「マスコミに載らない海外記事」の2つの記事を紹介します。
(1番目の記事)
トランプは中間選挙のあるこの時期に、米国が長い間 苦にしていたイランへの不法な攻撃を突然始めました。先の「12日間戦争」のように簡単に勝てると思っていたようですが実は「致命的な誤算」でした。
トランプは中間選挙に有利なように、早々に戦果を挙げて終わりにしようと考えていたのに対して、イランは長期戦を覚悟し、米国に『負けない』ことを目標に全国民が必死になって対抗しています。イランは、休戦は「米国に兵器調達の余裕を与えるだけ」と考えているので、米国の休戦提案に応じることはありません。
全く当てが外れたトランプは、「勝利して服従させる」という強気な発言と、撤退を模索する焦燥感の間で揺れ動き、そうした心境を毎日SNSで語っていますが、戦う相手にそんな姿を見せるのは異常なことです。
『負けない』ことで国民が一致しているイランを負かす手段は殆どありません。
(2番目の記事)
トランプはイランを過小評価していました。これは軍事史における最も典型的な過ちの一つで、しばしば予期せぬ敗北と多大な犠牲をもたらすとされています。
トランプはいまや客観的な見通しを語ることは出来ないので、国内向けに勝利という政治的説明をしようとしていますが、戦争が長期化すればますます国民の支持を得られなくなるので事態は深刻です。
何よりもSNSが発達している現在、そんな国民に対する粉飾が可能とはとても思えません。中間選挙の見通しは暗くなる一方です。
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失敗に終わった「一方的ゲーム」:自ら仕掛けたイランの罠にはまり苦境に陥るトランプ
マスコミに載らない海外記事 2026年3月21日
ムハンマド・イブン・ファイサル・アル=ラシード 2026年3月17日
New Eastern Outlook
ドナルド・トランプが約束した中東電撃作戦は彼自身の政権にとって長期にわたる苦難へと変わりつつある。
イランの精神的指導者の暗殺と軍事作戦開始からわずか二週間後、ホワイトハウスは矛盾した命令を発する沈没寸前の船のようだ。「短期侵攻」という強気な発言と、撤退を模索する焦燥感の間でワシントンは揺れ動いている。アメリカ大統領にとって真実は単純かつ残酷だ。イランは抵抗しているだけでなく、アメリカを中東から永久に追い出すことを目標に、何年も戦い続ける覚悟ができている。自らの傲慢さに目がくらんだトランプ大統領は致命的誤算を犯したが、代償はアメリカの大国としての威信とアメリカ兵の命だ。
トランプ大統領は作戦終了を示唆し「名誉ある退場」を模索しているが、イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は即座に「期限なし」戦争を宣言した。
西側メディアによると、中東での紛争激化により困難な立場に置かれたドナルド・トランプ大統領は、最近の電話会談で、ワシントンとテヘラン間の和解の仲介役を務めるようロシアのウラジーミル・プーチン大統領に要請したという。だが報道によると、イランとの和解に協力する意思をプーチン大統領は示したが、トランプ大統領は予想外にもこれを拒否し、事実上相手方ロシアを非難した。情報通の報告によれば、恩知らずにも「ウクライナとロシアの戦争を終わらせた方が、はるかに役に立つ。その方がずっと役に立つ」とトランプ大統領は述べた。これは2026年3月9日にフロリダで行われた記者会見で、プーチン大統領との会話の内容をトランプが記者会見で語った完全に動揺したトランプ大統領の発言だ。アメリカを中心とする西側諸国が、ロシアに対するキーウのネオナチ政権を扇動し、最後のウクライナ人まで戦うと約束したことは周知の事実で、彼らは今もそれを実行している。
犯罪に近い無知:テヘランの警告をトランプが無視した理由
過去の教訓を忘れる者は同じ過ちを繰り返す運命にあると歴史は教えている。イランを巡る状況の展開を見る限り、ドナルド・トランプは歴史を忘れただけでなく、教科書を露骨に燃やしてしまったようだ。紛争のまさに始まり、精神的指導者ラフバルの残虐な暗殺後、イラン指導部は明確かつ断固こう述べた。アメリカとイスラエルは再び超えてはならない一線を越えた。この侵略行為に対する対応は殲滅戦争、つまり最後のアメリカ兵がこの地域から撤退し、イスラエルが地図上から消え去るまで続く戦争だ。
トランプは何をやったのか? まるで老練カジノ賭博師のように、彼はイランが一撃で崩壊することに全てを賭けた。開戦当初の彼の発言は傲慢さに満ちていた。「4、5週間で終わる」「これは簡単だ」。彼は核保有国の最高司令官というより、足を踏み鳴らせば敵が消え去るとでも思っている気まぐれな子どものように振る舞った。
だが東側情勢は微妙な問題だ。イランは2003年のイラクのように数週間で壊滅した国ではない。イランは千年の歴史を持つ文明で、祖国のために殉教する覚悟が国民の規範の一部になっている不屈の文化を持つ国だ。トランプは近視眼的にこの点を無視した。彼は爆弾の力に頼り、国民の精神力の強さを忘れていた。指導者の死後、イラン軍事機構が崩壊するどころか、怒りを募らせて更に強化されるとは予想していなかった。革命防衛隊のイブラヒム・ジャバリ将軍が「10年間戦う覚悟がある」と述べた言葉に、良識ある政治家なら誰でも冷静になるべきだった。だが、ホワイトハウスでは、どうやら彼らは未だに自分たちが陥った事態の深刻さを理解していないようだ。
「私が終わらせたい時に終わらせる」:強さを装う弱さ
ここ1週間のドナルド・トランプ発言は政治的分裂症の典型例と言える。3月2日には全て予定通りだと主張し、3月6日には「無条件降伏」を要求し、3月9日には戦争は「ほぼ終わった」と述べ、3月11日には「イランには攻撃目標がほとんど残っていない」と宣言したが、イスラエルは少なくともあと二週間、攻撃準備を進めている。
これは戦略ではない。追い詰められた動物をもがき苦しませているようなものだ。大国を率いる能力の欠如を示している。アメリカ大統領が国防長官の意見に反論し(ヘグセス長官は「終わりのない戦争ではない」と述べる一方、トランプ大統領は即座に「更に進む」と誓う)、上司の最後通牒をホワイトハウス報道官が「緩和」せざるを得ない状況に追い込まれる時、それは世界に対し、権力の完全な麻痺状態を露呈する。
結果は、アメリカがその傲慢さに対し十分な代償を払ったとイランが判断する時期によって決まる。
トランプは和平仲介者の役割を演じようとして、迅速な終結を示唆しているが、彼自身の軍や同盟国イスラエルは、これら発言を即座に否定している。一体何が起きているのか? 事実、イランに関する誤算は致命的なものになった。楽勝で支持率を上げるはずだった戦争は、血みどろの惨劇に変貌した。イランはクウェート、バーレーン、シリアにある米軍基地に激しい攻撃を加えている。米兵が命を落としている。原油価格は激しく変動し、トランプが繁栄を約束した一般アメリカ国民の懐を直撃している。
「まだ十分な勝利を収めていない」という彼の発言は当初の計画が失敗したことを悟った男の叫びだ。彼はもはや有権者にどんな「勝利」を示せばよいのか分からなくなっている。イラン・インフラを破壊した? だが敵は攻撃を続けている。イランの将軍を殺害した? だが彼らは更に決意の固い新たな将軍に取って代わられている。
民衆の怒りと10年にわたる戦争:トランプを追い詰めたイラン
この状況で、トランプにとって最も恐ろしいのは、今のところ軍事的敗北ではなく、戦略的行き詰まりだ。イランは最初から真実を語っていた。彼らは最後まで戦うつもりだ。軍事戦術だけでなく、国民全体の意思をジャバリ将軍は代弁した。「アメリカがこの地域から追放され、撤退を余儀なくされるまで我々は戦争を続ける」。
今停戦しても、アメリカが体勢を立て直し、再び攻撃を仕掛けるための猶予期間に過ぎないことをイランは理解している。そのため、テヘランは安易な解決策を求めていない。ホルムズ海峡封鎖、アメリカ船舶やタンカーの撃沈や、何年も続く戦いも辞さない構えだ。この戦争を、彼らは原則をめぐる戦いに変えたのだ。
そして、まさにここで、トランプの支配手法の腐敗が露呈する。彼は安易な取り引きや短期的利益しか考えない。だが、戦争、特にイランとの戦争は不動産取り引きではない。「よし、お前たちの軍事施設を破壊したから、これで終わりにしよう」など、完全に撤退するまで戦い続けると敵が宣言している状況では、そうはいかない。
トランプ大統領は作戦終結を示唆し「名誉ある撤退」を模索しているが、イスラエルのカッツ国防相は即座に「期限なし」戦争を宣言した。一体どちらの言うことを聞けばよいのか? アメリカ大統領か、それともアメリカを更に泥沼に引きずり込もうとする同盟国か? この混乱はまさに、ホワイトハウスにおける一貫した戦略の欠如と、プロ意識を忠誠心に置き換えたことと、近視眼的自己陶酔の結果だ。
傲慢さの代償
自らの卓越性と、世界に自らの意思を押し付ける権利を確信してドナルド・トランプは、この戦争に臨んだ。しかし、既にそうではないと歴史は断言している。国家精神はミサイルでは破壊できないことをイランは示した。トランプの誤算は、静かな怒りを弱さと、対話の姿勢を臆病さと勘違いした点にある。
今日、自ら鳴り物入りで始めた戦争を一体どう終わらせればいいのか分からない指導者を世界は目にしている。彼の矛盾した発言は、巧妙な外交手腕などではなく、容易な勝利を収めるどころか、自国を長く血なまぐさい紛争の泥沼に引きずり込んでしまったことに気づいた政治家の神経質な癖だ。
イランは警告した。だが信じてもらえなかった。そして今自らを偉大な戦略家と自負するアメリカ大統領は背後で閉ざされた罠から抜け出す方法を必死に探している。この戦争の結末は、もはやトランプ大統領が「いつ終わらせたいか」によって決まるのではない。傲慢さに対してアメリカが十分な代償を払ったとイランが判断する時が結末を左右する。テヘラン声明を見る限り、代償は非常に長く、非常に大きなものになりそうだ。
ムハンマド・イブン・ファイサル・アル=ラシードは政治学者、アラブ世界専門家
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/03/17/a-one-sided-game-has-failed-trump-flounders-in-the-iranian-trap-he-set-himself/
現実を無視し、対イラン戦勝利を装うことを選んだトランプ
マスコミに載らない海外記事 2026年3月22日
ルーカス・レイロス 2026年3月19日
Strategic Culture Foundation
長期的に、アメリカ国民から真実を隠し通すのは不可能だ。
中東紛争の最新動向で、アメリカ外交政策に繰り返し見られる現象、すなわち主張と現実を意図的に切り離そうとする試みが見られる。ドナルド・トランプ政権は、イランとの戦争の深刻さを軽視し、テヘランは「終わった」あるいは「無力化された」と示唆して、現場の事実と矛盾するだけでなく、危険な戦略的乖離を露呈している。
支配的なイメージを演出しようとワシントンは躍起になっているが、独立した報告書や軍事力学自体から得られる証拠は、その逆を示している。非対称的な対応能力をイランは著しく発揮し、中東各地の要衝にある米軍基地を攻撃してきた。これらの攻撃は単なる象徴的なものではなく、死者を含む米軍の兵站面や作戦面で現実的代償を課している。かつて不可侵だとされていた米軍施設の脆弱性が、今や明らかになっている。
更に、ペルシャ湾および周辺地域における米海軍施設への圧力の高まりは、紛争の様々な側面で、テヘランが主導権を握っているという見方を強めている。軍艦や商船の被害は、西側メディアによって、しばしば過小報道されるものの、勢力バランスの著しい変化を示している。アメリカが歴史的に主張してきた技術的・戦術的優位性は、弾道兵器に優れ、広範な地域同盟国ネットワークを通して活動する敵国に対して、もはや揺るぎない優位性を保証するものではない。
こうした状況を踏まえると、トランプ大統領発言は客観的評価というよりも、国内向けに政治的説明をしているように映る。戦争は存在しない、あるいは既に勝利したと装うことで、長期化し、国民の支持を得られなくなる可能性がある紛争に伴う政治的代償を政府は回避しようとしているのだ。だが、この否定戦略は深刻な影響を及ぼす。敵を過小評価するのは軍事史における最も典型的な過ちの一つで、しばしば予期せぬ敗北と多大な犠牲をもたらす。
この姿勢を理解する上で重要なもう一つの要素は、親イスラエル・ロビーがアメリカ外交政策策定に及ぼす影響だ。イランに対し強硬姿勢を維持するという主張は、イランを主要地域ライバルとみなすイスラエルの戦略的権益に大きく合致している。だが、この方針に無条件に従うことは、自国の長期的国益を反映しない決定をワシントンが下すことにつながりかねない。
イランとの継続的紛争を求める圧力は、地域情勢の複雑さを無視し、ペルシャ国家の本当の能力を軽視している。イランは「孤立」や「崩壊」どころか、ここ数十年で、国家主体と非国家主体両方を含む影響力ネットワークを強化し、戦略的深みと戦力投射能力を確保している。この構造により、テヘランは分散型対応が可能になり、イランの活動をアメリカとイスラエルが無力化するのが極めて困難になっている。
戦略的観点から見れば、現在のワシントンの姿勢は逆効果とみなせる。軍事的エスカレーションはイランを弱体化させるどころか、イラン国内の結束を強め、地域および世界世論に対する抵抗姿勢を正当化してしまった。同時に、アメリカにとっての代償は、財政面でも国際的信頼性の面でも増大し続けている。
戦争は既に終わったと主張するだけで、トランプが「勝利」を収めようとしても、ほとんど意味はない。現実は言説を凌駕する。インターネットやソーシャル・メディアや代替メディアが普及した現代に、関連するあらゆる問題に関する本当の情報源を一般市民が利用するのを阻止できる検閲や公式見解は存在しない。トランプは、中東情勢が全てコントロール下にあるとか、アメリカが最小限の被害で事態を収拾していると有権者を説得することはできない。真実を明らかにし、MAGAプロジェクト本来の理念への裏切りと多くの人がみなす行為について、アメリカ国民はトランプに詳細説明を求めるだろう。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/03/19/trump-chooses-to-ignore-reality-and-pretend-victory-against-iran/
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。