2013年5月17日金曜日

みんなの党は維新との選挙協力解消も

 橋下徹の従軍慰安婦発言についての非難・追及の声はその後もやまず、16日の各紙にも下記のような社説が掲げられました。
橋下市長発言 あまりにも非常識だ     東京新聞 社説 5/16
橋下氏発言 速やかな撤回、謝罪を    琉球新報 社説 5/16
[橋下氏発言] 人権感覚に重大な疑問   沖縄タイムス 社説 5/16
[橋下氏発言] 深刻な人権意識の欠如   南日本新聞 社説 5/16
橋下氏発言 国際社会の信頼を損なう   西日本新聞 社説 5/16
橋下市長発言 許し難い女性への暴言  京都新聞 社説 5/16
橋下発言 戦争を免罪符にするな      神奈川新聞 社説 5/16

 みんなの党の渡辺代表は15日、橋下氏の発言「古色蒼然たる歴史認識一線を画したい。党としての見解であれば今までの関係は見直す」と述べました。

 また女性有志議員:社民党福島瑞穂氏、民主党の蓮舫氏・菊田真紀、生活の党森裕子、共産党田村智子、みどりの風谷岡郁子、無所属糸数慶子氏ら11人が16日国会内で記者会見し、橋下氏の従軍慰安婦発言「あからさまに差別を容認し、女性のみならず、すべての人間の尊厳を傷つけるものだ」と抗議し、発言の撤回と謝罪を要求しました。 

 一方橋下氏は16日、在日米軍に風俗業の活用を提案したことについて、「国も価値観も違う他国への話の仕方として不適切。僕に国際感覚がなかった」と、表現が不適切だったことを認め一方で、「風俗業を活用すべきだ」とする主張自体は撤回せず、一連の発言についても問題はないとの考えを示しました
 橋下氏は「米国では風俗と聞くとすぐ売買春と思いつくので、大きな誤解を生んだ」と語っていますが、あのときの話を「買春」を想定したものと受け取るのはごく自然のことなので、何が大きな誤解なのか分かりにくい話です。

 彼は問題発言のあった13日の夜半から翌日一杯にかけて(14日は市役所に行かず)合計30通ものツイッターを連発して、発言の正当性を強調したということです。

 米国のサキ報道官(女性)は16日初めて橋下発言に言及し、「言語道断で不快だ」と非難しました。

 以下にみんなの党渡辺代表の発言、女性有志議員抗議、橋本氏の国際感覚発言、米報道官発言についての記事を紹介します。
                                                     ~~~~~~~~~~~~~~
みんなの党:維新と選挙協力解消も…橋下氏発言を批判
毎日新聞 2013年05月16日
 みんなの党の渡辺喜美代表は15日、日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が「従軍慰安婦は必要だった」と発言したことについて「古色蒼然(そうぜん)たる歴史認識」と指摘。「一線を画したい。党としての見解であれば今までの関係は見直す」と述べ、参院選での選挙協力を解消する可能性を示唆した。国会内で記者団に語った。

 渡辺氏は「こういう歴史認識の人は、依頼があっても推薦しない」と明言。石原慎太郎共同代表も同趣旨の発言をしたとして「常識的には党の見解だ」との見方を示した。これに対し、維新国会議員団の松野頼久幹事長は記者団に「個人的な見解だと橋下氏も言っている。党内で意見集約や党議決定したことはない」と釈明した。

 一方、民主党の海江田万里代表は渡辺氏の対応について、国会内で記者団に「考え方が一致する点がある」と強調。「いろいろな形で協力してきたが、改めてみんなの党と『よしみ』を通じていきたい」と秋波を送った。【木下訓明、阿部亮介】

女性有志議員ら抗議 橋下氏発言
東京新聞 2013年5月16日
 社民党の福島瑞穂党首ら野党の女性国会議員の有志十一人が十六日午前、国会内で記者会見し、日本維新の会の橋下徹共同代表の従軍慰安婦発言について「あからさまに差別を容認し、女性のみならず、すべての人間の尊厳を傷つけるものだ」と抗議した。撤回と謝罪を要求している。 
 会見には、福島氏のほか、民主党の蓮舫元行政刷新担当相や菊田真紀子衆院議員、生活の党の森裕子代表代行、共産党の田村智子参院議員、みどりの風の谷岡郁子代表、無所属の糸数慶子参院議員らが出席。
 福島氏は橋下氏の発言を「当事者だけでなく、世界の人々への侮辱だ。女性は性の道具ではなく、生身の人間だ」と批判した。


橋下徹氏:「国際感覚なかった」…風俗業発言、撤回はせず
毎日新聞 2013年05月16日
 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は16日、沖縄県の在日米軍に風俗業の活用を提案したことについて、「国も価値観も違う他国への話の仕方として不適切だった。僕に国際感覚がなかった」と話し、表現が不適切だったことを認めた。一方で、「風俗業を活用すべきだ」とする主張自体は撤回せず、従軍慰安婦を巡る一連の発言についても問題はないとの考えを示した。市役所で記者団に語った。

 橋下氏は今月1日に米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を訪れた際、米兵の性犯罪を抑止するために「もっと風俗業を活用してほしい」と海兵隊司令官に提案したことを自ら明らかにしている。
 こうした発言に国際的な非難が高まっていることについて、橋下氏は「米国では風俗と聞くと、すぐ売買春と思いつく。大きな誤解を生んだ。米国の風俗文化や性的な考え方、価値観への認識が甘かった」と話した。
 ただ、風俗業の活用自体は「法律で認められ、(従事する)女性たちも分かった上での話だ」として撤回せず、「(米兵の)性的エネルギーのコントロールを真剣に考えてくださいという趣旨だ」と釈明した。
 また、橋下氏は16日朝、フジテレビの報道番組にも出演し、従軍慰安婦制度を「当時は必要だった」とする発言について「誤解があり、傷ついた方がいれば申し訳ないが、日本だけが特別に非難されることなのか。波紋を起こしながらでも、議論をしていくのが世界のスタンダードだ」などと話した。【茶谷亮】

橋下氏発言は「言語道断で不快」 米報道官が初批判
東京新聞 2013年5月17日
 【ワシントン共同】米国務省のサキ報道官は16日の記者会見で、従軍慰安婦は必要だったとした、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による発言について「言語道断で不快だ」と非難した。
 橋下市長の発言をめぐっては、在日米軍に風俗業者の利用を求めたことに絡んで米国防総省のリトル報道官が、米軍が買春を拒否するのは「言うまでもない」と述べていたが、米政府当局者が公式の場で正面から批判したのは初めて。
 サキ報道官は従軍慰安婦について「性を目的に人身売買された女性たちの身に起きた出来事は嘆かわしく、とてつもなく重大な人権侵害であることは明白だ」とも指摘した。