11日、新発田市民文化会館で開かれた第7回 立憲主義と憲法9条をまもる新潟県民の集いin新発田 「いかそう憲法! まもろう9条」には、会場が満席になるほど大勢の人たちが参加しました。
湯沢平和の輪からも10人が、マイクロバスに乗って参加しました。幸いに穏やかな日和だったので快適な新発田往復の旅となりました。
集会は13:30に 敏和学園大学チアリーダー部によるダンス4曲のアトラクションで始まり、開会のあいさつ、主催者あいさつのあと、新潟県から選出された森ゆうこ参議院議員から「連帯のあいさつ」がありました。
メインイベントの中野晃一・上智大学国際教養学部教授の講演「非立憲的改憲は許さない~参院選の成果と限界を踏まえて~」は14:20から約1時間20分行われました。
内容は、多様な運動体の緩やかな連携と共闘態勢という「新しい市民運動の広がり」に関するもので、特にその触媒となり起爆剤となった「SEALDs(とママの会)」が中心でした。
それは、民主主義の主権者として参画する個人主義の運動であり、それによって政治参加が「普通のこと」になり、平和運動が息を吹き返すことにつながった。そしてSEALDsの源流は「ウォール街の占拠活動※」にあり、特に女子学生たちの発言は自分の感覚と思考から生れ出たものを率直に語っていて新鮮であったとしました(レジメは配布されたもののそれに基づくものではありませんでした)。
講演の最後の方で、いま展開されている民進党の代表選挙に簡単に触れて、3候補が盛んに言及しメディアも取り上げている「野党共闘」問題は実は民進党内を意識した話題に過ぎないのであって、誰が代表に選ばれても彼らは「野党共闘」に参加するしか生き延びる道はないと述べました。
集会は最後に「いかそう憲法! まもろう9条」アピールを採択し、その後市内のパレードに移りました。湯沢平和の輪のメンバーは遠路のためパレードには参加せずに帰途につきました。
※ ウォール街占拠活動
ニューヨークのウォール街で2011年9月に始まった若者らによる草の根デモ・占拠活動。
別に統一的な組織ではなく特定のリーダーもいなくて、SNSでの呼びかけに応じた参加者がウォール街近くの公園に野営しながら、経済格差の解消を求めて富裕層への課税強化などを訴えた運動で、半年以上も続けられました。
第7回立憲主義と憲法9条をまもる新潟県民の集いin新発田
「いかそう憲法! まもろう9条」 アピール
日本人310万人、アジア太平洋諸国の人々2000万人に上るとされる犠牲者を出した先の15年戦争終結から71年。多くの犠牲を無駄にしないために先人が築いてきた平和を、いとも簡単に壊そうとする安倍政権の暴挙を私達は見てきました。「日本国憲法」9条は明確に、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と謳っています。安倍政権は、解釈を変えるだけで、日本を「戦争のできる国」にしようとしています。 どんなに国が「英雄」として祀り上げ美化しようとしても、人を殺すという行為を強いるのが戦争。それを「安全保障」や安倍流「積極的平和主義」という元の意味をはき違えた言葉によって、現政権は実体を見えにくくしています。
戦争に負けて70年。「戦争はもういやだ。もうこんな思いを子ども達にさせたくない」と思った大人は、平和のありがたさ、尊さを子ども達に教えてきました。そうして育った若者が、国会議事堂前で、「民主主義ってなんだ?」「これだ」と呼応し、安保法案に反対してきました。阪神淡路大震災、東日本大震災で、自分の家族の安否もわからない状況で、命をかけて人命救助にあたった自衛隊員の姿を見て、「自分も人の役に立ちたい」という純粋な思いから自衛隊に志願した若者達がいます。集団的自衛権が恥ずべき強行採決により可決された今、彼らは人に銃を向けることを求められ、そのために訓練を受けています。彼らが目指していたものは、このような形の貢献だったのでしょうか。専守防衛からは大きく逸脱した任務を負うことになります。 さらに、政府は「日本国憲法 前文」の「日本国民は…政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」という宣言をすっかり書き変え、基本的人権の保障(現行憲法97条)を削除し、憲法を国家権力を縛るものではなく、国民を縛るものとして位置づけを変えようとしています。
戦後たったの70年で、こんな日が来ようとは。私達は呑気過ぎたのでしょうか。私達の子どもや学生が、誰かの子どもに殺されることのないように。そして、私達の子どもや‘学生が、誰かの子どもを殺すことがないように。折るだけでなく、今は行動を起こす時です。
今「主権在民」がないがしろにされ、「基本的人権」の前に「国家」や「公益及び公の秩序」がおかれ、「平和主義」が壊されようとしている現実に強い危機感を覚えます。「民主主義とは自転車のようなもの。国民みんながこいでいかないと倒れてしまう」と言った人がいました。 SEALDsの若者達、彼らを支える学者達、0LdsやMiddles、そしてママ達。昨年の運動を「あの時は盛り上がった」で終わらせてはいけません。「民主主義」が自転車なら、「立憲主義」はハンドルであり、ブレーキです。法によって縛られるべき為政者が、どんなに憲法学者が「違法だ」と叫んでも、自分達の思惑で国を動かそうとしています。私たちは彼らの暴挙をこれ以上許してはいけない。私たちは、憲法9条の改正に断固として反対し、9条の精神を遂行することを新潟県民として、核兵器廃絶平和都市を宣言し、平和教育にも取り組んでいる新発田から内閣に求めることを訴えます。
2016年9月11日
第7回 立憲主義と憲法9条をまもる
新潟県民の集いin新発田参加者一同