14日の読売テレビに出演した自民党の石破幹事長は、集団的自衛権は米国だけが相手ではなく、自衛権を行使する地理的範囲も限定されないと述べました。
これは集団的自衛権を共に行使する対象国を限定せずに、行使を可能とする類型化も行わずに容認する、という安保法制懇の北岡座長代理の考え方と軌を一にするものです。
そもそも集団的自衛権の行使論は、「並走する米艦が攻撃を受けたときに何もできないということで通用するのか」という問題提起に端を発しました。それが、そういうケースは個別自衛権で対処できる(公明党山口代表ほか)ということで片が付きそうになると、今度はケース分けそのものをやめる方向になりました。
集団的自衛権の無限定・無制限の行使というのは、取りも直さず海外のどこででも「自衛のための戦争」ができるということです。これほど憲法9条から逸脱した話はありません。
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「集団的自衛権、必要なら遠くも行く」 石破・自民幹事長
朝日新聞 2013年9月14日
■石破茂・自民党幹事長
(集団的自衛権は)誰も米国だけを相手にするとは言っていないし、攻撃する国が極東と限っていない。集団的自衛権は、国連の概念であって、地理的にどうのこうの、相手がどうのこうのじゃない。必要であれば遠くでも行くし、必要でなければ近くでも行かない。
例えば東南アジア。フィリピン、マレーシア、どこかの国が攻撃を受けた。そこが日本にとって死活的に重要。そういう場合に知らん顔、そういうときは米国が出て行く。そういうことで本当にやれるのか。(読売テレビの番組で)
集団的自衛権「憲法改正が王道だ」 公明・佐藤氏
朝日新聞 2013年9月14日
公明党の佐藤茂樹政調会長代理は14日、読売テレビの番組に出演し、安倍政権が憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を目指すことについて、個人的な意見としながらも、「憲法改正という手続きを経て、国民に問わないといけない。それが王道だ」と述べた。
安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)での集団的自衛権の行使容認をめぐる議論についても、「有識者の皆さんの結論を得て、政府が拙速に閣議決定するのはあまりにも軽い扱いだ」と慎重な対応を求めた。
一方で、共演した自民党の石破茂幹事長は集団的自衛権の行使容認について「憲法改正は必要ない。これは自民党が10年かけて出した結論だ」と述べた。