浜岡原発の再稼働の是非を問う県民投票条例案に関し、静岡県議会の民主党系会派及び最大会派の自民改革会議は、投票実施のために必要とされる修正案を、会派としては提出しないことを決めました。
条例案を提出した市民団体「原発県民投票静岡」の鈴木望代表は、自民改革会議に招かれて意見交換を行った際に、成立のためには条例案を修正することもやむを得ないと述べましたが、同会議は「署名した人に対し説明がつかないし、趣旨も変わってしまう。会派として修正案を出すことはできない」との考えを示した(毎日新聞)ということです。
静岡県は8月31日、「(同)県民投票条例案の法制度上の主な問題点」とする文書※を発表し、「投票資格者18歳以上は、現行の選挙制度と整合せず、県においては投票資格者を把握することはできない」、「県民投票を条例の施行日から6月を超えない範囲内とするのは、県と市町との間で行う協議などの手続に要する期間を考慮すると非現実的」など、9項目を問題点として指摘しました。同市民団体はその指摘を考慮して修正案をまとめましたが、同団体からは出せないので県会議員会派からの提出を期待していました。
同条例案は来月4、5日に集中審議し、11日に採決の予定ですが、どうなるのか気にかかります。
詳細は「原発県民投票静岡」のホームページ※に詳しく載っていますのでご覧ください。
(9/29 中日新聞の続報を追加)
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県民投票、厳しい情勢 修正案出ず、浜岡再稼働
東京新聞 2012年9月27日
中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働の是非を問う県民投票条例案に関し、静岡県議会の民主党系会派は27日の役員会で、投票実施のために必要とされる修正案を、会派としては提出しない方針を決めた。
民主系は条例案に賛成意見を付した川勝平太知事の「知事与党」。最大会派の自民党系会派も案を出さないことを決めており、投票の実現は厳しい情勢となった。
市民団体がまとめた条例案は、投票資格や実施時期などに問題点があり、原案のまま可決されても実際には投票を実施できないと県が指摘。修正案を提出できる県議の動向が焦点となっていた。 (共同)
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(9/29続報記事を追加)
浜岡投票条例 異論噴出で結論出ず
中日新聞 2012年9月29日
◆民主県議団 2日に再び議員総会
中部電力浜岡原発(御前崎市)の再稼働の是非を問う住民投票条例案をめぐり、静岡県議会第二会派の民主党・ふじのくに県議団は二十八日、県庁で議員総会を開いた。会派として修正案を提出しないと決めた二十七日の役員会の方針を各議員に諮ったが、異論が噴出して意見集約に至らなかった。結論を出すため十月二日に再び議員総会を開く。
非公開の議員総会終了後、野沢義雄会長は「修正案を検討してきた経緯を大事にしたいとの意見もあった」と役員会の決定に異論が出たことを説明。「会派分裂は避けるべきだ。会派としてどういう方向が一番いいのか、県民の要望に応えられるか、難しいが答えを見つけたい」と語った。
有志で修正案を出す可能性も残されているが、会派の中には「修正案が出たら、確実に会派が割れる。その覚悟があるかどうかだ」との声もあり、条例案成立に向けての情勢は厳しい。
一方、約十六万五千人の署名を集めて県に条例制定を請求した市民団体「原発県民投票静岡」は二十八日、各会派に要望書を提出。各議員に条例案の修正と条例成立を強く求めた。