東京高裁は4日、世界平和統一家庭連合(旧統一協会)に対し、宗教法人法に基づき解散を命じる決定を出しました。決定は即座に効力が生じます。
高裁決定を受け、清算人として第一東京弁護士会所属の弁護士が選任され、法人としての教団の清算手続きが始まりました。松本洋平文部科学相は「清算が円滑かつ確実に進められ、被害者の救済がなされることを期待する」とのコメントを公表しました。
法令違反による解散はオウム真理教と明覚寺(和歌山県)に続き3例目。過去2例はいずれも幹部が刑事事件を起こした団体であり、民法上の不法行為を根拠とするのは初めてです。
旧統一協会の資産は清算人により管理され、債務の弁済などが進められる見通しで。同協会は法人格を失い、税制上の優遇措置も受けられなくなります。最高裁が判断を覆せば、手続きは停止します。
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旧統一教会に高裁も解散命令、清算手続き開始 民法上の不法行為で初
日本経済新聞 2026年3月4日
旧統一教会問題
東京高裁(三木素子裁判長)は4日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し、宗教法人法に基づき解散を命じる決定を出した。高額寄付勧誘を理由に解散を命じた2025年3月の東京地裁決定を支持した。決定は即座に効力が生じる。
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高裁決定を受け、清算人として第一東京弁護士会所属の弁護士が選任され、法人としての教団の清算手続きが始まった。旧統一教会は「結論ありきの不当な判断だ。決して容認せず、特別抗告を含め信教の自由を守り抜くため闘い続ける」とのコメントを出した。
松本洋平文部科学相は「清算が円滑かつ確実に進められ、被害者の救済がなされることを期待する」とのコメントを公表した。
法令違反による解散はオウム真理教と明覚寺(和歌山県)に続き3例目。過去2例はいずれも幹部が刑事事件を起こした団体で、民法上の不法行為を根拠とするのは初めて。
旧統一教会の資産は清算人により管理され、債務の弁済などが進められる見通し。法人格を失い、税制上の優遇措置も受けられなくなる。最高裁が判断を覆せば、手続きは停止する。
高裁決定は、教団が幹部了承の下、信者らに社会通念上相当な方法では達成困難な数値目標を定め、寄付や物品の購入の勧誘を行うよう求めたと指摘。1973年以降、全国で「先祖の因縁」などと不安をあおり、生活に支障が生じるほどの過大な寄付を勧誘する不法行為を行ったと認定した。
2009年の「コンプライアンス宣言」後も寄付の目標額を下げるなど具体的で実効性のある措置をとらず、不法行為の件数や被害額は「宣言後もそれまでと同水準だったと推認できる」とした。
この間に相当多額の海外送金が継続されており、「韓国の教団本部の活動資金の減少を防ぐためと認めるのが相当」と認定。22年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件後にとられた措置も社会的な批判をかわすための一時的なものにすぎないとし、自発的に不法行為を防止するための対策をとることは期待しがたく「信教の自由など憲法上の権利などに及ぼす影響を考慮しても解散を命じることが必要でやむを得ない」と結論づけた。
教団の寄付問題は22年7月の安倍元首相の銃撃事件をきっかけに顕在化した。殺人罪などで起訴された山上徹也被告(45)=一審無期懲役、控訴中=は母親が約1億円寄付したことで生活が困窮し「教団への恨みがあった」などと供述した。
岸田文雄首相(当時)は22年10月、民法上の不法行為でも「組織性、悪質性、継続性」の3要件を満たせば解散命令を請求できるとの解釈を示した。
文部科学省は宗教法人法に基づく質問権を初めて行使して調査を進め、解散要件を満たすと判断。23年10月、収集した約5000点の証拠を基に教団の解散命令を東京地裁に請求した。
審理では信者らによる高額寄付の勧誘が、宗教法人法上の解散要件である「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」に当たるかが争点となった。
25年3月の東京地裁決定は寄付被害が少なくとも計1500人超、約204億円に達すると認定。09年に教団側が「コンプライアンス宣言」を出して活動を見直した後も被害は続き、解散命令はやむを得ないと結論付けた。教団側が決定を不服とし東京高裁に即時抗告していた。
高裁での審理は地裁と同様に非公開で進められた。教団側は地裁決定は宣言後の取り組みを過小評価していると反論。地裁決定後には集団調停が成立した点なども挙げ「問題の解決に向けて不断の努力を継続しており解散命令の必要はない」と強調した。
文科省側は長期間にわたって違法な寄付勧誘が繰り返され、甚大な被害が生じたと改めて主張。宣言後も被害が続いており、解散を命じた地裁決定は正当としていた。
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