2012年12月1日土曜日

福島原発事故の復旧作業者たちが多大な甲状腺被曝


 福島第1原発事故の復旧作業従事者の中に、驚くべき高レベルの甲状腺被曝をしている人たちが沢山いることが明らかになりました。東電社員や関連企業などの社員522人について検査した結果、最高値が12千ミリシーベルトであり、100ミリシーベルトを超えた作業員は少なくとも178人いたということです。
事故直後はともかくもう1年9ケ月近くが経過している現在、復旧作業従事者に対してどんな放射線管理を行っているのかが問われます。
東電は「甲状腺被曝は基準値がないのでこれまで公表しなかった」と言いますが、WHOには報告していたことが分かりました。

本来の検査対象者はもっともっと膨大な数に上る筈なので、至急検査体制を整えて検査を進めるとともに、作業者に注意喚起をするためにも、これらの事実は積極的に公表する必要があります

 朝日新聞の記事を紹介します。
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甲状腺被曝、最高12千ミリシーベルト WHO報告書
作業員の甲状腺局所の線量
 朝日新聞 2012121 

 東京電力福島第一原発事故の復旧作業で、最高11800ミリシーベルトの甲状腺被曝をした作業員がいたことがわかった。一般的に甲状腺がんのリスクが増えるとされる100ミリシーベルトを超えた作業員は少なくとも178人いた。東電はこれまで、作業員の甲状腺被曝の詳細を公表しておらず、世界保健機関(WHO)の求めに応じて報告していた。

 東電はWHOに対し、作業員のうち、全身の内部被曝線量が比較的高いと考えられ、甲状腺被曝線量検査を受けた社員や関連企業などの社員522人のデータを、年齢などの個人情報を除いて提供した。近く公表されるWHOの報告書によると、1万ミリシーベルト超は2人、1万~2千が10人、2千~1千が32人、1千~50050人、50020069人、20010015人いた。全身の場合1万ミリシーベルト超の被曝は致死的だが、甲状腺局所の被曝線量は影響が少なく、急性症状はほとんど起きない。  

 東電によると、最高の11800ミリシーベルトの被曝は、30代の東電社員。全身の外部・内部被曝線量も最高の678.8ミリシーベルトだった。健康影響はこれまでみられず、原発以外の部署で働いているという。  【大岩ゆり】