高校生遺児の母子家庭の大半が「教育費が足りない」と回答しました。
こう回答した家庭の比率は2010年が40%、2011年が65%であったのに対して、2012年は76%にまで高まりました。
これは奨学金を申し込んだ母親の年間平均所得が、2008年は149万円、2009年は137万円、2010年は112万円と、年々貧困化が進行していることと裏腹の関係にあります。
家庭で負担する教育費の問題は、日本は生徒一人当たりの教育費の公費負担額が低く世界でもワーストグループに入っていること、そして生徒一人当たりの教育費に占める公費負担割合もワースト1、2であること、教育予算の対GDP比も同様であることが決定的に影響しています。
そして日本の国(公)立大の授業料が世界一、ダントツで高いこと(私立大は米国についで2位)が、さらに遺児たちの進路の障害になっています。
以下に共同通信の記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
76%が「高校教育費不足」 育英会の母子世帯調査
共同通信 2012/12/8
あしなが育英会(東京)が奨学金を貸与している高校生遺児の母子世帯を対象に実施した調査で、76%が「教育費が不足している」と回答、2010年の40%、11年の65%から増えていることが8日、分かった。工藤長彦理事は「国は子どもの生活環境にもっと目を向けてほしい」と話している。
同会は11月末、873世帯にアンケートはがきを送り、318世帯が回答した。
同会によると、奨学金を申し込んだ母親の平均年間所得は、08年に約149万円だったのが、09年約137万円、10年約112万円と減り続けている。16日投開票の衆院選で関心のある項目は「社会保障」(18%)と最多で、「仕事・雇用」(17%)、「消費税」(15%)と続いた。
東京都世田谷区の女性(47)は「大学生の娘と高校生の息子がいるが、18歳になると遺族基礎年金が打ち切られてしまう。最も教育費がかかる時期に支援が減るのはつらい」と訴えた。