11月16日の当ブログ記事「全国の役所 70万人が非正規職員※」で、地方自治体職員の約70万人が非正規雇用労働者で、その比率は職員の33%、4年前に比べて5.5%アップなどの実情を紹介しましたが、民間企業では大企業ほど非正規雇用者を急増させていることが分かりました。
2002年からの10年間で、従業員1000人以上の大企業では非正規雇用労働者数が1・6倍に急増し、499人~1000人の企業では1・31倍でした。それに対して1~29人の企業では1・03倍と殆ど増加していません。
非正規雇用者の急増は、小泉構造改革における04年の労働者派遣法の行き過ぎた規制緩和によるもので、それまで秘書、通訳などの専門的技術を有する労働者だけに適用されていたものを、製造業における一般労働者にも拡大したためでした。
その結果非正規雇用がすさまじく拡大され、ワーキングプアという呼称が生まれ格差が拡大しました。そのうえ「経済弱者は自己責任だ」というような論調までが跋扈しました。
非正規社員はバブル前には6人に1人の割合でしたが、04年の労働者派遣法の大幅な規制緩和により、現在では全労働者の3人に1人に達しています。
以下にしんぶん赤旗の記事を紹介します。
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大企業ほど非正規雇用増 10年で1.6倍
しんぶん赤旗 2012年12月10日
大企業ほど非正規雇用労働者を急増させています。総務省の「労働力調査詳細集計」によると、2002年から10年の間に、従業員1000人以上の大企業で非正規雇用労働者数が1・6倍に急増しています。一方で、従業員規模1~29人の小規模な企業では同期間に非正規雇用労働者数は1・03倍とほぼ横ばいにとどまっています。
非正規雇用は、正社員と比べ賃金が低く、苦しい生活を余儀なくされます。また、経済全体としても消費を冷え込ませ、景気悪化につながります。総務省「労働力調査年報」によると、11年平均の仕事からの収入が200万円未満だった人は、非正規労働者1733万人中、1298万人と74・9%を占めます。低賃金で非正規労働者を雇う一方で、260兆円もの内部留保をため込んできた大企業の姿勢が問われます。
日本共産党は総選挙に向けた分野別政策で、非正規の不利益扱いを禁止し、均等待遇を進めるとともに、最低賃金の引き上げや、正社員を当たり前とするなど人間らしく働けるルールの確立を求めています。