2012年9月8日土曜日

日本が隣国から尊重されない理由


 最近日本は複数の隣国との関係が良くありません。サーチナという主に中国の情報を伝えるインターネット紙に、「日本が隣国から尊重されない理由」と題する、中国人元外交官の論文が掲載されました。
それによると多くのアジア人が日本に不満を感じているのは、日本がアメリカに極端に依存・従属している半面で、アジアの国々に対しては傲慢な態度をとっているからだということです。
冷静に事実関係が語られていて参考になります。
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日本が隣国から尊重されない理由・・・中国人元外交官が語る
サーチナ・ハイライト チャイナネット 2012/09/08 

 元外交官の陳有容氏はこのほど、「日本が隣国から尊重されない理由」と題する論評を発表した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。 

 近ごろの日本と3つの隣国の間の領土紛争は、日本人に多くのことを悟らせたと言える。まず日本人は、国が外交において軟弱になっていることを悟った。言い換えると、「どうして隣国はみな自分たちを尊重しないのか」ということだ。
 独島(韓国側呼称、日本名:竹島)の主権争いが再発したとき、日本の首相が韓国の大統領に宛てた親書が送り返されたことに、日本人は驚愕した。このようなひどい侮辱は外交において前代未聞であり、友好関係を持つべき2つの国の間では特にそうだ。
 それだけでなく、ロシアの首相が7月に南クリル諸島(ロシア側呼称、日本名:北方四島)を訪問したことに対する日本人の怒りも、ロシアの指導者にからかわれた。南クリル諸島はロシアが占領しているのに、日本は主権保持を主張している。
 さらに注目を集めたのは、釣魚島(日本名:尖閣諸島)の主権争いにおいて、中国国内で強い反日行動があったことだ。駐中国大使の公用車が北京市内で襲撃されたことはひどい侮辱である。 

 一部の日本人は、中国やロシアは米国の日本を守る決意を試そうとしていると解釈するが、米国の親しい盟友である韓国の行動はこれでは説明できない。日本のアジアの隣国との交流における外交力が大幅に減退した原因は、少なくとも2つある。米国に対する過度な依存と、昔からあるアジアに対する軽蔑である。
 日本の政治の対米依存(主従関係とも言われる)は、かねてからの「公の秘密」だ。1970年代、日本の官僚がテレビ番組で「この課題について、米国人が態度を表明してから、自分たちの立場を述べる」などと話す姿がよく見られた。日本が国連安全保障理事会の常任理事国の議席獲得を求めた1990年代、米国は安保理で2つの反対票を投じることができるという冗談が広まった。
 国際紙を見ても、日本の世界的な重大問題における立場に関する記事を目にしたのはずいぶん前になる。外交における、極端な民族主義者の石原慎太郎東京都知事が2010年に「日本はアメリカの犬」と形容したような政治依存は、他国から尊重される助けにはならない。 

◇互いを尊重しない友好は頑丈でない
 アジアの多くの政府が同地域でもっとも発達した国の日本と友好関係を保たなければいけないことは確かである。日本が戦後に収めた成果は敬服されているが、多くのアジア人は、日本が西側を極端に崇拝しているのに、そのほかのアジアの国に対しては傲慢な態度をとっていることに不満を感じている。
 「戦後67年経っても侵略と軍事の歴史を心から反省しない」というアジアを軽視する態度により、日本は本当の友好と尊重を得られないでいる。相互尊重を基盤とする友好がない状態は、日本人がよく言う「金の切れ目が縁の切れ目」に似ている。

 日本政府が2008年に東南アジアで実施した調査によると、シンガポールで「東南アジアのもっとも重要なパートナー」に中国を選んだ人は578%に上ったが、日本は36%にとどまった。マレーシアでは中国392%、日本258%、タイでは中国427%、日本253%と、シンガポールほどではないが、中国は日本より好意が持たれている。
日本を選ぶ人が多かったのは、反中感情の比較的強いベトナム(中国165%、日本427%)、フィリピン(中国86%、日本327%)、インドネシア(中国128%、日本379%)だけだった。

 よく知られているように、日本の小学生は自国の近代史、主に先人のアジアでのあらゆる行為を正しく学んでいない。このような教育上の過ちや社会の無関心な状況により、多くの若者は自国が米国とアジアに戦争を仕掛けたことさえ知らない。そのため、彼らが日本がアジアのその他の地域から謝罪を求められているわけを理解できないことにも驚きを感じない。
 日本はアジアにおいて、平和を支持し、勤勉で先進国というよいイメージがあり、隣国が近ごろ尊重を欠く態度をとっていることは残念である。政治の面で日本に反感を持つ中国の若者が日本のハイテクや文化レベルを称賛しているのをよく耳にする。日本は、米国の顔色をうかがわずに自らの意見を述べ、自国の歴史を真剣に見直し、西側のパートナーに対してと同じ態度をアジアの隣国にもとる努力をしなければならない。日本を称賛する国が日本を尊重しない理由などない。
(編集担当:米原裕子)