4日の衆院憲法審査会で、憲法学の権威の3人から「安全保障関連法案は憲法違反」と指摘された以上「勝負はあった」わけで、本来であれば政府は違憲立法の提案を取り下げ、国会も審議を拒否すべきです。
しかしそれとは逆に自民党は、国民に対して集団的自衛権の正当性を宣伝する行動を強化することを決め、公明党も今国会中に安全保障関連法案を成立させると明言しました。
7日、自民党は全国100ヶ所で集団的自衛権推進を訴える演説を行いましたが、聴衆側から怒りの声が相次ぎました。
しかしそれとは逆に自民党は、国民に対して集団的自衛権の正当性を宣伝する行動を強化することを決め、公明党も今国会中に安全保障関連法案を成立させると明言しました。
憲法違反の法律をなりふり構わずに成立させる姿勢を明確にしたわけですが、当然国民の激しい反発に直面しました。
吉祥寺駅前や新宿駅前で行なわれた自民党の演説には聴衆が百人ほど参加し、その多くは「おもちゃにするな自国民」、「戦場にはあなたが行け」、「安保法制は違憲」、「憲法改正反対」などのプラカードを掲げました。
そして自民党議員らの演説中、「国民をおもちゃにするな」、「戦場にはあなたが行け」等の批判の声が上がり、演説が聞こえなくなるほどでした。
自民党は街頭演説会に加えて、”改憲漫画”に続いて“戦争に巻き込まれません”のチラシを大量に作成して配布するということです。
なんでも「戦争に巻き込まれることも徴兵制も、決してありません」、「安保関連法は抑止力をさらに高めて、戦争が起きないようにするものです」と国民を説得するもので、安倍政権の『欺瞞と不誠実』をそのままチラシにしたものになるようです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
在特扱い 戦争法制で自民に「帰れコール」
田中龍作ジャーナル 2015年6月7日
自らが推薦した憲法学者から「集団的自衛権は違憲」と指摘された自民党。オウンゴールを挽回しようと やっき だが、混迷はさらに深まりそうだ。
自民党はきょう全国一斉に「拉致問題の解決と安保法制」を訴える街頭宣伝を行った。
「憲法守れ」「戦争させない」・・・吉祥寺駅前にはプラカードを手にした人々が集まった。
品川区から足を運んだ女性(60代)は「改憲ビラを回収しようと思ってきた。拉致問題(の街宣)なんてウソでしょ?」と語る。
八王子から来た男性(72歳)は「少子化の時代に戦争しようなんて正気の沙汰とは思えない」と憤った。
都議会議員や国会議員の演説が始まると「憲法壊すな」「戦争反対」のシュプレヒコールが起きた。街宣車のスピーカーで拡声されているのだが、演説の声はかき消された。
拉致問題で求心力を高めようと目論む自民党議員たちにとっては思惑外れだ。憤った地元選出の都議会議員は「戦争反対は中国に(向かって)言って下さい」と声を荒げた。(荒げたので聞こえた)
谷垣幹事長が登壇するとシュプレヒコールはさらに大きくなった。筆者は話を聞き取るために街宣車に一番近い場所まで移動した。
「日本国憲法の守護者は最高裁なんです。最高裁は自衛隊は違憲ではないと言ってるんです」。
党をあずかる谷垣幹事長は火消しに懸命だ。幹事長は砂川判決を引用し「集団的自衛権は違憲ではない」ことをアピールしようとした。
砂川判決(1959年)は「集団的自衛権は違憲である」とする趣旨の東京地裁の判決を、田中耕太郎最高裁長官が米大使館から圧力をかけられてひっくり返し「合憲」としたのである。
谷垣幹事長の「砂川判決」引用は、袋小路に入った自民党の姿を象徴していた。
年配の女性は「憲法学者が集団的自衛権は違憲と証言した」新聞記事(拡大コピー)を、土屋正忠衆院議員(元武蔵野市長)の目の前に突き付けた。
土屋議員は「学者は責任がないからね、どこで戦争があるの?」と捨てゼリフを吐いた。
新宿西口にはさらに多くのカウンター(反対者)が出た。100人近くはいただろう。吉祥寺の倍だ。
練馬区から参加した男性(公務員・60代)は「『憲法改正マンガ』を回収するゴミ袋を6袋持って来た」と力を込めた。
新宿西口でも谷垣幹事長がマイクを握った。「帰れ、帰れ」「ブラック政権、アベ政権」のシュプレヒコールが起きた。人数が多い分、吉祥寺よりも迫力がある。
山谷えり子国家公安委員長が登壇した。シュプレヒコールは「在特大臣帰れ」「ネトウヨやってて恥ずかしくないのか山谷」…となった。
論理は破綻し、何を言っても国民の反感を買うばかり。もはや在特レベルになり下がった政府与党の姿があった。
◇ ◇
『田中龍作ジャーナル』は読者が支えるメディアです。取材制作にはコストがかかっています。
街宣車に向けて怒号が飛ぶ。「死神総理」のプラカードも登場した。=7日、新宿西口 写真:筆者=
「戦争反対」「憲法壊すな」…高層ビルの谷間にシュプレヒコールが響いた。=7日、新宿西口 写真:筆者=
「戦争に巻き込まれません」 自民がチラシ80万枚作製
まるこ姫の独り言 2015年6月7日
そう来たか。。。。
自民党は前にも、安倍首相の指示で、”改憲漫画”を作成したが、あまりにもデタラメだらけの内容であることで大きな批判を浴びた。今度は“戦争に巻き込まれません”チラシを作成配布するのだと。
論戦安保法制 「戦争に巻き込まれません」 自民がチラシ80万枚作製
産経新聞 6月5日
自民党は今国会中の成立を目指す安全保障関連法案に関する政策チラシを作製した。世論調査で安倍晋三首相の説明が不十分との回答が多いため、党員や支持者に法案を分かりやすく説明して理解を深めてもらうのが狙い。約80万枚印刷し、衆参両院の国会議員と都道府県連に配布する。
分かり易く説明して理解を深めてもらうのが狙いだと言っても憲法漫画同様、中身が問題だ。憲法審査会で、与野党の参考人の憲法学者が、3人が3人と も違憲だと言っているのに、党内では、この3人の学者を非難ごうごう、ぼろくそに貶していた。
憲法審査会で、憲法学者を参考人招致して、見解を聞いたと言う事は、与党の招致した学者が、”合憲”と言えば、鬼の首でも取ったようにそれを強調したのだろうと容易に想像が付く。
所が、与党の意に反しての答えだっただけに承服しかねるのだろうが、憲法を勉強している人間より、政治家の意見の方が上と考える、その神経が全く分からない。
しかも私は憲法は権力者から国民を守ってきた孤高の存在だと思うが、自公は自分たちの考えた法案に憲法を沿わせようとしている。
私は逆だと思う。憲法の理念を理解して、それに法案を沿わせる。この人たちの手にかかったら、世界にまれな崇高な理念の平和憲法が何とも安っぽく手垢にまみれたようで可哀想になってくる。
憲法審査会での3人の学者、と言っても与党が推薦した学者までが”違憲”と発言したことで、素人の政治家が憲法学者を貶めてまで、自分たちの法案を擁護していたが、よほどのショックがあったのか、自民党は、“戦争に巻き込まれません”チラシを80万枚、朝日には100万枚と出ていたが、大量に刷って国民に理解を求める作戦に出た。
又、改憲漫画のように自公に都合の良い内容にするのだろう。そして中国の脅威をあおり立てる事で、政治に関心の無い層、そして自民党大好きな高齢者を誘導して、なにがなんでも集団的自衛権行使を目論んでいるのだろう。隣国の脅威を煽るより、地道な外交努力を優先すべきだろうに。
>嘘も百回言えば真実となる
これが得意なのが自民党であり安倍首相だ。国民を口先三寸で誘導するのもいい加減にしろだ。