13日、千葉市で安全保障関連法案に反対する集会が行われ、4千人を超える人たちが会場の中央公園に集まりました。集会後のデモ行進の長い隊列は途切れることがありませんでした。
14日、佐野市で他国を武力で守る集団的自衛権の行使反対などを訴える「戦争はゴメンだ! 市民パレード」があり、市の中心部約2.5キロを住民ら約250人が行進しました。
15日、茨城大学の教授など有志21人が、「安全保障法制に反対する茨城大学有志の会」を結成し、集団的自衛権の行使容認を柱とした安全保障関連法案の、今国会での成立に反対する声明を発表しました。
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千葉で安保法案反対集会 「若者を戦場に送らせない」
東京新聞 2015年6月16日
「思想信条を超えて、若者を戦場に送らせない。若い人を政権のいけにえにはさせない」-。十三日、千葉市中央区の中央公園であった安全保障関連法案に反対する集会。千葉大名誉教授の三輪定宣さん(77)がマイクに力を込めた。
安倍政権は日本国憲法の武力によらない平和主義を否定する「戦争法案」を一括提出し、今国会での成立を目指す。集会は立憲主義を無視する政権に抗議し、廃案にさせようと市民団体や労働組合がつくる「許すな『戦争法案』6・13県大集会実行委」が主催した。
三輪さんは戦中の「教科書の墨塗り世代」で、教育行政学の道を選んだ。法案は憲法違反だとして「戦争する国づくりを許すのか許さないのか、国民と政権との綱引きだ」と指摘。「戦争立法ができると自衛隊の海外派兵に続き、『戦争する国づくり』と表裏一体で若い人への『戦争する人づくり』が始まる。若い人のメンタリティーを変えようと、教育への国の統制も始まる」などと訴えた。
参加者は主催者発表で四千人を超え、昼に周辺を歩くデモの列は途切れない。「戦争させない」。赤地に白文字の紙が揺れ、道行く人にも危機意識の強さを印象づけた。三輪さんは集会後の取材にこう語った。「戦後七十年が『戦前元年』にならないように、この綱引きにもっともっと参加するよう呼び掛けたい。千葉から政治を変えていきましょう」 (野呂法夫)
集団的自衛権行使 反対訴えパレード
東京新聞 2015年6月16日
他国を武力で守る集団的自衛権の行使反対などを訴える「戦争はゴメンだ!市民パレード」が14日、佐野市中心部であり、住民ら約250人が参加した。
JR・東武佐野駅南口の広場で開かれた集会では、佐野地区労働組合会議議長の小野勉実行委員長が「安保関連法案を廃案にするまで佐野から声を上げていきたい」とあいさつ。「日本の平和を守るために、そして未来を担う子供たちのためにたたかいます」とする集会アピールを参加者たちが拍手で採択した。
続いて「世界にひびけ!憲法9条!」などと書いた横断幕を掲げてデモ行進に出発。「安保法制は憲法違反だ」「自衛隊を戦闘地域に行かせるな」などと声を上げ、市中心部の約2.5キロを歩いた。
長女(4つ)の手を引きながら歩いた市内の主婦(38)は「憲法9条を守りたいという思いを(首相の)安倍さんに届けたい」と話した。 (稲垣太郎)
横断幕を掲げてデモ行進する参加者=佐野市で
安保法案反対「茨大有志の会」結成 「平和国家ブランド壊す」
東京新聞 2015年6月16日
名誉教授や元職員ら茨城大関係者二十一人が十五日、「安全保障法制に反対する茨城大学有志の会」を結成し、集団的自衛権の行使容認を柱とした安全保障関連法案の、今国会での成立に反対する声明を発表した。現役の教授や准教授、講師、職員らに賛同を呼び掛けている。
声明は「法案の狙いは米軍に追従して自衛隊を参戦させること。わが国の平和国家ブランドを壊すことにつながる」などと主張。その上で「学問研究や教育の健全な遂行は、平和が維持され、自由闊達(かったつ)な討論と発言が保障されてこそ可能だ。学生や卒業生を戦場に送ることを拒否する」と訴えている。
「有志の会」は普段の主張に違いのあるメンバーが集まっており、同じく超党派で今月四日に結成した「『戦争法制』に反対する県実行委員会」と連携する。県庁で会見した「有志の会」幹事の田中重博名誉教授(地方自治論)は「今回の問題は党派や思想信条の問題とは違う。広く共感を得るために声を上げたい」と述べた。 (妹尾聡太)