28日、韓国外相が国連総会の一般討論演説で、「戦時の性的暴力は根本的な人権侵害だ」と述べて、実質的に旧日本軍の従軍慰安婦問題に初めて言及し、被害者への賠償と加害者への法の裁きを求めました。
日本は慰安婦問題については、日韓請求権協定により決着済みとしていますが、この演説に対する答弁権は行使しませんでした。
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韓国外相、慰安婦問題に言及=賠償と裁き求める-国連演説
時事通信 2012/09/29
【ニューヨーク時事】韓国の金星煥外交通商相は28日、国連総会で一般討論演説を行い、「戦時の性的暴力は根本的な人権侵害だ」と述べて実質的に旧日本軍の従軍慰安婦問題に言及し、被害者への賠償と加害者への法の裁きを求めると強調した。韓国が一般討論演説で慰安婦問題に言及するのは初めて。
日本は慰安婦問題について、日韓請求権協定により決着済みとしているが、韓国側は首脳級が集まる国連総会で改めて「責任ある措置」を要求し、日本への圧力を強めた形だ。
金外相は「いかなる国も他国の領土的一体性や主権の侵害を目的に国際法手続きを乱用すべきではない」とも述べた。領有権をめぐって日本と対立する竹島問題を念頭に置いた発言で、「法の支配」の原則の下、国際司法裁判所(ICJ)を通じた問題解決を求める日本側に反論した。
金外相はまた、「安定した国家関係を築くには健全な歴史認識と、過去の過ちに対する心からの反省が求められる」と指摘した。
日本政府はこの演説に対する答弁権を行使しなかった。
日韓外相は27日ニューヨークで、今年8月の李明博大統領による竹島上陸後初めて会談し、「安定的で未来志向」の日韓関係の構築に努めることで一致したものの、慰安婦や竹島の問題で双方の主張は平行線のままだ。