2013年9月20日金曜日

あす9月21日は「国際平和デー」 日本でも平和の鐘を

 明日9月21日は国連が1981年に制定した「国際平和デー」です。
 国連はこの日を「停戦と非暴力の日とし、すべての国と人々に敵対行為を停止するよう呼び掛けています

 この日に平和を祈って日本中の鐘を一斉に鳴らそうと、日本木彫芸術文化財団(東京都文京区)が呼び掛けています

  ※<国際平和デー>
 国連が1981年に制定を宣言した。当初は国連総会の開幕日である毎年9月の第3火曜日に合わせていたが、2001年の決議で9月21日に固定した。国連広報センターによると、最初の国際平和デーとなった82年9月21日にちなむ。停戦と非暴力の日とし、すべての国と人々に敵対行為を停止するよう呼び掛けている。また総会開幕日近くには、特別記念行事として「平和の鐘」を事務総長が打ち鳴らす。鐘は日本が国連加盟する2年前の54年、日本国際連合協会が寄贈。約60カ国の子どもたちが集めた世界中の硬貨を溶かして造られている。(東京新聞 記事より)
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あす「国際平和デー」国連の鐘の願い日本でも 平和の鐘響かせよう
東京新聞 2013年9月20日 
 国連が定める「国際平和デー」の二十一日、平和を祈って日本中の鐘を一斉に鳴らそうと、日本木彫芸術文化財団(東京都文京区)が呼び掛けている。財団理事長の白井常雄さん(74)たちが、木彫りの女神像を国連に寄贈した際に知った国連本部の中庭に置かれた「平和の鐘」の歴史。国連で脈々と続く鐘への思いに共感した。(上條憲也)

 白井さんたちは東日本大震災から半年余が過ぎた二〇一一年十月、国連を訪ねた。一九九九年三月十一日に亡くなった岐阜県高山市の仏師、都竹峰仙(つづくほうせん)さん=享年(88)=が彫った女神像を贈るためだ。
 「この像は、震災と原発事故で苦しむ日本が心から願う平和への思いが込められている。ぜひ受け止めてほしい」

 震災から間もなく、関係者を通じて働き掛けた。国連は通常、個人や団体からの寄贈を受け付けていないが、ニューヨークの本部に招かれた。
 この時、白井さんは平和の鐘を初めて知った。平和を祈念して打ち鳴らされる意義に触れ「思いやりや古くから和の心を大切にする日本でも、九月二十一日をそんな日にしたい」と考えた。

 女神像はヒノキを彫った高さ五十三センチ。台座には、きのこ雲と、津波のようにうねる波が彫られている。制作した都竹さんは戦時中、修業に出た東京で空襲に遭った。終戦後に高山に戻り、広島と長崎への原爆投下の愚かさを戒める仏像に没頭したという。
 女神像は、同時期に彫られた新世弥勒(しんせいみろく)像と風神像とともに長い間、都竹さんと親交のあった高山市内のギャラリーに置かれていた。

 都竹さんの十三回忌と重なった震災を機に、遺族から「平和発信に生かしてほしい」と託された。女神像のほか二体はその年に財団から広島市と長崎市に贈られた。
 「あらためて気付かされた平和。心一つにお祈りしたい」と白井さん。宗教宗派問わず寺院などに趣旨を呼び掛け、都内では護国寺(文京区)で、昨年に続き二十一日正午に鐘が鳴らされる。