民進党代表選に立候補した3人は、10月に行われる東京10区と福岡6区の衆院補選について、共産党など他の野党との共闘に慎重姿勢を示し、民進党の理念、政策が尊重されない限り難しいとの認識を示したということです。一体それで勝てるというのでしょうか。まさかとは思いますが、参院選での議席増を独力で勝ち取ったとか、それなりの支持があったからだなどと勘違いしているのでしょうか。
夏の参院選の時も民進党は一向に野党共闘に前向きではなくて、ギリギリになってから重い腰をあげました。それでも不十分ながらも最後に帳尻を合わせた岡田執行部はまだマシでした。間もなく生まれる新執行部は一体どんなものになるのでしょうか。
東京新聞が4日、野党4党が衆院選でも野党統一候補を立てれば、現行(2014年選挙)の小選挙区43議席から91議席に48議席を増やし、代わりに自公は231議席から185議席に減らすという見通しを報じました。あたかも次期の民進党執行部に「よく認識しておきなさい」と言わんばかりにです (^○^)。
それにしても長島昭久氏と並んで自民党並みの右翼である前原氏が、落ち目とはいえ、いまだにリーダーの一角に収まっているというのは不思議なことです。
それにしても長島昭久氏と並んで自民党並みの右翼である前原氏が、落ち目とはいえ、いまだにリーダーの一角に収まっているというのは不思議なことです。
民進党の現状を大いに憂いつつ、大いにコキ下ろした「あいば達也」氏のブログも併せて紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4野党共闘なら議席2倍に 次期衆院選小選挙区 本紙試算
東京新聞 2016年9月4日
三日に大阪から地方遊説が始まった民進党代表選(十五日投開票)では、次期衆院選での野党連携のあり方が争点になっている。
民進、共産、生活、社民の野党四党は参院選で全ての一人区で候補を統一したが、衆院選小選挙区(二九五)でも候補を一本化した場合、どれだけ効果があるのか。二〇一四年の前回衆院選の結果を基に本紙が試算したところ、野党四党側の勝利は前回の四十三選挙区から、二・一倍の九十一選挙区になる。 (山口哲人)
一四年衆院選小選挙区では、自民党が二百二十二議席、公明党が九議席を獲得し、与党で八割近い議席を占めた。これに対して、それぞれ候補者を擁立した野党四党側は、民主(当時)三十八、共産一、生活二、社民一議席だった。四党が統一候補として擁立した無所属の仲里利信氏(沖縄4区)を加えても、四党側が勝った選挙区は四十三だった。
参院選に続き、次期衆院選で野党四党が候補を統一すると仮定し、前回衆院選で四党候補がそれぞれ獲得した得票数を単純に足したところ、九十一選挙区を制する計算になる。自公両党の勝利は計百八十五選挙区。
前回衆院選のあとに現職議員が所属政党を移動した例もある。三月に発足した民進党には維新の党などから江田憲司氏(神奈川8区)、柿沢未途氏(東京15区)ら二十五人の衆院議員が加わった。こうした事情を考慮すれば、野党四党側の獲得議席はさらに増える可能性がある。
野党四党がばらばらに戦うより、連携した方が多くの議席を獲得できるといえる。ただ、次期衆院選では候補者が代わる可能性もあるし、その時の政治状況で得票数は変わる。
七月の参院選では三十二の一人区のうち野党統一候補が十一勝二十一敗だった。野党四党が共闘しなかった前回一三年は三十一選挙区中、野党が勝ったのは二選挙区のみだった。
“絶望的な民進党” 「連合」を切る勇気があるだろうか?
世相を斬る あいば達也 2016年9月5日
既得権益内で不貞腐れている準与党化した「民進党」に、何か明るい兆しがあるのだろうか?鳩山由紀夫・小沢一郎路線の、旧民主党(本来の民主党)のシンパであった筆者としては、何とかなって貰えないかものかと、僅かな光を頼りに観察してきたが、この政党は、日本維新の会と合併しても、当然のことだが、「連合」と云う集票マシンの影がついて回る。根本的に、「連合」と云う組織は、日本社会のエリート層の末端にある組合組織であり、決して“弱者”ではないと云う現実である。原則、官公労、大企業製造業(経団連)の正社員によって組織されている労働組合であり、一部で、権力層と対立点は持っているが、同じ船に乗っている、生命共同体意識下においては、日本社会のエスタブリッシュメントの末端にある人々の組織である。つまり、準権力構造内の組織と云うことだ。である限り、民進党も権力政党内にある政党と見ることが出来る。
全国5紙+東京新聞の民進党代表選に関する“社説”を読み比べてみた。日経新聞は、民進党代表選など歯牙にもかけないと、無視を決め込んでいる。完全に、馬鹿にされたも良いところである。が、しかし、筆者が社説担当の論説委員であっても、書かなかったかもしれない(笑)。理由は、上述の通りで、安倍自民党と、国民生活において、大差ないのだ。本人たちは、お猪口の中の嵐でも、大変な違いくらいに思い込んでいるが、見ず知らずの人間から見たら、同根から生えた枝ぶりの違い程度で、根こそぎ、その木を倒して薪にでもしてしまえば、同時に消えてゆく存在と云うことだ。これでは、野党ではないだろう?根本が同じで、その政策の強弱を“政権選択の争点”そんな、微細な差異を、日本の有権者が理解する筈もない。そんなことは、鼻糞ほじりながらでも判ることだ。
毎日新聞が、岡田前代表が、東京都知事選投票の前夜に不出馬表明したことに触れて、民進党(旧民主党)の無責任体質に触れているが、ことは、そんな直近の無責任体質云々以前の問題である。09年、国民の熱狂的支持、大いなる期待を背に、堂々登場した鳩山民主党政権が、1年も経ずに、瓦解し、もっと酷い奴らが、とっかえひっかえ出てきて、国民の期待の逆さまを演じたことに関して、真摯な「総括」も、血の出るような「反省」そして、「改革」を何ひとつせずに、あたら時間を経過させただけである。要は、ここの部分が有権者に伝わり、本気で、その生まれ変わった「政党」を、有権者に提示できるか、そのスタート時点を間違っているのだから、幾ら一番にテープを切っても、失格になるのだ。
ビデオニュースドットコムのニュースコメンタリーは以下のように論じている。
≪ 民進党は政策論争をしている場合なのか 民進党の代表選挙が公示された。
立候補した蓮舫参院議員、前原誠司衆院議員、玉木雄一郎衆院議員の3候補は、9月2日に行われた討論会で、「党の立て直し」を共通認識としてたうえで、野党共闘やTPPに対する姿勢やアベノミクスへの評価などの政策での違いをアピールした。
台湾人の父を持つ女性候補者の蓮舫氏や、元財務官僚で当選3回の若手である玉木氏が、若手の自分らが代表になれば民進党が変わったことが証明できるとアピールしたほか、民主党政権失敗の「戦犯」を自認する前原氏は、失敗を認めた上で土下座して出直すと語るなど、それぞれの立場から代表選への抱負を語った。
候補者が出揃い、9月15日の投開票に向けて論戦を繰り広げることになるが、どうも世間の目は民進党に向いていない。それは一重に、民進党が有権者から、再び政権を担える政党に生まれ変わったとは思われていないからだ。
過去3年あまり選挙に負け続けてきた旧民主党、そして民進党では、選挙に負けるたびに解党的出直しの必要性が叫ばれてきた。しかし、実際に解党的な出直しが断行された様子は一向に見えてこない。酷な見方かもしれないが、ともすれば二大政党制を前提とする現在の選挙制度の下で、常勝ならぬ常敗野党としての地位に安住しているかのようにさえ見える。
確かに今回の代表選は過去の民主党の代表選挙と比べると、新しい顔ぶれが目立ち、清新な印象が際立つ。鳩菅、小沢、岡田の時代から時計の針が大きく進んだ感は強い。3人の中では古顔に属する前原氏でさえ、まだ53歳だ。蓮舫氏は48歳、玉木氏は47歳だ。
3候補はいずれも政策に通じているし、弁も立つ。しかし、どんなに素晴らしい政策を訴えても、それを信用してもらえなかったり、そもそも話を聞い てもらえなければ、何の意味もない。とすると民進党代表選の真の争点は、民進党が再び真に受けてもらえる政党になるために、新代表は何をするつもりなのかにかかっている。
2日の記者会見でも、代表3候補は口を揃えて、民進党が安倍政権の対立勢力になれていないことへの悔しさを訴えた。しかし、では民進党が再び自民 党のオルタナティブになるために何が必要で、自分が代表になった時、それをいかに実現するかを明確に答えられた候補は、残念ながらいなかった。
8年前の総選挙で日本は戦後初めて、選挙の投票による政権交代を実現させた。これは日本の民主主義にとっては歴史に残る快挙であり、また賭けでも あった。これまで日本という国の舵取りを自民党一党に任せてきた日本の有権者が、初めて全く別の勢力に日本を託した。その裏にはとても言葉では言い表せないほどの大きな期待と、そして不安があった。
日本の有権者は、そのあまりにも大きな期待が裏切られた時の心の傷から回復できていない。民進党は有権者のその傷を癒し、日本の民主主義や政党政 治に対する自信を回復させる、とてつもなく重い責任がある。自分たちが再び信用されるように努力するなどと言っているだけではまったく不十分なのだ。
その意味で民進党にとって致命的なのは、旧民主党政権の失敗の総括が不十分なことだ。政党名を変えただけで過去の失敗が洗い流されるわけではない。失敗を厳しく総括した上で、その失敗が起きた原因や構造を改めて問い直し、その背後にあるガバナンスの仕組みや組合依存体質といった党の構造を根本か ら変革する。それができて初めて解党的出直しとなる。
この代表選挙で、少なくともその認識と方向性を見せることができるかどうか。それは誰が今回の代表選に勝つかなどという枝葉末節よりも、遥かに大きな、日本の民主主義の根幹に関わる問題だ。それが今、民進党に問われている。
政権から転落して3年経った今も、まだ民進党が有権者の信頼を回復できない理由を、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。 ≫
(ビデオニュースドットコム>ニュースコメンタリー:神保哲也・宮台真司)
(後 略)