4日の衆院憲法審査会の参考人質疑で、憲法学者3人が、政府の提出した安全保障関連法案が「憲法違反」であると述べたことを受けて、5日以降の各紙の社説は、読売新聞など極く一部を除いて、「撤回して別の対応を探れ」、「根本的な議論からやり直せ」、「正当性が大きく揺らいだ」、「法案の根幹が問われた」、「安保法制は廃案しかない」、「違憲でも押し通すのか」などと、政府・与党を批判・非難する論調で埋まりました。
いまの安全保障関連法案は廃案にするしかありません。
万一憲法違反の法案を多数を頼んで強行採決するようなことがあれば、それこそ史上空前の悪徳内閣・与党として永く汚名を残すことになります。
自民党の内部からも一部異論や疑問の声が出ているようですが、まだまだ少数に留まっています。公明党に至っては、委員長が安保法案を今国会で成立させたいと強調したということです。一体どうしたのでしょうか。ことは国を誤るかどうかの問題で、決して些細な面子にこだわっているような場合ではありません。
5日以降の各紙社説のタイトルは以下のとおりです。
9日付
8日付
7日付
6日付
5日付
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自民内部からも異論 憲法学者「違憲」 無視は傲慢
東京新聞 2015年6月9日
自民党総務会で九日、衆院憲法審査会に参考人として出席した憲法学者三人がそろって他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を「憲法違反」と明言したことをめぐり、安全保障関連法案に対してあらためて疑問の声が上がった。谷垣禎一幹事長は、法案採決にあたっては党議拘束をかける意向を示した。
総務会では、村上誠一郎衆院議員が「憲法学者の言うことを自民党だけは聞かなくていいという傲慢(ごうまん)な姿勢は改めるべきだ」と指摘。法案採決では党議拘束を外すよう、執行部に求めた。
木村義雄参院議員は、砂川事件の最高裁判決を根拠に集団的自衛権の行使を認めるという憲法解釈に対して「短絡的すぎる。そういう主張をしていると傷口を広げるので、これ以上言わない方がいい」と忠告した。
一方、谷垣氏は安保法案が国会提出に先立つ事前審査で了承されていることを踏まえ、「党としてばらばらの対応は取れない」と強調した。二階俊博総務会長はその後の記者会見で、党議拘束をかけるかどうかについて、「大きな問題でもあり、国会審議の状況を見ながら方向を定めていきたい」と述べるにとどめた。
公明党、安保関連法案について「今の国会で成立させたい」と強調
FNNニュース 2015年6月7日
安全保障関連法案について「違憲ではない」、「今の国会で成立させたい」と強調した。
公明党は6日、地方組織の代表者を集めた会合を開き、山口代表は、安全保障関連法案について、「今の国会で成立を期したい」と強調し、「政府は国会審議で、国民の理解が進むよう、丁寧な答弁に努め、真摯(しんし)かつ謙虚な姿勢で臨んでもらいたい」と述べた。
衆議院の憲法審査会で、憲法学者3人全員が「法案は違憲」との認識を示したことについて、北側副代表は「違憲ではない」と主張し、今後の審査会で反論する意向を示した。