毎日新聞が憲法9条の改正その他について26、27日に行った全国世論調査によると下表の結果でした。
憲法9条の改正、集団的自衛権の行使は、いずれも圧倒的多数というわけではありませんが、「反対」が明確に「賛成」を上回りました。
項 目
|
賛 成
|
反 対
|
その他
|
憲法9条の改正
|
36%
|
52%
|
12%
|
集団的自衛権の行使
|
28%
|
37%
|
35%
|
消 費 税 増 税
|
41%
|
52%
|
7%
|
しかしながら「改憲賛成」がある程度の比率を占めているのも事実です。これは連日尖閣列島が危機的状況にあるかの如くに報じられ、先般の衆院選では安倍首相、石原氏、橋下氏らが揃って憲法改正を主張したにもかかわらず、それを批判するマスメディアは皆無というような状況のなかで、改憲のムードが一定程度醸成された結果であると思われます。
改憲のムードをこれ以上助長させないためにも、「もしも憲法9条を改悪して国防軍を持ったとしたら、我々の生活はどうなるのか」、「機密保護法・軍事裁判所のもとで基本的人権は守られるのか」、「そもそも国防軍を持ったら平和は維持されるのか」等々の議論を起こしていく必要がありそうです。
以下に毎日新聞の記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本社世論調査: 9条改正「反対」52%
毎日新聞 2012年12月27日
毎日新聞が26、27両日実施した緊急全国世論調査によると、自民党が先の衆院選公約に盛り込んだ憲法9条改正について「賛成」と答えた人は36%にとどまり、「反対」が52%を占めた。集団的自衛権を行使できるよう現行の憲法解釈を変更することに関しても「反対」37%で、「賛成」(28%)を上回った。
憲法9条改正に「賛成」と答えた人は、自民支持層で56%と半数を超えたものの、連立政権を組む公明支持層では9%。「支持政党はない」と答えた無党派層では24%だった。集団的自衛権の行使も、自民支持層で「賛成」44%、「反対」15%だったのに対し、公明支持層では「賛成」14%、「反対」46%と逆転している。
安倍晋三首相は先に首相を務めた07年、集団的自衛権行使を容認するケースとして、公海上の米軍艦船の護衛や米国を狙った弾道ミサイルの迎撃など4類型を提示している。首相は26日の就任記者会見で、集団的自衛権の行使について「検討を始めたい」と表明。今回の調査では「よく分からない」が31%を占めており、有権者との「温度差」が浮き彫りになっている。
自民、民主、公明3党が合意した消費増税については「反対」がなお52%に及び、「賛成」41%を上回った。14年4月の消費税率引き上げに向け、政府は13年10月に最終判断をする必要があり、自公政権が世論の理解を得られるかが課題になりそうだ。
景気回復を目指す第2次安倍内閣が防災対策などの公共事業を増やす方針を掲げていることについて、「公共事業を増やすべきだ」は37%にとどまった。逆に「増やすべきでない」が53%に上る。公共事業を増やすため国債を増発せざるをえず、世論調査の結果からばらまき懸念もうかがえる。【小山由宇】