自民党の古賀誠元幹事長が「しんぶん赤旗」のインタビューに応じ、「憲法は最高法規。他の法規を扱う基準と違うのは当然だ。諸外国を見ても改正のハードルは高い」として、96条の改正は「絶対やるべきではない」と述べるとともに、9条に関しても「平和憲法の根幹で『世界遺産』だ」と述べたということです。
インタビュー記事は6月2日付の同紙日曜版に掲載されます。
古賀氏は日本遺族会の会長をつとめ、最近もTBS番組で「村山談話を出す時、どういう文案にするか本当に苦労した。戦後長い間かけてやっと一つの方向性が出した非常に大事な談話で、歴代の政権がきっちりと継承するのは当然のことだ」として、高市早苗氏の発言を批判しました。
もともと自民党は強硬な右翼から中道ハト派まで幅広く分布していることが特徴でした(最近はその傾向が薄れました)が、幹事長経験者が赤旗のインタビューに応じるのは非常に珍しいということです。
以下に毎日新聞の記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自民党:古賀氏が96条改正に反対 「赤旗」に来月掲載
毎日新聞 2013年05月29日
自民党の古賀誠元幹事長が共産党機関紙「しんぶん赤旗」のインタビューに応じ、憲法改正の発議要件を緩和する96条改正について「絶対にやるべきではない」と強く反対したことが分かった。自民党の元幹部が赤旗に登場するのは異例。安倍晋三首相は96条改正に前向きだが、歯止め役のいない党内への懸念が背景にあるとみられる。6月2日付日曜版に掲載される。
古賀氏は「各議院の総議員の3分の2以上」という発議要件に関し「憲法はわが国の最高法規。他の法規を扱う基準と違うのは当然だ」と指摘。自民党は憲法改正草案で「過半数」への緩和を掲げているが「ハードルを下げることは認めることはできない」と反対姿勢を鮮明にした。
9条については「平和憲法の根幹。その精神が一番ありがたいところで、『世界遺産』と言っている」と平和主義の堅持を主張。そのうえで「自衛隊は9条2項(戦力不保持)を1行変えて認めればいい」として、限定的な改正にとどめるべきだとの考えを示した。
古賀氏はこのところ、テレビ番組に出演するなど改憲への慎重論を発信している。記事では戦争遺児としての生い立ちに触れ「二度と戦争を起こしてはならない。インタビューを受けたのも、戦争を知る世代の政治家の責任だと思ったからだ」と述べ、慎重な党内論議を促した。【竹島一登】