国会に提出された安保法案に対して反対や慎重審議を求める意見書を可決した地方議会は、28日現在で34都道府県の195議会に達しました。
このうち長野県では78自治体の半数を大きく超える46自治体が廃案・反対、慎重審議の意見書を採択しています。
それとは別に、集団的自衛権行使容認に反対する市民団体「戦争をさせない千人委員会」は29日、行使容認の閣議決定撤回などを求める約165万人分の署名を、安倍晋三首相と衆参両院議長あてに提出しました。
同委員会は昨年、約257万人の署名を提出しています。
29日に記者会見した会のメンバーは、「来月中には三百万人をめざしたい」としています。
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戦争法案「反対」「慎重審議」意見書議会195 1週間余79増
しんぶん赤旗 2015年6月29日
5月に戦争法案が国会に提出されて以降、各地方議会で法案に「反対」「慎重審議」などを求める意見書の可決が、急速に広まっています。日本共産党自治体局の調べでは、今月19日時点で30道府県116議会でしたが、79増え28日現在で34都道府県の195議会に達しました。
このうち長野県では78自治体の半数を大きく超える46自治体が廃案・反対、慎重審議の意見書を採択しています。
また、埼玉県本庄市議会では23日、会派を超えて共同提案された「慎重審議」を求める意見書が、全会一致で可決されました。
意見書は、衆院憲法審査会(4日)で政府与党が推薦した参考人(憲法学者)からも「違憲」が指摘されていることに触れ、「国会の中でも混迷を極めている」と指摘。これに日本共産党市議が賛成討論を行っただけでなく、国政与党の公明党が戦争法案賛成の立場を示しつつも、意見書に賛成の討論を行う異例の事態となりました。
さいたま市は、自民、公明、民主、共産の各党で「慎重審議」を求める意見書を共同提出。政令市で初めて、全会一致で可決しました(17日)。
同市では、5月31日に「集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を求めるオール埼玉総行動」が呼びかけられ、同実行委員会が市議会全会派に案内をだすなど働きかけを重ねるなかで、幅広い立場の1万人超が参加。政府は説明不足が7割を超えるなどの世論調査や、弁護士らから廃案・慎重審議を求める請願が出されたことなどが後押しした形です。
安保法案反対署名165万人 千人委員会、首相らに提出
東京新聞 2015年6月29日
安倍政権の集団的自衛権行使容認に反対する市民団体「戦争をさせない千人委員会」は二十九日午後、行使容認の閣議決定撤回などを求める約百六十五万人分の署名を、安倍晋三首相と衆参両院議長あてに提出。東京・永田町で記者会見したメンバーは「来月中には三百万人をめざしたい」と強調した。
「千人委員会」は、昨年三月、憲法学者の故・奥平康弘東大名誉教授やルポライターの鎌田慧さんらが呼び掛け人となって発足。安倍政権が国会に提出した安全保障関連法案の廃案を求める集会などさまざまな活動を各地で展開してきた。昨年は約二百五十七万人分の署名を提出している。
今回の署名文は「このままでは、日本は戦争をする国になり、自衛隊が外国で殺し殺されることになる」などと危惧を表明。閣議決定撤回のほか、戦争参加を可能にする立法、条約締結をしないことや、海外での武力行使をせずに平和憲法に基づく外交を進めることなどを求めている。
会見には、呼び掛け人の鎌田さん、評論家の佐高信さん、法政大学教授の山口二郎さんらが出席。山口さんは、自民党の勉強会で報道機関に圧力をかける趣旨の発言が相次いで批判を招いた点に触れ「政府与党がぼろを出し、安保法案反対の世論が強まっている」と指摘した。