2013年5月10日金曜日

アメリカが安倍首相の歴史認識を懸念

 
 米国上下両院議員その時々の国政の重要課題について詳細な情報を公式報告書にまとめて提供している米議会調査局が、8日までに日米関係に関する報告書を発表しました。報告書には以下のようなことが記載されているということです。

安倍首相の歴史認識は、(東アジア)地域の国際関係を混乱させ、米国の国益を害する恐れがある
首相は強固なナショナリストとして知られており、第2次大戦中の従軍慰安婦や歴史教科書、靖国神社参拝に関する首相の言動は、韓国や中国だけでなく、米国からも常に監視されている。
・従軍慰安婦問題については、戦時中の旧日本軍の関与や強制性を認めた1993年の「河野談話」を見直せば、対韓関係は悪化するだろう。
・閣僚の靖国神社参拝を受けて韓国外相が訪日をキャンセルするなど、日韓関係はぎくしゃくした状況が続いている。

 首相はアメリカの言うことには従うようなので今後は大いに自戒して欲しいものです。
 以下に東京新聞の記事を紹介します。(同記事後半の衆院の憲法調査会に関する部分は省略しました)
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首相 歴史認識 米が懸念 「東アジア混乱」「米国益害する」
東京新聞 2013年5月9日
 【ワシントン=竹内洋一】米議会調査局が日米関係の報告書をまとめ、旧日本軍慰安婦問題などをめぐる安倍晋三首相の歴史認識について「(東アジア)地域の国際関係を混乱させ、米国の国益を害する恐れがあるとの懸念を生じさせた」と指摘した。米有力紙にも首相の歴史認識を批判する社説が相次ぐなど、東アジアの不安定化要因として危惧する声が高まっている。

 米議会調査局は、上下両院議員の立法活動を補佐するためその時々の国政の重要課題について専門スタッフが調査し、詳細な情報を公式報告書にまとめて議員に提供。議論に影響を及ぼしている。
 今月一日付の日米関係の報告書は、首相が「強固な国粋主義者」として知られ、「帝国主義日本の侵略やアジアの犠牲を否定する歴史修正主義にくみしている」と指摘。慰安婦問題や靖国神社参拝をめぐる言動は、「米国や日本の近隣諸国から注意深く監視される」と強調した。
 報告書は、植民地支配と侵略を認めた一九九五年の村山富市首相(当時)の談話について、安倍首相が今年四月の国会答弁で「そのまま継承しているわけではない」「侵略の定義は国際的にも定まっていない」と述べたことに触れ、米国が非公式に懸念を伝えたとの報道に言及した。
 慰安婦問題では、報告書は旧日本軍の関与を認めた九三年の河野洋平官房長官(当時)による「河野談話」の見直しが安倍首相の持論であり、仮に見直せば日韓関係を悪化させるとしている。米国内の反応として、クリントン前国務長官が「慰安婦」でなく「(強制された)性的奴隷」という用語を使うよう国務省高官に指示したとの報道も引用した。
 さらに「首相は熱心な国粋主義者を閣僚に選んだ」と指摘。複数の閣僚が靖国神社を参拝し、中韓両国が反発していると説明した。

 米有力紙も、安倍首相について「歴史を直視していない」(ワシントン・ポスト)、「不必要なナショナリズム」(ニューヨーク・タイムズ)とする社説を掲載している。