度主義』をかなぐり捨てようとしていること。施政方針演説では『複数年度予算や長期的な基金による投資促進策を大胆に進める』と言った。特別会計や基金にカネを積み上げ単年度のチェックをくぐり抜けようというわけです。今後、トランプ米国の求めに応じて防衛費をGDP比3.5%に引き上げる場合、必要な財源は約24兆円。官民で行うとされる85兆円規模の対米投資でも国の歳出が必要になる可能性がある。高市首相はそれらの財源について、国会でチェックさせない状況をつくろうとしているのです。国会の形骸化に他ならず、議会制民主主義にもとる。決して許してはなりません」

「戦争できる国」に一瀉千里
 高市が国会審議をすっ飛ばしたい理由は他にもある。ひとつは「疑惑隠し」だ。
 週刊文春の報道で、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)から高市側にカネが流れた疑いがあることが分かっている。既に教団の内部文書「TM特別報告書」に、高市の名前が32回も登場し〈高市氏が自民党総裁になることが天の最大の願いである〉と記されていることが分かっている。その他、多くの自民議員の名前が文書に記載されていることも明らかになっている。予算委員会でこれらの疑惑を追及されたらたまらない──、だからあえてスピード審議を求めているというのだ。
「総理は昨年の臨時国会の予算委員会で野党議員からたびたび質問され『自分ばかり答弁を求められる』と不満を漏らしていたそう。とにかく、一問一答の予算委で集中的に追及されることを嫌がっている。周囲には『予算に直接関係しない質問は、予算審議の中でやらなくてもいいのでは。予算成立後でも時間がとれるはず』と漏らしているほどだといいます」(官邸事情通)
 もうひとつは、自らの野心のためだ。予算成立後に、9条への自衛隊の明記などを実現する憲法改正と、男系男子による皇位継承の維持に向けた皇室典範の改正である。
「総理は、衆院選を経て野党から奪い返した衆院憲法審査会長ポストに、側近の古屋圭司前選挙対策委員長を充てました。古屋さんは党の憲法改正実現本部長を務め、改憲議論を主導させるのにうってつけの人事。皇室典範に関しては、改正議論に影響力のある衆院議長に、やはり改正意欲がある麻生副総裁の子飼いである森英介衆院議員を就けた。今国会で、一歩でも二歩でも前進させる狙いがあるのでしょう」(同前)

国民は騙されてはダメ
 しかし、改憲や皇室典範の改正をいま、どれだけの国民が求めているだろうか。大手メディアの世論調査で、イの一番に国民が求めているのは、物価高対策と経済対策。改憲も皇室典範改正も、国民が喫緊の課題ではないと考えているのは明らかだ。
 それでも高市は、特に敬愛する安倍元首相が成しえなかった改憲について強いこだわりを持っているのは明らかだ。今後、「1強」の下で高市は、国会を形骸化し「危険法案」の成立に邁進するに違いない。
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「高市首相が、防衛費の拡大をはじめとした安保政策に手を付けてくるのは間違いないでしょう。加えて、日本版CIAと呼ばれる『国家情報局』の設置、戦前の治安維持法の再来であるスパイ防止法、『表現の自由』にもとる日本国国章損壊罪の制定で、国民を監視し、世論を誘導する。改憲もしかりですが、彼女の言動を見ていると、日本を『戦争できる国』につくり替えようとしているとしか思えず言語道断です。どうも、国民は高市首相に強烈なリーダーシップを感じているようですが、気を付けるべきでしょう。抜き打ち解散も予算案審議の短縮も、全ては高市首相の身勝手。国会軽視もはなはだしい状況で、気付けば日本は戦争国家になりかねない。メディアも国民も注意しなければなりません」
 最終的に痛い目を見るのは国民だ。「作り笑いの独裁首相」の本性に目を凝らすべきである。


媚びる高市はいいカモだ アホみたいな日米交渉、リスクだらけの日米同盟
                          日刊ゲンダイ 2026/02/24
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 二転三転、いよいよトチ狂ってきたトランプ関税だが、日本はすり寄り、貢ぎ、媚びるのか。デタラメ対米投資などは白紙撤回が当たり前。日米同盟機軸も見直しが急務。高市と官邸官僚の媚態外交は亡国の道。
  ◇  ◇  ◇
 どこまで正気なのか。いよいよトチ狂ってきた米国のトランプ大統領に世界が翻弄されている。
 米国の連邦最高裁が20日、トランプが国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に発動した相互関税、いわゆる「トランプ関税」について違法と判断。するとトランプは、すぐさま別の法律を根拠にした新たな関税を導入すると発表した。
 通商法122条に基づき、全世界に一律10%の関税を課すというのだ。さらに翌日には、これを15%にすると言い出した。
 世界一律の新たな10%関税は24日午前0時1分(日本時間の午後2時1分)に発効するが、15%への引き上げ時期は不明。また、この新たな一律関税には議会の追加承認が必要で、とりあえずは150日間の暫定措置だ。その間に、通商法301条に基づく別の関税を導入するとトランプは吠えている。
 自慢のトランプ関税に違憲判決が下された焦りなのか、何としても自分の力を誇示しないと気が済まないのか知らないが、この二転三転では、マトモに相手をしているのがアホらしくなるレベルだ。
 大統領が発表したことが翌日にはどうなっているか分からないのだから、対応のしようがない。各国が当面の様子見を決め込むなか、相変わらず米国に追従するのが日本なのである。
 22日のフジテレビの番組に出演した自民党の小野寺税調会長は、トランプの新たな関税の発表について「ムチャクチャだ」「混乱だけが残る」と、珍しく米国のやり方に異議を唱えていた。「同盟国として、ますます米国離れが進むのではないかと心配している」とも言っていたが、関税を巡る日米合意を見直すべきかどうかについては、「慎重に議論するべきだ」とトーンダウン。高市首相の訪米を来月に控え、トランプの機嫌を損ねたくないのだ。

米国ではなく国内に投資しろ
「昨年の日米関税交渉で合意した5500億ドル(約85兆円)の対米投資は、トランプ政権の相互関税を引き下げてもらうための取引でした。その前提が違憲と判断されたのだから、白紙撤回は当然です。それなのに、日本政府は予定通りに対米投資を実行していくという。高市首相は『成長のスイッチを押しまくる』と言い、国内投資を増やすと宣言しているのだから、その85兆円を国内投資に回せばいいじゃないですか。高市首相や周囲の官邸官僚は、安倍元首相の手法をなぞれば政権は安泰だと考え、来月の訪米で日米蜜月を演出できれば長期政権の足がかりになると考えているのでしょうが、当時とは国際環境が違う。ヨーロッパ諸国は米国抜きで成り立つ経済圏の構築に動き出しています。日本が相変わらず米国一辺倒では取り残されるし、高市首相が国賓待遇の訪米ではしゃぐ姿を見せれば、世界の笑いものになりかねません」(国際ジャーナリスト・春名幹男氏)
 すでに対米投資の第1弾として、オハイオ州でのガス火力発電所開発やメキシコ湾で原油積み出し港の整備など総額約360億ドルの出資が決まっている。どう見ても、投資というより、日本のカネを使った米国のインフラ整備だ。来月19日の訪米では、第2弾を手土産に持っていくことになる。
 スイスに拠点を置く貿易研究機関のグローバル・トレード・アラート(GTA)によれば、トランプの新たな一律関税で、ブラジルや中国、カナダなど集中的に通商圧力を加えられてきた国は関税率が低下する一方、欧州や日本、韓国などは追加的な負担を抱える可能性があるという。
 追加負担を抱えてもなお貢ぎ続けるなんて、トランプから見たら高市はホント、いいカモだろう。高市が言う「積極財政」は、米国に対して際限なくカネを出すという意味なのかもしれない。

欧州はトランプの米国から距離を置き始めている
 高市の米国への媚び具合は、先般の衆院選でも目に余るものがあった
 トランプが選挙期間中の2月6日に、自身のSNSで高市を称賛。自民と日本維新の会の与党を「完全かつ全面的に支持する」と表明する異例の事態に対し、さすがに大メディアからも「内政干渉」の声が上がったものだが、高市は圧勝を遂げた直後の9日未明にXを更新し、物議を醸したトランプの投稿を引用する形で「ドナルド・J・トランプ大統領の温かいお言葉に心から感謝いたします。今春にホワイトハウスを訪問し、日米同盟の更なる強化に向けて、共に更なる取組を進めることができることを心待ちにしています」と投稿したのだ。
 有権者や党員、スタッフより先に、喜々としてトランプに礼を言うなんて、主権国家のトップとしてどうなのか。
 トランプに媚びることが最優先の首相に国民は高支持率を与えているのか?
「圧倒的多数の議席を得た高市首相が意欲を燃やす安保3文書の改定や非核三原則の見直し、武器輸出の要件緩和などは、いずれも米国のための路線変更であり、日本にメリットはない。国内の支持率が低下しているトランプ大統領は、秋の中間選挙に向けて実績をつくりたいはずです。そういうタイミングで訪米する高市首相は、何をのまされるか分かったものではない。防衛費のさらなる増額は現実的にあり得る話です。しかし、今のトランプは米国の民主主義と世界秩序を破壊しようとしている暴君なのです。先進国が距離を置きつつあるトランプに唯々諾々と従う日本では情けないし、それはトランプの暴政を支援することにもなってしまいます」(春名幹男氏=前出)

イラン情勢も緊迫している
 世界が注視するご乱心は、関税問題だけではない。トランプが数日以内にイラン革命防衛隊の本部やミサイル施設などに攻撃を行う可能性も高まっている。
 米国はいま中東に2隻の空母や最先端ステルス戦闘機、空中給油機、指揮統制機などの戦力を集結させている。2003年のイラク侵攻と同等レベルの最大規模だ。
 26日に予定されているイランの核開発をめぐる3回目の協議が決裂した場合、何が起きてもおかしくない緊迫した状況だ。
 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。
「関税問題やエプスタイン問題などから米国民の関心をそらしたいのでしょうが、トランプ大統領が『力による支配』を前面に出すほどに、ヨーロッパ諸国は距離を置く。ドイツのメルツ首相やフランスのマクロン大統領ら各国の首脳が北京詣でをしているのも顕著な兆候ですし、先日のダボス会議ではカナダのカーニー首相が“反トランプ”ともいえる演説をして拍手喝采を浴びました。こうした世界の潮流に背を向けるように、対米従属一辺倒でトランプ大統領にすり寄っているのは、いまや日本だけと言っていい。時代の変化を読み取れずに媚態外交を続けていれば、それが亡国の道になりかねません。日米同盟のあり方も見直しが必要です」
 トランプべったりで支え続け、世界から孤立しても満面の笑みでピョンピョン跳びはねていられるのならいいが、もはや「強固な日米同盟」はリスクだらけだ。
 関税と武力をカサにきて傍若無人なふるまいを続けるトランプ米国の行く末を世界は生温かく見守っている。