全国から集まった高校生170人が2週間合宿して開く「ハイスクール国会」が、福岡県で開かれました。この豪勢な模擬国会は今年で10回目になるのだそうです。
今年のテーマは「憲法」で、最初に決める総理大臣役に立候補したS君は、「9条の2項を“国の交戦権はこれを認めない”ではなくて、前項は“自衛権の発動を妨げるものではない”と変えたい」と、自民党張りの主張をしましたが予備選で落選し、圧倒的多数で当選した人は9条改憲に反対した護憲派の人でした。
しかし最終日に憲法9条を改正すべきかどうか全員で投票を行ったところ、
改正すべき 127票
改正すべきでない 42票
という意外な展開となりました。
その理由はしかし、「国防軍」や「集団的自衛権の行使」といったものではなく、「自衛隊が非常に東日本大震災でありがたかったという話を聞いて、自衛隊を認めない今の憲法に不満を感じる」という、いわば『平和主義は守ったうえで現実に存在する自衛隊にも市民権を与えよう』という意見が広く支持されたのでした。
これまでの経緯などにとらわれない若い人たちの素直な感覚なのでしょう。 (^○^)
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ハイスクール国会、高校生が考えた「憲法」
TBSニュース 2013年8月7日
高校生が2週間にわたり合宿して議論する「ハイスクール国会」が福岡県で開かれました。今年のテーマは「憲法」。高校生の考えたあるべき憲法の姿はどんなものだったのでしょうか。
全国から集まった170人の高校生たち。今年で10回目を迎えたハイスクール国会のテーマは「憲法」です。
「憲法についてものを考えるときも、普通にものを考えるときと違った態度をとる必要ない」(東京大学法学部 長谷部恭男教授)
今どきの高校生にとって「憲法」とは・・・
Q.普段、憲法について考えることある?
「まったくありません」
そんな彼らの中に異色の生徒がいました。
「みんな知識がない。日米同盟について説明できる人が何人いるか?」
高校3年生の志和将広くん。ハイスクール国会で憲法改正を訴えようと参加しました。
「9条の2項を“国の交戦権はこれを認めない”ではなくて、前項は“自衛権の発動を妨げるものではない”と変えたい」(明治学園高等学校3年 志和将広くん)
2週間にわたって合宿し、国会議員さながらに議論するハイスクール国会では、まず、全体のまとめ役となる「総理大臣」を選挙で決めます。志和君は憲法改正を訴えて立候補しましたが、予備選の段階で落選してしまいました。圧倒的多数で「総理」に選ばれたのは・・・
「僕は今、憲法改正すべきではない意見です」(青森県立青森高校2年 山谷清和くん)
護憲、特に9条改正の反対を訴えた生徒でした。
高校生たちは自分たちの考えるあるべき憲法の姿を発表する最終日に向け、議論を重ねました。
「明日にはもう終わるんですよ、ハイスクール国会。提言を言って憲法にまとめるとか言っているが、この提言からどうやって憲法が生み出されるのか?」(福岡県立城南高校2年 スミス幸寛くん)
そして迎えた最終日。憲法9条を改正すべきかどうか全員で投票を行ったところ、意外な展開となりました。
改正すべき 127票
改正すべきでない 42票
改正すべきという意見が75%にも上ったのです。ただ、理由を聞くと、「国防軍」や「集団的自衛権」といった言葉が飛び交う本物の国会とは違う、素朴な問題意識が見えてきました。
「自衛隊が非常に東日本大震災でありがたかったという話を聞いて、自衛隊を認めない今の憲法に不満を感じる」(静岡学園高等学校2年 小野航汰くん)
平和主義は守ったうえで、現実に存在する自衛隊の位置づけを明記した方がいいという意見が支持を得たのです。事務局長の加藤さんは・・・
「日本がどうあるべきなのか、近隣諸国とこのままの状況でいいのか、そういうことを考えるという意味で、憲法を考えることがいかに大事か」(日本の次世代リーダー養成塾 加藤暁子事務局長)
憲法改正とその先の未来・・・大人にも問われています。