安倍政権は7日、68年前の米軍の東京大空襲は「人道主義に合致しない」とする答弁書を閣議決定したということです。何か及び腰な言い方をしてはいますが、ともかくも初めて評価できる決定を行いました。
この際野党は引き続いて原爆投下に対する政府見解も求めるべきです。原爆投下に対してもせめて「非人道主義」程度の評価を下さないことには片手落ちになりますし、犠牲者も浮かばれません。
この1年間だけでもアメリカはいくつかの州議会で旧日本軍の従軍慰安婦制度を「人道にたいする罪」だとする非難決議を採択しました※。そのこと自体はまことに道理に適ったことなのですが、何故か自分たちが行った原爆投下や東京大空襲なとにはいまだに目を瞑ったままでいます。まさに他者は批判するが自らは省みないの好例です。
※ 1月30日付「NY議会が旧日本軍慰安婦問題に対し非難決議」 他
以下に東京新聞の記事を紹介します。
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東京大空襲で答弁書 「人道主義に合致せず」
東京新聞 2013年5月7日
政府は7日、米軍による焼夷弾の無差別投下で多数の犠牲者を出した1945年3月の東京大空襲について「国際法の根底にある基本思想の一つたる人道主義に合致しない」と強調した答弁書を閣議決定した。
安倍政権として、東京大空襲をめぐる歴史認識を示した。対日戦争を反ファシズムの戦いと位置づけてきた米側の反応が注目されそうだ。
答弁書は東京大空襲に関して「当時の状況についてはさまざまな見方がある」と述べ、直接的な対米批判は避けた。「当時の国際法に違反して行われたとは言い切れない」とも指摘した。 (共同)